美容師のスタイリストの実態!気になる給料ややりがいって?
サロンの中でたくさんのお客様から指名を受けて笑顔で生き生きと働くスタイリストは、アシスタントたちにとっての憧れの存在。そんなスタイリストになるには、一体どうすれば良いのでしょうか
美容師のスタイストってどんな人のこと?
美容師の中でも、お客さまの施術を一通り担当するほか、アシスタントの教育、材料管理など、お店の核となる重要な仕事を任されるのがスタイリスト。
ジュニアスタイリスト、トップスタイリスト、チーフ、マネージャー、ディレクターといった様々な呼び方を聞きますが、これらの人たちを全て「スタイリスト」と呼びます。
ちなみにこのスタイリストのランクは、それぞれの美容室が独自の基準に応じて定めたものです。技術レベルを明確に定めたものではなく、お店によってスキルには差があるのでそこは注意しましょう。
スタイリストの仕事内容?
スタイリストの仕事としては、まず美容師としてのお客様に対する通常の接客業務があります。
その他にも、大事な仕事の一つとしてアシスタントの教育・指導があります。サロンが始まる前や閉店した後に、カットやカラーなどの練習に付き合って技術指導を行います。
カウンセリング
どんな髪型にしたいのか、どんなカラーにしたいのかなど要望をしっかりと聞き、イメージを膨らませます。そのときにお客様の髪質や今の髪の状態を確認し、どんなカットをするべきか、カラー剤を使うべきかも一緒に相談します。
シャンプー・ブロー
髪型が決まったらまずはシャンプー。お客さまにとって気持ちのいいシャンプーをするためには、かなりの練習が必要。実はシャンプー台も、バックシャンプーかサイドシャンプーかによってやり方が異なるんです。
カット
全体のバランスを見ながらカットを行います。髪を塗らした状態だけではなく、乾かした後にも綺麗にまとまるように気をつけながらカットしていきます。
カラーリング
カウンセリングでヒアリングした希望を元に、カラー剤を塗っていきます。
カラーの専門家である「カラーリスト」という職種もあります。
パーマ
髪が短い人には水パーマ、持ちがよくしっかりとかけたい人にはデジタルパーマなど、その人に合わせて巻いていきます。かかりすぎたり逆にゆるすぎたりしないよう、時間管理はしっかりと!
ブロー・セット
ひと通りの施術が終わったら、髪をブローしてセットを行います。この後の予定を聞いて、それに合わせて綺麗にセットしたりルーズにまとめたり可愛くアレンジをするまでが美容師の仕事です。
一日の流れ
09:00 出勤
出勤したら開店準備、今日一日の流れを確認する朝礼を行います。
10:00 美容室OPEN
カット、カラー、パーマ、スタイリングなどを含むお客様への接客をします。
↓(忙しければランチやトイレに行く時間もありません・・・)
19:00 美容室CLOSE
予約受付終了、残っているお客様の接客をこなします。
20:00 最後の予約のお客様終了
本日のお客様も全て終了!看板を下ろして後片付けに移ります。
21:00 閉店作業
ミーティング、次の日の準備、退勤
※閉店後、アシスタントの指導にあたることもあります。
トップスタイリストとは
トップスタイリストの定義はサロンによって様々あります。
大体の場合、経験年数とお客様からの指名の数でランクが分かれており、経験・指名数が多いスタイリストをトップスタイリストと呼んでいるサロンが多いです。
より多くの方に認められていくと共にランクも上がっていくという流れ。
スタイリストと比べてトップスタイリストの方が指名料が高いこともあるので、予約前には事前にサロンに確認するようにしましょう。
また、トップスタイリストだと他の予約もたくさん入っていて、シャンプーやブローは他のスタッフが担当することもあります。最初から最後まで同じ人に担当してほしい!という場合も事前に確認が必要ですね。
スタイリストになるには
どれくらいの期間が必要?
スタイリストになりたいからと言って、美容師免許を取ったらすぐになれるというわけではありません。
まずはアシスタントとしてカットやカラー、シャンプーの仕方をたっぷり練習して、すべての試験に合格したらやっとスタイリストとしてデビューできるのです。
サロンごとに異なったカリキュラムがあるので差はありますが、大体アシスタントとしての練習期間は、平均で3年間と言われています。
大まかなカリキュラムとしては、
1年目 前半 … 接客、シャンプー、マッサージ、トリートメント、カラー塗布
1年目 後半 … カラー応用、縮毛矯正、ブロー・スタイリング
2年目 前半 … パーマ基本、特殊パーマ、ヘアセット
2年目 後半 … カットの基本、着付け、メイク
3年目 … カット応用(ショート・ミディアム・ロング)
このような流れ。ただ、デビューまでの間が美容師として最も大変な期間だと言われており、ゴールの見えない状態に希望を持てずにこの期間に美容師をやめてしまう人も多いのです
給料について
平均給与、月収、年収
仕事の大変さとは裏腹に、給料が低いと言われることの多い美容師。
平成29年度の美容師全体での平均は下記のような金額です。
平均年収:約260万円
平均月収:約21万円
平均賞与:約58万円
平成29年賃金構造基本統計調査では、理美容師の平均年収は約260万円。計算すると平均月収は約21万円、労働時間が月の平均で178時間なので、時給で換算すると約1,179円になります。しかし、美容師の残業や練習などでサロンの滞在時間がとても長いといわれている職業。
労働時間は短くて10時間、多いところでは、1日12時間以上が当たり前というサロンも。実際の時給はもっと低くなると考えていいでしょう。
スタイリストに絞って見てみると、平均月収は20~30万円程。そこにさらに個人のインセンティブがつきます。
カリスマ美容師として年収1,000万円~2,000万円稼ぐ美容師もごくまれにいますが、ほんの一握り。多くのスタイリストは、自分の年齢と同じ金額の給料を目指して働いています。
給与の上げ方ってある?
まずはスタイリストになって、ゆくゆくは店長に。
それでも、どうしても通常のサロンワークだけでは給料を上げることにも限りがあります。
その為に別の方法で年収を上げている人が増えてきています。
1、面貸しとして働く
面貸しとは自分で店舗を持たずにサロンの1面を借りて、そこで営業を行うこと。個人事業主のようなかたちになるので売り上げは自分で直接管理することができます。
ブログやSNSで宣伝をして、より多くのお客様を集めることができれば売り上げもぐんと上がります。
2、複数の店舗を経営するオーナーになる
いくら売り上げの良いサロンで働いていても、1店舗だけだと年収1,000万円超えをする為には年商1億円近くないと達成することができません。
その為、2店舗以上店舗を増やして複数の店舗で売り上げを伸ばしていくことが必要です。
スタイリストのやりがい、楽しいこと
スタイリストの一日は、かなりハード。拘束時間も長く、一日休みなく働いた後にはアシスタントの教育もあります。
それでも、お客様の笑顔や「ありがとう」の声は美容師としての一番のやりがい。誰かの笑顔をこんなに間近で見られる喜びがあるからこそ、みんな美容師の仕事に夢中なのです。
もう一つの大きな魅力は、人との「出会い」です。美容室には、毎日多くのお客様がいらっしゃいます。その中には、趣味が共通の方、話がとても盛り上がる方、気が合う方、地元が同じで親近感がわく方、弁護士やお医者様など普段の生活だけではなかなか出会えないような方もたくさん。
そのような方たちとの出会いは、かけがえのないものです。美容室での出会いから、男女関係なく、一生お付き合いをする方もなかには出てきます。
大変なことも本当にたくさんありますが、多くの魅力があるからこそ、美容師としてのモチベーションに繋がっているのです。