エステティシャン転職・就職に役立つ!自己PRについて
これから、エステティシャンになるために就職活動をする学生さんや、キャリアアップをするために転職を考える方もいるでしょう。ここでは、それぞれの立場に応じて、自己PRの方法をご紹介していきます。
そもそもなんで企業側は自己PRを聞いてくるの?
エントリーシートや面接の際に必ずと言っていいほど聞かれるのが「自己PR」。
自己PRとはPublic Relationsの略語で、企業に対して自分の良い所をアピールするという意味。自分の魅力を企業側に知らせるための貴重な機会!
とはいうものの、何を書けばいいのか分からず、悩む人も多いのではないでしょうか?
きちんと企業・サロンのことを知った上で応募しているか
自己PRがなぜ聞かれるのか、その理由はいくつかあります。
1つめの理由が、「きちんと企業・サロンのことを知った上で応募しているか」
たとえばフェイシャル専門サロンなのにも関わらず、「今まではボディマッサージメインで働いてきたため、今後もボディのスキルを磨いていきたい」という自己PRではまったくサロンのことを調べていません。
応募するに当たり、サロンに対する最低限の情報は確認しておくべきですね。
理由②
2つ目の理由が「その人が社風にそぐわないか、サロンの雰囲気に合っているか」
働きたいというサロンが個人サロンで、ノルマなし・一人一人に対して丁寧な接客を心がけるというコンセプトなのにも関わらず、自己PR文が「運動部で培った体力を生かして、毎日一人でも多くのお客様を施術してノルマをこなしていきたい」だとどうしてもサロンの雰囲気に合いません。
上記のようなことを確かめるためにあるのです。
入社してから「やっぱりサロンに合わなかった」ということのないよう、嘘のない内容で考えていく必要があります。
つまり採用するかしないか決める際の、大切な判断材料の1つとも言えますね。
今回は、そんな自己PRについて説明していきます。
自己PRその① 現場経験がない場合
現場経験がない場合は、技術力ではなく性格や立ち振る舞いなどが重視されます。美容学校を出ていれば知識や技術も人並み以上についていますが、実践力としてものになるかどうかは、実際に現場に出て、繰り返し経験を重ねなければわかりません。
逆に言えば、技術力は現場に出てからついてくるものなので、焦ることはないと言うことです。
学生時代運動部に所属していた人であれば、実際に現場に立ったときのことを想定し、体力に自信があることや周りの状況を見て、自分がやらなければいけないことを、判断する力があることをアピールすると良いでしょう。
面接では、笑顔や元気な挨拶といった当たり前のことが、意外と重視されています。そういった面もふまえ、第一印象で相手に好印象を与えられるようにしましょう。
例文①人を明るくする笑顔
「どんな方にでも笑顔で明るく接することができます。
学生時代に学校に通いながら、近所のエステサロンで受付のアルバイトをしていました。その際に、自分が嫌なことがあっても必ず笑顔で元気に接客をするということを心がけていて、『○○さんはいつも明るくていいね』『○○さんに接客もして欲しい!』といろんな方に言っていただけたことがとても心に残っています。
この経験から、今度は受付ではなく実際にお客様と接するエステティシャンの仕事がしたい、と考えるようになりました。誰にも負けない笑顔と明るさで、たくさんのお客様のことも笑顔にできるようなエステティシャンになりたいです。」
例文②サポートが得意
「サポート力には自信があります。 私は高校時代に3年間生徒会で副会長を務めていました。人前に立って活躍するような会長をサポートするのが私の役割で、派手な仕事というよりは小さな仕事を一つ一つこなしていくという役割でした。 常に次は何をしたら良いか考えながら会長のサポートを行っていました。『○○さんのサポートは本当に的確だね』と、先生方や他の生徒会役員から言われたときが何よりのやりがいでした。 この経験を生かして、お客様の気持ちをいち早く汲み取って、お客様が綺麗に変化していけるように全力でサポートをしていけるようなエステティシャンになろうと考えています。」
例文③忍耐力がある
「私には、最後までやり遂げる忍耐強さがあります。
5歳の頃から高校を卒業するまでクラシックバレエを習っていました。毎日のきつい練習と体重制限で、何度もやめてしまいたいと考えることがありましたが、舞台に上がったときのお客さんの笑顔や踊り終わったあとの喜びが大きく、どんなつらい練習も耐えることができました。
諦めずに卒業まで続けたことは、今でも自分の自信に繋がっています。
この性格を生かして、どんなお客様でもきちんと結果が出るまで忍耐強く施術をして、最後までお客様と真摯に付き合っていけるようなエステティシャンを目指します。」
自己PRその②一度現場を離れてからの復帰の場合
結婚や出産を機に、いちど退職する女性はたくさんいます。子育てがひと段落して、またエステティシャンの仕事に戻りたいと思い就職活動する場合は、以前の経験をアピールするだけではなく、結婚や出産もプラスしていきましょう。
例えば、「家族という大切なものを得たことで、自分以外の人を幸せにすることの喜びを知ったので、今の自分なら改めてお客様を喜ばせることができる自信があります」など、エステティシャンとしてではなく、人として成長したことをアピールすると良いでしょう。
例文①出産でモチベーションUP
「高校を卒業してから4年間エステティシャンとして働き、出産と育児の為に退職をしました。出産を乗り越えたことにより、今までは分からなかった母親の気持ちを知ることができました。大切な存在が増えたことによって、お休みしている間にさらに女性としても人間としても成長できたのではないかと感じています。
これからは自分と同じような、子育て中のママさんや主婦の方の気持ちに寄り添い、一番に気持ちを分かってあげられるようなエステティシャンになりたいと考えています。」
例文②資格取得
「出産を機に、約2年間働いていたエステサロンを辞めて育児に専念することにしました。
家事や育児の合間に、通信教育でエステに関する勉強をし、独学で認定エステティシャンの資格を取得しました。
今までは資格を持たずに仕事をしていた為、そこまで詳しく身体について考えたことがなかったのですが、これからは資格取得に伴って学んだ知識を役立てて、もう一度エステティシャンとして活躍していければと思います。」
例文③子育てでモチベーションUP
「3年前に、出産をすることになった為一度エステティシャンの仕事を辞めエステサロンの受付の仕事に転職をしました。そこから今までサロンの受付として働いてきましたが、最近育児も落ち着いてきたのでやはりもう一度現場に戻ってエステティシャンとして働きたいという気持ちが強まりました。
子供が生まれたことで、「もっとしっかりしなくては」という責任感も生まれ、今までよりさらに責任を持って仕事にも取り組めるようになりました。これからは、お客様に頼りにしてもらえるようなエステティシャンとしてサロンに貢献していきたいです。」
自己PRその③キャリアアップ転職を望む人
現場でキャリアを積んできたエステティシャンが、同じ業界で転職を望む場合、自分の実績や目標、転職理由などを詳細に説明する必要があります。
例文①持っていないスキルをつけたい
「小さなサロンでフェイシャルエステを専門で5年ほどやってきました。御社では、最新機器を使った痩身エステや脱毛など、さまざまな最新技術を取得できる機会が用意されています。それらのスキルを意欲的に身につけ、オールラウンドのエステティシャンになり、お客様の満足度を向上させたいです」
例文②持っているスキルを人材育成に使いたい
「個人経営のサロンで、フェイシャルケアやボディケア美白や痩身、脱毛といった全ての技術を磨いてきました。壁にぶつかりながらも幾度となく乗り越えてきたことで、お客様から『あなたなら任せられる』といってもらえるまで、スキルを向上させることができました。
現場での仕事もとても楽しいのですが、次は人材育成といった面で、自分の経験を生かしていきたいと思っております。
個人経営のサロンで、全ての業務をイチから携わったことにより、幅広い視野や提案力といったスキルがついたと思います…」
実績を交えながら抱負やこうなりたいという目標を語りましょう。
やってはいけない自己PR
自分のことを存分にアピールすることができる自己PRですが、誤った書き方をすると逆にマイナスになってしまう恐れがあります。
悪い例を紹介するので、どのように改善したらいいのか考えてみてください。
例文①ただのエピソードの羅列になっている
自分の経験をしっかり伝えよう!と考えるあまり、あったことを全て羅列しただけのただの自慢話になってしまうことがあります。
例えば「私は、一度決めたことは最後までやりぬくことができます。5歳から始めたピアノは、中学卒業までずっと続けていました。
学生時代には吹奏楽部で部長を務めてコンクールで優勝をしたこともあり、アパレルショップでアルバイトをしていた時には3ヶ月連続で売り上げ一位を達成することもできました。」という文章。
大事なことは、結果ではなくてそこにいきつくまでのプロセスです。こうしてきたから、結果としてこんな風になった、という文章でないとあなたの魅力を伝えることができないでしょう。
「部長として部員の為に何をしたのか、なぜ優勝することができたのか」
「売り上げ一位になるためにどんな工夫や努力をしたのか」ということ。
「優勝の為にこんな目標を立てて、こんな練習方法を提案・継続することで優勝することができた」「接客をする際には相手から欲しい服を聞きだせるような話し方に気をつけて、なるべくセットで売ることを意識して取り組んだ」というように具体的に表現していくようにしましょう。
例文②抽象的で伝わりにくい
「私の自慢は高いコミュニケーション能力です。学生時代に3年間居酒屋のアルバイトをしていて、社会人としての基礎やコミュニケーション能力を身に着けることができました。この経験を御社でも生かしていきたいと考えています。」という文章。
この文章では、なぜコミュニケーション能力が身についたのか、具体的にどのように生かして働いていけるのかが分かりません。
確かに働いていく上でコミュニケーションがとれることが必要なスキルではありますが、この内容だと誰にでも当てはまるような文章なので、“あなたらしさ”を伝えることができないですね。
「どんな人とでも笑顔で話せるようなコミュニケーション能力が自慢。居酒屋で働くうちに、常連さんや新規のお客様などいろいろな方と出会って話をする機会があり、その人その人に合わせて話題が出せるようなスキルが身に着いた」というように「あなただからこそできた経験」を具体的に伝えることが必要です。
まとめ
それぞれの置かれている環境や経験で面接でのアピール方法も変わりますが、全てに共通して求められる人物像がある事を念頭に入れておきましょう。
- 健康的で体力ややる気・元気がある人
- 気持ちの良い挨拶のできる、明るく素直な人
- 常に向上心を持ち続け、成長し続けられる人
- 嫌なことがあっても、逃げ出さない根性のある人
このような点を、自分の経験と絡めてアピールしましょう。
転職したいと思うのなら、必ず何か理由があるはず。その理由をきちんと自分の中で理解して、言葉に表せるようにしておくことが必要です。
「給料が低いのが不満だった」「人間関係が悪くて辞めた」などの後ろ向きな理由はなるべく伝えず、「今よりもっといろんなメニューを身に着けたいと思った」「新しい場所で、また違ったお客様に接客がしたくなった」というように、転職に対して前向きな理由を伝えましょう。
「自分にはこんな経験やスキルがあるから、こんな風にあなたたちの役に立てます!」
と充分にアピールをしていくことも大切です。
その場合には、行きたい企業にあなたの経験やスキルが合っているかをしっかり考えて下さいね。
前向きに働けるというアピールをすることによって、採用まで繋がりやすくなるような自己PRとなるはず!