最近ではヘナカラーなどナチュラルな成分の新たなタイプも注目が高まっているヘアカラー剤。
主に使われているヘアカラーリング剤は、大きく4つに分けることができます。
「ブリーチ」「ヘアカラー」「ヘアマニキュア」「一時着色料」。それぞれの特徴と作用を紹介します。

ヘアカラー剤の種類

ヘアカラー剤の種類

【ブリーチ(脱色剤)】

髪の色を明るくする作用があります。仕組みは、ブリーチ(脱色剤)に含まれているアルカリ剤が髪のキューティクルを開き、毛髪内部のメラニン色素を分解することで色が明るくなります。
脱色目的の薬剤ですので、髪を明るくすることしができず、ブリーチだけでは暗めの色など、カラーのバリエーションはあまり期待できません。


【ヘアカラー(永久染毛剤)】

永久染毛剤のひとつである酸化染毛剤は、脱色しながら染めていく作用があるカラー剤です。黒髪を明るくしたり、理想の色を出したりすることができます。
さらに、シャンプーをしても色落ちせず、2~3か月持続します。ただし肌への負担も大きく、アレルギー反応など、健康に害がでることも。毎回必ずパッチテストが必要です。
酸化染毛剤のほかに、ブリーチ作用がない非酸化染毛剤もあります。

【ヘアマニキュア(半永久染毛料)】

代表的なものは「ヘアマニキュア」「酸性カラー」があります。バリエーションが幅広く、髪に色合いをプラスし、つやと潤いを与えるカラー剤です。
色素が髪の表層部のキューティクルのすきまから徐々に浸透することで、髪が染まっていきます。
ブリーチ力がないため、ヘアマニキュアだけで黒髪を明るくすることは難しいですが、永久染毛剤のように髪を痛めることはない上に、皮膚への負担も軽くパッチテストが基本不要です。ただし、シャンプーのたびに少しずつ色落ちしていく特徴があります。

【一時着色料】

スプレーなどで一時的に毛髪の表面に着色剤を付着させ、シャンプーで簡単に落とせるヘアカラーです。
髪の内部に浸透する作用はなく、皮膚トラブルや髪の痛みもほとんどありません。
その日1日だけのオシャレなどで利用されます。

ヘアカラー剤の分類

ヘアカラー剤の分類

ヘアカラーには【液状、乳液、クリーム、フォーム、粉末】と、形状の異なるタイプがそれぞれにあります。

*乳液タイプ・・・ムラなく髪全体になじみやすいため、隠れた白髪まで染めることに適しています。
*クリームタイプ・・・生え際までしっかりそめられ、部分染めにも適しています。
*フォームタイプ・・・スタイリング感覚で気軽に染められる形状です。
*粉末タイプ・・・水に溶いて使うタイプです。

これらは目的によって、使い分けられています。
例えば、部分染めの時は「クリームタイプ」を使用、髪全体を染める時は「乳液タイプ」や「液状タイプ」を使用するなど、それぞれの特徴を活かして使い分けられます。

天然成分(オーガニック)のカラー剤

植物・食物から成分を取り、作られるカラー剤です。
美容室のメニューの低価格化が進む一方、髪のダメージを気にする人は増え、天然成分はとても注目されています。
メリット・デメリットがそれぞれある天然成分のカラー剤について紹介します。

【ハーブカラー】

ハーブを使ったカラー剤全般のことを指します。複数のハーブが入っていることが多く、商品によって含まれるハーブの種類は異なります。
一般的に知られているハーブカラー剤の特徴は、
*カラー剤独特の臭いが少ない
*植物から取った成分なので、髪のダメージがない
*地肌にも優しい
*色が入りにくい(黒髪を明るくできない)

天然成分のカラー剤は価格が高いことや、染まりにくいことから、科学薬品と混ぜて作られたカラー剤が多くなっています。
商品によって含まれるハーブの割合は異なります。
100%ハーブでなくても、通常のカラー剤に比べれば髪の痛みは軽減されますが、アレルギー反応は通常のカラー剤同様にでます。
敏感肌の方や薬剤でかぶれてしまう方は、‘ハーブカラー’というネーミングであっても、成分の確認が必要です。

【ヘナ】

ヘナ

一番有名な天然のカラー剤ではないでしょうか。ヘナとはハーブの一種で、この葉が染料の原料になります。
色は赤褐色、オレンジ系になりますが、脱色作用がないため、黒髪を明るくすることには向いていません。
この特徴から、白髪染めに入っていることが多いです。不自然な黒髪ではなく、天然成分ならではの自然な色になります。
髪の痛み具合や染める前の色によって、染め上る色が異り、ヘナだけだと希望通りの色にするのは難しいです。
1度のカラーリングではあまり染まらず、何度か繰り返すことで色が出てきます。
そのため美容室で扱っているヘナのカラー剤、または市販されているヘナ入りカラー剤には、大抵、他の成分も入っています。
さらに、傷んでいる髪の場合は特に、カラーが定着するまでに時間がかかり、施術時間が長くなります。
健康な髪であれば、ヘナで染めた色は自然には落ちにくいです。ヘナの色素・成分は強いため、ヘナで染めた髪を他のカラー剤を使い色を変えることは難しいです。
知識・経験がない方は、使用前にカラーリングに詳しい美容師(カラーリストなど)に相談することをオススメします。
100%ヘナであれば、ヘナ自体にトリートメント効果があるため、ハリ・コシが出るなど、ダメージの回復も実感できます。 回数を重ねるごとに、色はもちろん、髪自体もきれいになっていきます。 かぶれなどのトラブルの可能性も低いですが、植物アレルギーのある方は反応することもあります。パッチテストは必要です。