セラピストとは?4つに分かれる仕事内容と資格の種類

毎日更新!2024年11月22日 (金)

セラピストとは?4つに分かれる仕事内容と資格の種類

エステサロンやリラクゼーションサロンで活躍するセラピストという職業は、数多く存在するセラピーによって分けられています。エステサロンやリラクゼーションサロンでは、身体のもみほぐしや美容と健康を促進する施術が中心となりますが、医療現場や介護施設などで活躍するセラピストもいます。

 

また、それぞれの分野で専門知識を持ったセラピストとなるために、勉強をして資格を取る人もいます。各分野で役立つ資格が異なるので、自身が目指すセラピストの仕事内容に合った資格を取得すると良いですよ。

 

ここでは、セラピストの仕事を4つに分けて説明していきます。併せて、資格の種類もチェックしてみてくださいね!

セラピストとは?

セラピストとは、専門的な知識に基づいて心や体を癒す仕事をしている人のことを指します。香りによって人を癒したり色彩の効果を使って癒したりと、セラピーの種類が多いことから活躍の場も多岐にわたります。癒やしが求められている今、「セラピスト」と名前がつく職種は増え続けていますよね!

 

セラピストからマッサージを受けるなど、癒しを求める人が多いこともあり、知識や技術を身につけて「セラピスト」として活躍する人が自ずと増えていくこともわかります。未経験から始められる職業として、様々な人がチャレンジできるのも良いところです。

 

また、医療現場などで活躍する理学療法士や心理療法士も「セラピスト」と呼ばれています。エステサロンやリラクゼーションサロンなどの美容系サロンで施術を行っている人達も「セラピスト」と呼ばれ、活躍する場所は数えきれないほどあるのかもしれませんね!

4つに分かれるセラピストの仕事内容

セラピストになると、どんなお仕事をするのでしょうか。セラピストのお仕事は、数多く存在するセラピーの違いで施術方法が変わります。セラピストと呼ばれる人たちは、それぞれの目的に合わせて専門知識を習得し活躍します。

 

セラピストのお仕事は、大きく分けて4つ。それぞれ施術方法も違えば、活躍の場も異なります。自分に合った職場環境にめぐり逢えると良いですね。

1.ボディ・美容系セラピスト

エステサロンやリラクゼーションサロン、リフレクソロジーサロンなどで、体に触れて施術を行います。近年では、タイ古式マッサージなどを行うサロンも増えています。また、足裏にある反射区を刺激して内臓の自然治癒力を促進させるリフレクソロジーは、温浴施設などで目にすることも多いでしょう。ゆったりとした癒しの空間で働くことで、セラピスト自身もリラックスできるのではないでしょうか。

 

【ボディ・美容系セラピスト例】

  • エステティシャン(民間資格)
  • リフレクソロジスト(民間資格)
  • カイロプラクテスト(民間資格)
  • スポーツセラピスト(民間資格)
  • 介護リハビリセラピスト(民間資格)

2.メンタル系セラピスト

メンタル系セラピストは、企業で働く人を対象に相談を受けたり問題の解決に導いたりする産業カウンセラーというお仕事があります。また、専門知識に基づいてカウンセリングや診療心理査定などを行う臨床心理士というのもセラピストと呼ばれる事があります。メンタル系セラピストは、人の体に触ってアプローチをするのではなく精神面へのアプローチで心理的な負担を軽減していきます。

 

【メンタル系セラピスト例】

  • 公認心理師(国家資格)
  • 臨床心理士(民間資格)
  • 心理カウンセラー(民間資格)

3.リラクゼーション系セラピスト

エッセンシャルオイルを使ってリラックス効果を高めたり音楽療法を用いてストレス緩和を促進したり、さまざまなアプローチをしていくリラクゼーション系セラピストは、学校や医療現場など多岐にわたって活躍します。体に負荷がかからないアプローチが、子どもから大人までの広い世代でリラックス効果を高められるのです。また、色の持つイメージを使って施術をするカラーセラピストなど、知識を身に付けることで人々の心を癒せるセラピストとなるのではないでしょうか。

 

【リラクゼーション系セラピスト例】

  • アロマセラピスト(民間資格)
  • カラーセラピスト(民間資格)
  • ミュージックセラピスト(民間資格)
  • リラクゼーションセラピスト(民間資格)

4.医療系セラピスト

医療系セラピストは、病院や介護施設などで医療行為を行います。身体に障害のある人などに物理療法や運動療法を施す理学療法士や作業を通じて治療訓練を行う作業療法士など、自立した日常生活をサポートします。また、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師やはり師なども、医療系セラピストと言えるでしょう。

 

【医療系セラピスト例】

  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(はり師・灸師)(国家資格)
  • あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
  • 理学療法士(国家資格)
  • 作業療法士(国家資格)

セラピストになるには

セラピストになるには、まず専門的な知識や技術を習得する必要があります。まったくの未経験でもサロンに就職することはできますが、しっかりとしたカリキュラムで研修を行ってくれる場所でないと、技術の習得は難しいと言えるでしょう。セラピストを目指している人は、専門学校に通い資格取得も含めて勉強していくか、通信講座などで勉強しながらサロンに勤務するといった人が多いようです。

 

専門学校に通うとなると、それなりに費用もかかりますし時間も要します。「そんな時間はない!」という人は、通信講座で学んでいくか技術を教えてくれるサロンに就職すると良いのかもしれませんね。通信講座の方が専門学校より学費が安いので、ひとつの手段として考えてみてはいかがでしょうか。

【セラピストになる前に】

  • 専門学校に通う
  • 大学に通う
  • 通信講座を受ける
  • サロンに就職して研修を受ける
 

必要な資格ってあるの?

セラピストの資格には国家資格と民間資格があります。一般的にいうエステサロンやリラクゼーションサロンで働くセラピストに、必要とされる国家資格はないのですが、理学療法士やあん摩マッサージ指圧師などは、国家資格を取得して仕事に従事することになります。

 

一方で、民間資格には、アロマテラピー検定やIFA国際アロマセラピストなど数多くの資格が存在するので、国家資格だけでなく民間資格を取得することでスキルがあることの証明になります。また、セラピストとして知識をしっかり蓄えておきたい方は、チャレンジしてみると良いですよ。サロンでの実務経験がなくても、就職する際に有利に働くことも多いのです。

 

中でも、一般社団法人日本リラクゼーション業協会が運営するリラクゼーションセラピスト認定試験は、セラピストとしてのスキルアップや知識向上のために設けられた資格です。資格を取得すれば、きちんと知識や技術を持っているセラピストとして、お客様からも認められるのではないでしょうか。

 

働きながら通えるスクールもあるので、専門知識を身に付けてワンラン上のセラピストになりましょう!

 

セラピストに向いている人の特徴

一体、どのような人がセラピストになっているのでしょうか。「セラピストになりたいけど、自分には自信がない…」と感じている人も、これを読んだらちょっぴり安心できるのではないでしょうか。案外、「自分にも当てはまるかも!」と思える性格や特徴がありますよ。

人とのコミュニケーションが苦じゃない

セラピストが活躍するリラクゼーションサロンなどには、多くのお客様が足を運びます。初めての来店で緊張している人もいれば、人と会話することに慣れていない人など様々。どのようなタイプの人が来ても、変わらず笑顔で接客することになるので、人とのコミュニケーションが苦にならない人がセラピストに向いているのではないでしょうか。

人の悩みを聞いてあげられる

セラピストのお仕事は、お客様から体の不調を相談されることもしばしば。治療したり痛みを取り除いたりすることはできませんが、どのような状態なのかをヒアリングして緩和させていきます。お客様の悩みに対し、他人事のように聞くのではなく寄り添いながら施術できる人がセラピストには向いているのではないでしょうか。

何かを学んだり努力したりすることが苦じゃない

セラピストのお仕事は、技術職であり学び続けることも必要です。人によっては、就業時間外に練習をする人もいれば、自発的に技術講習に参加する人もいます。技術と知識をしっかり身に付ければ、お客様から指名してもらえる可能性もあるので、お給料アップに繋がることも。前向きに努力し続けられる人は、お客様からも信頼されるセラピストになれるのではないでしょうか。

 

セラピストとカウンセラーは違う?

セラピストとカウンセラーは異なる職業です。エステサロンやリラクゼーションサロンへ行くと、必ずカウンセリングが行われます。そのため、セラピストとカウンセラーの違いがよくわからない...と感じる人も多いのではないでしょうか。

 

セラピストとカウンセラーの違いをご紹介します。セラピストは、具体的な治療方法で改善を働きかけます。それに対してカウンセラーは、精神的な成長や安定を促すために話を聞いたりアドバイスをしたりする職業です。2つの職業は別物であり、セラピストが能動的であるのに対し、カウンセラーは人の話を聞くなど受動的と表現されることが多いです。とはいえ、メンタル系のセラピストとして、企業で働く人の相談を受ける産業カウンセラーが含まれますので、セラピストとカウンセラーという呼び名は密接に使われているのでしょう。

 

セラピーとは?

セラピーとは、手術や薬を使わない物理療法や心理療法のことを指します。セラピー(therapy)という言葉には、治療や療法の意味があり、セラピーを行う人をセラピスト(療法士)と言います。セラピーは、肉体的な治療だけでなく心理的な治療も行なうため、「心理カウンセリング」と混同しやすいかもしれません。

 

また、セラピーの目的として、人が持つ力を引き出して不安を解消するということがあります。瞬時に不調を取り除くというより、徐々に緩和して行くという療法がセラピーなのですね。

セラピーの種類

セラピーには多くの種類があり、ひとくくりに出来ないのも事実。セラピーを学んで仕事にしたい!と思っていても、どんな種類のものがあるかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、セラピーの種類を「ボディケア」「メンタルケア」「リラクゼーション」「医療」の4つに分けてご説明します。

ボディケアセラピー

セラピーはその目的に合わせて大まかに4つの種類に分けることができます。まず1つ目は、ボディケアのためのセラピー。

リンパセラピー

身体に流れているリンパ液の流れを活性化させることで、体の老廃物や不要物を集め、排出させることを目的としたものです。主にリラクゼーション施設での仕事が多く、まずはお客様の身体の状態を確認し、その人の身体の状態に合わせてコースを決めていきます。オイルを用いたマッサージ療法がメインで行われます。施術だけでなく店舗運営の改善や備品の発注、集客や金銭管理などの仕事もあります。

温泉セラピー

温泉医学、予防医学に基づき、改善したい身体の部分に合わせて入浴方法を変えるなど、温泉の知識や正しい入浴方法を伝える仕事です。主に温浴施設での仕事がメインで、日本温泉保養士協会が実施する「温泉保養士」という資格もあります。

タラソセラピー

海水、海藻などの自然の資源を用いて身体の内側から活性化させ機能を高めていく医学的に裏付けられた治療療法。海泥を直接肌に塗る海泥療法や泥ではなく海藻を用いる海藻療法、冷たい水を身体に浴びせて調子を整える水治療法などがああります。日本ではまだ発展途上の施術の為、タラソセラピストを目指す場合には各地のセラピストスクールに通うか、本場フランスで勉強する場合も。

ヨガセラピー

さまざま疾病に対するヨガの効果を最大限に引き出し、症状を緩和させていくように改良が加えられたものです。個人的なセッションや少人数クラスでの開催が多く、最近では医療機関でのリハビリにも導入されています。ヨガにプラスして、ヨガ・カウンセリングや理論学習による認知面のケアも行います。まずはヨガインストラクターの民間資格が必要で、その上でヨガ理論やカウンセリング方法、医学や心理学などの知識を身に着けることも必要になります。

メンタルケアセラピー

主に体に対する施術を行うボディケアセラピーに対して、心理的な働きかけをするセラピーをメンタルケアセラピーと呼びます。カウンセラーが相談者自身の自己解決をサポートするのがメインなのに対し、心理療法を用いて心の病の治療を行う仕事で、具体的な治療法によって心を癒します。

カラーセラピー

まず相談に来る方のカウンセリングを行い、心の中を理解します。それぞれの色をどのように感じるかなどを見極め、精神的に安心したり気分が明るくなったりする色を選びます。心理カウンセラーとは異なり、色についての知識や技術を用いて心理面に働きかけるのが仕事。サロンでの勤務の他に、ファッション業界やインテリア業界、介護職や看護職で働く人も。

メイクセラピー

心理カウンセリングの手法を取り入れたメイクアップ技法。色彩学や印象分析の理論を備え、目の錯覚効果や化粧品の質感を活用したメイク術です。また、そのメイクによって新たな印象へと変化したことによる心理面のケアや行動のサポートまで行います。カウンセリングから半顔メイク、メインカウンセリング、フルメイク、そして最後にフォローカウンセリングを行うなど、クライアントの精神的な手助けとなるような施術を実施するのが特徴です。

リラクゼーションセラピー

リラクゼーションセラピーはクライアントにとって癒しとなるようなセラピーのことで、ストレスの発散を目的としています。

アロマセラピー

エッセンシャルオイルを用いてアロマテラピーを行う。香りによるヒーリングの効果で心と身体をリラックスさせたり、ストレス解消や身体の不調を改善に導いたりする仕事。美容サロンの他アロマ専門ショップ、治療院、心療内科などの医療関係施設に勤務することもあります。民間のアロマセラピストの資格を取得し、アロマスクールの講師として働く方法もあります。

ハーブセラピー

ハーブを用いて、精神的な癒しや自然療法をする仕事。人間が本来持っているとされている自然治癒力に働きかけ、健康維持や病気の予防をします。カフェなどの飲食店や生活雑貨店の他、薬効を教えるハーブインストラクターとしても活躍できる。鍼灸院や心療内科で働くことも。

フラワーセラピー

花の色彩心理、アロマテラピー、フラワーアレンジメントと臨床心理学を統合したセラピー。人が抱える心の問題を花の力で解きほぐします。花の色、形、香りを通して人の心へ働きかけ、心と身体をリラックスさせて悩みや疲れを癒す仕事です。

 

とはいえ、リラクゼーションとは言うもののどんな状況や行為に癒しを求めるかは人それぞれ。アロマセラピーやハーブセラピーで癒される人もいれば、マッサージやヨガ、メイクがストレス発散になるという人もいるでしょう。そのため、“リラクゼーションセラピー”が人によっては癒しにならなかったり、逆にボディケアやメンタルケアを目的としたセラピーでもリラクゼーションセラピーになることがあるんですね。

医療セラピー

医療セラピー(別名:メディカルセラピー)とは医療行為を目的としたセラピーのことで、治療や具体的な症状を改善するための施術を行うものです。セラピストというと一般的には上記3つのような施術をイメージする人が多いので、医療としてセラピーが行われているということに驚く人もいるかもしれません。理学療法士や心理療法士といった医療現場で活躍する職業のほか、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師など、不調改善やリハビリのために行う治療もセラピーの一つと考えることができます。

 

ただし、整体だけは例外的です。整体は体の歪みや癖を正すことができますが、専門的な資格が必要ではなく医療行為とは区別されるため、医療セラピーよりはボディケアセラピーに属しているということができるでしょう。

まとめ

いかがですか?セラピストと呼ばれる仕事は日本に数多くあり、その仕事内容も様々です。ただ、どの仕事にも共通して言えることは「お客様から直接感謝の言葉や気持ちを受け取れる、やりがいのある仕事」だということです。

 

体力的にも精神的にも大変な仕事だということも共通して言えますが、お客様からの感謝の言葉は大変さ以上の喜びを与えてくれますよ。

 

癒しを求めるお客様だけでなく、身体の不調を緩和したくてサロンに訪れるお客様も多いので、人に寄り添えるセラピストが重宝されていくのではないでしょうか。

  画像出典:Fabrice Florin / IMG_1677 (from Flickr, CC BY 2.0)

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