ブライダル業界。起きたトラブルや困ったことあるある
新郎新婦お二人の幸せに瞬間に立ち会える、ウエディングプランナー。
感謝の言葉や喜びの言葉をもらうことはもちろんとても多い魅力的な仕事ですが、お二人の結婚式に対する想いが強い分、思い通りに進まないとクレームになってしまうこともあります。
今回は実際にブライダル業界で働くウエディングプランナーやスタイリスト、ヘアメイクスタッフが受けるクレームやその対処法を見ていきましょう。
ウエディングプランナーが受けるクレームやトラブル
ウエディングプランナーの仕事は、結婚を控えるカップルの結婚式の日程や予算、衣装や演出までをプロデュースすることです。
主にホテルや結婚式場・レストランに勤務します。
結婚式場の見学に訪れるお客様に対してヒアリングを行い、会場の案内をする提案・営業の仕事から、式を挙げることが決定したら日程や予算などの詳細を決めていく事前準備、そして結婚式当日の運営まで、トータルにこなします。
そんな、お二人に寄り添うプランナーだからこそ受けるクレームやトラブルを見ていきましょう。
費用に関するクレーム
一番多いのがやはり結婚式の費用に関するクレームです。
きちんと見積書を見せて説明し、承諾をしてくれたはずなのにも関わらず、後日「こんな料金聞いていない!払わない!」というお客様にはとても困ってしまいます。
プランナーは料理や演出などすべて計算したうえで正しい料金で見積書を算出しているので、料金の説明をしている時にはきちんと話を聞いて下さい。
仮予約をいきなりキャンセル
会場見学をし、気に入って仮予約をしてくれたお客様。
後日また別のカップルが式場見学をしに来て、仮予約と同じ日にちにどうしても予約をしたいとのこと。「先約が入っているのですみません」とお断りするもどうしてもと譲らないので、先に仮予約を入れてくれたお客様に謝罪をしたうえで日程変更をお願いし、ずらしていただくことに。
それにも関わらず、せっかくずらして予約した日にちをあっさりキャンセル。
こんなトラブルがあると、何より先に予約してくれていたお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
ブライダルスタイリストが受けるクレームやトラブル
結婚式当日に新郎新婦が着用する衣装をコーディネートする仕事です。念入りなカウンセリングをしてお二人の希望を聞き、式場の雰囲気や結婚式を挙げる時期の季節感なども踏まえた上で適切な衣装の提案をします。
場合によっては新郎新婦だけでなく、親族のコーディネートまで兼任することもあります。
試着から当日の着付けに至るまで一貫して担当し、当日はアテンドとして新婦に付き添うことも。
接客態度に関するクレーム
ブライダルスタイリストで働くスタッフは、前職がアパレル関係の人も多く、カジュアルな接客が染みついてしまっていることも多いです。
そのため、ついつい言葉遣いや所作にアパレル時代の名残が出てしまい態度に関してきつく叱られてしまうことも。
接客態度に関しては新郎新婦だけではなく親族からも指摘を受けることが多いので、なるべく早くブライダルスタイリストに見合った話し方や接客を身に着けるようにしましょう。
衣装のサイズに関するクレーム
ドレスに関する知識はたくさん持っているものの、和装に関する知識はほとんどないという人も多くいます。特に男性の衣装に関しては、スーツならサイズを合わせやすいものの和服となるとまた違ったサイズ感があり苦戦するスタイリストも多数。
ついつい花嫁さんの衣装合わせに注力してしまいがちですが、新郎や親族の衣装サイズにも気を使わないと当日になって「サイズが全然違う!」というクレームが発生することも。
ヘアメイクアーティストが受けるクレームやトラブル
ブライダルヘアメイクは、主に結婚式での新婦のヘアメイクを担当します。事前にお客様との打ち合わせが必要なので、希望の髪型やメイクをしっかりとヒアリングした上でドレス・着物とのバランスを考えて最適なヘアメイクを提案します。
披露宴の間にも崩れたメイクや髪を整え、和装の場合にはお二人の着付けを担当することも。他にも、前撮りがある際には立ち会ってヘアメイクの担当もします。
決めていたヘアメイクを急遽変更
何度も打ち合わせをして決めた髪型とメイクを、当日になって急遽変更したいというもの。
一生に一度の思い出なのでこだわりたいという気持ちが大きすぎて、ころころと意見の変わる花嫁さんは意外と多いのです。
入念な準備やメイク練習を重ねて本番当日を迎えたのにも関わらず、当日になって「やっぱりこうしたい」とあっさり変更されてしまうのはヘアメイクにとってとても困ります。
思っていたものと違う!というクレーム
どれだけ入念に打ち合わせをしていても、やはり花嫁さんとヘアメイクスタッフの意見の食い違いというものは発生してしまいます。
当日、ヘアメイクが良かれと思ってしたヘアメイクが実は花嫁さんが想像していたものと全く噛み合っていないなんてことも。
トラブルやクレームの対処法
まずお客様の意見を最後まで聞く
スタッフが良かれと思ってしたことでも、意図せずクレームに繋がってしまうこともたくさんあります。一生の思い出となる結婚式には誰しも強いこだわりがあるので、クレームが発生することも多数。まずはそのお客様がどのように考えているのかをじっくりと聞くことが必要です。自分の考えを伝えることが苦手な方もいるので、お客様の言っていることを復唱して、理解しているという姿勢を示しましょう。
不快な思いをさせてしまったことに対し謝罪
感情的になっている方に言い訳を並べても、更に感情を逆なでして逆効果になってしまいます。お客様のクレームの内容を確認し終わったら、「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」とお詫びの言葉を伝えましょう。
クレームの内容についての非を認めるのではなく、不快な気持ちにさせてしまったことへの謝罪だということを忘れずに。
意見をいただいたことに対し感謝の言葉を忘れない
最後に、クレームをいただいた方に感謝の言葉を伝えることも忘れずに。
たとえ何かに不満を持っていても、多くのお客様はそのまま何も言わずに我慢してしまうことがほとんどなので、きちんとそれを伝えてくれる方はとても貴重な存在です。
貴重な意見をいただけたことに対して、心から感謝の言葉を伝えて今後他のお客様に対して同じクレームが発生しないようにしましょう。
トラブルやクレームの防ぎ方
確認作業を徹底する
結婚式に関するクレームの多くは、新郎新婦とスタッフの間の認識のずれが原因で発生します。式場や予算、衣装や進行すべてに対して必ず複数回確認をすることを心がけましょう。
「この内容でよろしいですか?」という確認ではなく、「予算に関しては〇〇円でよろしいですか?」と具体的な数値や内容を復唱することで、お互いの食い違いもぐっと少なくなります。
カウンセリング能力を高める
お客様の多くは、自分の思い通りにいかなかったことに関して怒っています。特に、一生に一度の思い出になる結婚式に対しては誰しも強いこだわりを持って臨んでいるので、お二人がどんな式を希望しているのかだけでなく、親族はどういう想いを持っているのかまで深くカウンセリングができるようにしましょう。
まとめ
結婚式は人生にとって最も大切なイベントの一つです。そんな結婚式に関わるスタッフにとってクレームはつきもの。
いただいたクレームはしっかりと真摯に受け止め、誠意を持って対応するようにしましょう。当日になってクレーム、とならないように結婚式本番までにお互いの認識を合わせておくことが必要です。
しかし、クレームばかりではなく喜びの声や感謝の声のほうがたくさんもらえるのがブライダルの仕事の魅力。「あなたに任せて本当に良かった」と言ってもらえた時には、何にも代えられない大きな喜びを感じられます。
しっかりとカウンセリングをすること・何か一つ決定するごとに必ず双方で内容の確認をすることを怠らず、新郎新婦にとってもウエディングプランナーにとっても最高の結婚式当日を迎えられるようにしましょう。