ズバリ!エステティシャンの給与額はどのくらい?平均年収や生涯賃金も公開
エステティシャンとは「キレイになりたい!」というお客様の願いを叶える仕事。フェイシャルや脱毛など、全身に施術を施して人を美しくする美容のプロフェッショナルです。女性なら一度は施術を受けたことがあるかもしれませんが、そんなエステティシャンの年収がどれくらいか、あなたはご存知ですか?
今回はあまり知られていないエステティシャンの給与額や平均年収、生涯賃金までご紹介します。将来エステティシャンになって自分のお店を経営したいという人や、転職してエステティシャンになることを検討している人はぜひ参考にしてみてください。
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エステティシャンの給料の仕組み
エステティシャンのお給料は、大きく分けて2つ「固定給」と「歩合」に分かれています。月々決まった額の給料が支払われる固定給と、施術を担当した売上の一部を給料として受け取る方法です。どちらが良いのかは、人により感じ方は異なりますが、エステサロンで給料の支給方法は決まっていますので、就職及び転職をする際に、そのあたりも把握しておくと良いでしょう。
また、給料の支払われ方は、固定給や歩合のどちらかだけとは言い切れません。何らかの手当がつくこともありますし、固定給に歩合も追加されるなんてこともあるのです!美容業界に特化した求人サイト「美プロ」に掲載歴のあるサロンの給与体系を例に見てみましょう。
例)エステサロンAの給与体系
●アルバイト・パート
時給 1,200円~
【経験者】1300円以上+歩合+手当
【未経験者】1200円以上+歩合+手当
例)エステサロンBの給与体系
●正社員
月給 260,000円~
【 店長候補 】260,000円~+店長手当1万円
●アルバイト・パート
時給 1,200円~
例)エステサロンCの給与体系
●業務委託
完全歩合40%~
※材料費・水道光熱費サロン負担
エステサロンCのように、業務委託でエステティシャンを募集している場合もあります。その場合、個人事業主に業務を委託する形となり、就業規則もエステサロンCとは別物になります。そのため、材料費などが委託されるエステティシャン負担になることも。エステサロンCのように、サロン側で材料費や水道光熱費を負担してくれる所もあるので、じっくり選んでみてはいかがでしょう。給与体系はサロンによって異なりますので、他にも見てみてくださいね。
エステティシャンの気になる給与額
エステティシャンの給与について触れる機会は、普通に過ごしていたらほとんどありませんよね。その初任給は地域にもよりますが、平均20万円前後で、一人前になるまでステップアップするごとに給与が上がるという職場も少なくないようです。また、業界全体の平均給与は月に22万円ほどと言われており、固定給としてはあまり高くないものの、歩合制を取り入れているお店も多数。そうしたサロンでは売上ノルマを超えた分から、数%~10%ほどの賞与を受け取れるので、かなりやりがいのある仕事だと言えます。また、早番・遅番といったシフト制をとっていないお店では、開店から閉店までお店にいなければならない事もありますが、エステティシャンの収入は学歴やキャリアにほとんど影響されず、実力によってアップしやすいため、やりがいが大きいことは間違いないでしょう。
スキルや経験がものを言うエステティシャンの世界ですが、腕前だけでなく地域によっても経済格差があります。美容に強い関心のある女性はほとんどが東京に住んでいて、繁盛の度合いもまったく違うので、エステティシャンとして一旗あげたいという人はまずは上京することを検討してみましょう。
エステティシャンの平均年収・生涯賃金
エステティシャンの平均年収ですが、正社員の場合は300万円から400万円ほどと言われています。とはいえ、エステティシャンとして成功できるかどうかはスキルや集客力にかかっているもの。歩合制を取り入れているサロンもあり、多くの人に指名されればより多くの給与を獲得できます。さらに独立・開業して軌道に乗ると年収500万円以上になり、集客に成功すれば年収4ケタに到達するという話もあるようです。自宅を使ってエステサロンを開業すれば資金も少なく済むので、比較的簡単にチャレンジできるのが魅力ですね。
といっても、エステサロンの開業は1年以内に6割が閉店すると言われるほど厳しい世界なので、覚悟を持って挑戦することをオススメします。また、生涯賃金は1億4,000万円ほどであまり高くないというデータもありますが、成功者とそうでない人の差がはっきりとしている世界なので一概には言えません。開業したお店を人気エステサロンまで育て上げることも夢ではないので、やりがいたっぷりの業界です。
雇用形態によって違うエステティシャンの給与
エステティシャンといっても様々な働き方があります。その働き方に合わせて給与の仕組みも異なるのです。自分にあった働き方を選ぶという事も大切ですが、どのように給与額が決まっていくのかも重要ですよね。ここでは、雇用形態によって違う給与について見ていきましょう。
正社員とアルバイトの給与の違い
正社員とアルバイトを比較すると、アルバイトには基本的に賞与が発生しません。また、各種資格手当なども基本的には支給されないでしょう。アルバイトとして働く場合には、時給で給与額が決まる事になるので働いた時間により給与アップもダウンもあり得るのです。その点で言うと、正社員は固定給として月給が定められている事が多いので、毎月の給与額に変動はないと言えるでしょう。
店長になると給料は変わる?
店長になると、月30~40万円ほどの給料がもらえるようになります。また、高いスキルを持っていたり指名客が付いたりすれば、基本給に「手当」が上乗せされ、さらに給料アップとなるでしょう。店長になる事で、施術だけでなく従業員の勤怠管理や在庫管理、売上管理など任される仕事も多くなります。業務量によっては、月30万円という数字が少ないと感じる事もあるかもしれませんね。
業務委託での働き方
業務委託で働く場合の給与は、売り上げに応じて給与が支払われる「歩合給」となる事がほとんどです。ですので、毎月決まった給料をもらえる固定給とは違い、その点で正社員と比べると安定性には欠けると言えます。しかし、実力さえあればより高い収入を望むことができるのも業務委託の働き方です。ちなみに、歩合制は勤務先のサロンが設定する歩合率に合わせ、売り上げに応じて給与が支払われます。歩合率は店舗の設定ごとに異なりますが、中には給与のすべてが歩合給になる「完全歩合給」を取り入れているサロンも。頑張れば頑張っただけ収入として自分に跳ね返ってくるので、エステティシャンとしての腕に自信がある人にはうってつけの職場だと言えるはずです。
条件によって変わるエステティシャンの給与
ここでは、エステティシャンとして就職するにあたり様々な条件の違いにより異なる給与についてご説明します。エステティシャンを目指している人は、是非参考にしてみてください。
大卒と専門卒で給料は違うの?
初任給は、大卒・専門卒で差がないところがほとんど。学歴関係なく、キャリアアップをはかれるのがエステティシャンの特徴です。同期に差を付けるのであれば、資格を取得したりとにかく技術練習をしたり、1年後2年後の給与で勝負する事になりそうです。
都会と地方では給与に差がある?
エステサロンの所在地によって給与に差が出るのかという問いに対しては、差が出るが回答。エステティシャンの平均年収が高いところは、やはり東京で約500万円。次いで大阪が約425万、神奈川・愛知が約390万と、比較的人口の多い地域だと年収も高くなる傾向にあります。自宅から通える距離であれば、東京の都心部で働くと良いのですね。一方、年収が低くなりやすい地域としては、沖縄や佐賀・宮崎など地方の約280万円となっており、その差は220万円ほど。「同じ仕事をしているのに!」と納得がいかないという人も多いのではないでしょうか。
賞与・ボーナスをもらえることもあるの?
ボーナスがもらえない美容業界の中でも、エステティシャンは支給されるサロンが多いようです。サロンによって違いはあるものの、大手のサロンでは基本的に支給されているよう。そうした店舗では会社の業績に応じて、年に数回程度、支給される仕組みとなっています。気になる賞与額ですが、経験の浅い新人で1~10万円、チーフや店長になると20万円程度。給料に歩合がプラスされるサロンは、ボーナスがない事もあるので、就職する際に確認しておくと良いでしょう。
歩合以外に手当がつくこともあるの?
ほとんどのサロンで交通費の支給などが行われていますが、エステサロンに特徴的な仕組みとしては「資格手当」の存在が挙げられます。資格手当は通常の給与に加えて、特定の資格を取得していることに対して手当が生じるシステムの事です。「AEA認定エステティシャン資格」や「日本エステティック協会資格」はもちろん、お店によって様々な資格や手当てが用意されている事もあるので、プラスαで支給される各種手当にも注目しておきましょう。「Microsoft Office Specialist」や「日商簿記検定」に対しても手当支給を行っているサロンもあるんですよ。その他、固定給にプラスして「時間外手当」を支給しているところもありますよ。
エステサロンのオーナーになった場合の年収
エステサロンのオーナーになった場合の年収は、500万円~数千万円程度と言われています。サロンに勤務しある程度経験を積んだエステティシャンの中には、独立して自分の店舗を持ちたいと思う人もいます。特に、大手ではないサロンの場合は、店舗数が少なく役職数も少ないため、勤務時間、勤続年数が長くても給料が頭打ちになってしまったりすることもあるため、独立開業して、よりやりがいや収入を得たいと考える人もいるようです。
独立した場合の平均年収は500万円~数千万円とかなり幅があるのが実情。経営が軌道に乗ればサロン勤務のときよりも多くの収入を得ることができるようですが、それまでは経費がかさんだり、多くの時間働いているにも関わらず給料は少なかったりといった事があります。
サロン勤務の際に多くのお客さまに指名される人気と実力があれば、独立開業しても、そのお客様がついてきてくれる可能性も高いです。お客様からのご紹介で、新規のお客様もさらに増えるかもしれません。
また、昨今では「隠れ家サロン」など大手にはないアットホームな雰囲気での施術を望むお客様も増えています。もし自宅の一部を改装してサロンのように仕上げることができれば、店舗を借りる賃料も必要がないため経費を抑えることができます。
ただし、多くの独立サロンの場合、軌道に乗るまでは安定した集客ができず、赤字となってしまうことも少なくありません。
そんな時に心の支えになるのは、お客さまを綺麗にする、癒してあげたいという志ややりがいです。オーナーを目指す場合は、実務面はもちろんのこと、「本当にエステティシャンの仕事が好きで続けていきたいか?」を自問自答する事も必要でしょう。
エステティシャンが語る!給料の裏事情
エステティシャンは、美容業界の中では給料が高いと位置づけられています。では、実際に現場で働くエステティシャンは、給料に対してどのような意見を持っているのでしょうか?
年収300万円(23歳・女性)
拘束時間が長いことを考えると、給料は少なめだと感じています。けれども、やりがいの方が大きいので、給料に対してはあまり不満はありません。私が勤めるサロンは歩合制のため、自分が成果を出した分だけ給料もあがります。そのため、モチベーションを高く持って働けるのがいいですね。
年収300万円(21歳・女性)
閉店後に、マッサージなど練習をするのですが、残業代が出ません。経験年数がまだ浅いということもありますが、給料は少ないです。ここまで、お客様からの感謝の言葉を胸にやりがいだけで乗り越えてきたと言ってもいいくらい。今のところでは、給料はあまり上がらなそうなので、経験を積んで転職してキャリアアップを図ろうと思っています。
年収500万円(29歳・女性)
給料は、割ともらえている方だと思いますね。けれども、その分仕事量も多く、拘束時間も長いという面も。私は、やっと指名をもらえるまで成長でき、給料もアップしたので、今は楽しんで仕事ができています。給料が低い新人のうちはきついけど、指名が取れるようになれば変わってくると思うので、それまでは辛抱するしかないですね。
エステティシャンが給与アップを目指すには?
実際にエステティシャンとして働いていく際に気になるのは、「どうやったら給与アップできるの?」ということ。ここでは具体的に大手エステサロン「エステティックTBC」を例にとって、エステティシャンのキャリアについて説明します。
エステティックTBCでは、エステティシャンのランク制を設けています。研修を受けて基本的な技術や知識を学ぶ「新入社員」からスタートし、お客様の要望をきちんとくみ取れるようになったら「オペレーター」、「カウンセラー」とランクアップ。さらに「チーフ」、「店長」とサロン全体の経営まで任されるようになっていくようです。日々の接客や技術を積み上げ、一つでも上のランクを目指して行くというわけですね。ランクが上がれば必然的に給与もアップしていくので、日頃から努力を怠らないというのが一番の給与アップへの近道です。
また、エステサロンでは「資格手当」を支給するといった所も多くあります。資格手当とは通常の給与に加えて、特定の資格を取得している事に対して手当が生じるシステムのこと。接客対応のスキルが身につく「サービス待遇検定」やマーケティングの知識を学ぶ「販売士検定」、そのほか「秘書技能検定」「日商簿記検定」「管理栄養士」といった資格にも手当があるようです。スキルアップと同時に給与もアップできるなら、挑戦しない手はないですよね。
エステティシャンが目指す資格としては、「AEA認定エステティシャン資格」や「日本エステティック協会資格」が有名ですが、サロンによっては資格取得をサポートしてくれる事もあります。実力社会で厳しい世界ではあるものの、逆にいえばスキルを磨けばそれだけ評価されるということでもあります。「やりがいのある仕事に就きたい!」という女性にとってはまさにうってつけの職業なので、ぜひ挑戦してみてください。
豆知識①エステティシャンになるには?
エステティシャンになるには、養成学校や専門スクールに通い、エステティックサロンへ就職します。ただし、エステサロンによって施術内容・サービスが異なるため、サロン独自の研修を受け、まずはサブスタッフとして施術、その後デビューという流れが一般的です。また、一人前になった後でも、自社製品や新たな化粧品・技術を学ぶための社員研修があるサロンもあります。
未経験者であっても、養成学校や専門スクールを卒業していたり、エステ関連の資格を取得したりしていれば、エステティシャンとして一定レベルの知識や技術を持っていることを証明できます。エステティシャンには国家資格は存在しませんが、日本エステティシャン協会等の認定エステティシャンの資格を有することができれば、実務未経験であっても就職で優遇されるでしょう。
また、養成学校や専門スクールを卒業していなくても、エステティシャンになれる道もあります。お金や時間がないがエステティシャンになりたい場合は、未経験者を受け入れてくれるサロンを見つけて応募してみましょう。
その際は、未経験であっても養成・スキルアップの研修制度が整っているサロンに応募することが必要です。美容の専門用語が一切わからないと研修での学習スピードも落ちてしまいますので、できれば事前に関連書籍を購入し、自主的に勉強しておくことをおすすめします。
ただし、未経験者の場合、アルバイトからのスタートになることが多いようです。実務を通じてスキルを上げていき、正社員へステップアップするという流れになります。第一線で施術できるようになるまでに多少の時間は要しますので、その覚悟は必要かもしれません。
豆知識②エステティシャンはいつ休日がとれる?
エステティシャンの休日はサロンによって変わりますが、基本的には月に6日~10日ほどの休日を取ることができるのが一般的なようです。サロンによって異なりますが、数か月前から1か月前までにシフト申請をして、店長や管理職のスタッフが調整、勤務シフトを各スタッフに割り当てます。
とはいえ、予約が重なったり、他のスタッフが病欠してしまったりした場合は、シフトで休みを申請していても出社をお願いされることもあります。また、エステを受けに来る方には働くOLさん、主婦の方など様々。そのためサロン自体は平日も休日もオープンしていることが多く、シフトによっては土日も出社することは覚悟しておきましょう。
定休日を設けているサロンに務める場合は、その曜日は確実に休むことができるのでメリットは大きいと言えます。ただし、そのようなサロンは人気も高く、入社の競争率も高いのが実情のよう。他の多くのサロンは年末年始以外には定休日がなく、スタッフのシフト制を取って休日調整をしています。
また、エステティシャンの勤務時間は短くはありません。多くのエステティックサロンでは10時から22時くらいまでをオープン時間としており、スタッフは早番・遅番のシフト制で働くことがほとんどですが、スタッフが足りない店舗などはオープンからクローズまで担当することもあり、なかなか体力のいる仕事です。
そのため、現役エステティシャンの方は、休日は1日家で体を休めるという方が多いそうです。お客様に癒しを提供できるよう、休日は自分自身が体を休め、心もリラックスできる過ごし方を見つけておくと長くエステティシャンを続けることができます。
関連記事:エステティシャンの休みについて
エステティシャンは収入とやりがいを両立させる事が大事
いかがでしたでしょうか。ここまで、エステティシャンの給与についてご紹介いたしました。正社員やアルバイト、業務委託などの雇用形態により給与が変わるという事もわかりました。
接客や技術の腕を上げていく事でエステティシャンとしてのランクも上がり、収入アップに繋がるという事もありますし、資格を取得する事で資格手当をもらえるというサロンもあるようですね。
とは言っても、エステティシャンというお仕事は簡単ではありません。人間性や技術、お客さまを綺麗にしたいという気持ちを持ち合わせていなければなりません。しかし、努力の成果が実り、担当するお客さまから「いつも、ありがとう。あなたが居るからダイエットも頑張れる」「○○さんに相談すれば、少しぐらい肌の悩みがあっても明るい気持ちで帰宅できます」などと言われれば、喜びとやりがいを感じられるのではないでしょうか。頑張り次第で上がっていく給与とやりがいを大切にする事が、エステティシャンとして長く勤められる秘訣なのかもしれません。
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画像出典:Nick Webb / Massage (from Flickr, CC BY 2.0)、halfrain / Beauty Salon (from Flickr, CC BY 2.0)"