犬や猫など動物をヘアカットやブラッシングで綺麗にしてあげる「トリマー」は、動物が好きな人にとってはとてもやりがいのあるお仕事ですね。ですがトリミングのほか、グルーミングと呼ばれる動物の体調管理のためのケアをしなくてはいけなかったりと、トリマーのお仕事には様々な知識や技術が要求されます。
では、実際にトリマーとして働くために必要なスキルや資格にはどういったものがあるのでしょうか。今回は資格の種類や資格を取得するための学校についてご紹介します。資格以外に身につけておきたいスキルも取り上げていますので、トリマーとしてのスキルアップに是非役立ててくださいね。
トリマーの資格
トリマーになるためには資格や免許が必須というわけではありません。ですが、専門知識や特別な技術が求められる仕事なので、できれば資格で能力を証明できるようにしておきたいですよね。様々な民間企業から資格が発行されていて、サロンやペットショップでもそれを基準にトリマーを募集しています。
「JKC(ジャパンケネルクラブ)認定トリマー」
「JKC(ジャパンケネルクラブ)認定トリマー」は、一般社団法人ジャパンケネルクラブが認定する、数あるトリマー資格の中でも最も実績のあるものです。公認のトリマー養成機関を卒業するか、資格試験に合格することで資格を得られます。ただし公認の養成機関に入学せず、独学で受験する場合にはJKCの会員歴が2年以上なければ受験できないので注意しましょう。
「トリマー・ペットスタイリスト」
「一般財団法人 日本能力開発推進協会」が認定する「トリマー・ペットスタイリスト」の資格は、協会が指定する教育機関において全カリキュラムを修了することで受験資格を得られます。こちらの試験は在宅受験となるため、カリキュラム修了後に随時自宅で受験することができるんです。
「ペット・グルーミングスペシャリスト」
「ドッグ・グルーミング・スペシャリスト」及び「キャット・グルーミング・スペシャリスト」は、「日本動物衛生看護師協会」が公認するトリマー資格です。それぞれ犬と猫に特化した資格となり、専門学校や大学などでペット美容に関する3年以上のカリキュラムか、2年以上のカリキュラム+2年以上の実務経験を積むことで受験資格を得られます。
他にも「全日本愛犬技術者指導協会」や「インターナショナル・キャットクラブ」も、犬や猫に特化したトリマー資格を発行しています。このように様々な協会や企業が資格を発行しているため、トリマーとしての目標や希望する就職先が求めているものなどを踏まえ、しっかり下調べをしてから受験に臨みましょう。
資格を取得するためには
トリマーの資格を取得するためには、各協会が認定している学校(養成機関)に入学する必要があります。通うべき年数や得られる資格は学校によって異なりますので、資格の特徴と一緒に学校のこともしっかりと調べておきましょう。また、働きながら受講したり、他の学校に通いながら勉強できる通信講座も存在します。学費が安く済むだけでなく、安価で時間の融通も利くので、どんな人でもトリマーを目指すことができますね。ですが通信講座には、実技の面で練習を積むことが難しいというデメリットも。そのため通信講座で勉強しながらペットショップでアルバイトをして経験を積むという人も多いんですよ。
トリマーの資格以外で役に立つスキルは?
トリマーは幅広い業務を行うお仕事なので、身につけておくと役に立つスキルが他にもたくさんあります。たとえば動物の習性や栄養管理、動物関係法令や疾病予防などについて学べる「愛玩動物飼養管理士」や、獣医師の診察や治療の補助をするための「動物看護士」の資格などがオススメ。どちらもトリマーの資格ではありませんが、動物についての様々な専門知識が身につくので、ペットと向き合う上で是非持っておきたい資格です。また、トリマーには飼い主さんと接するときの接客マナーやコミュニケーション能力、手先の器用さや体力も求められるもの。カットの技術だけでなく、動物やその飼い主ときちんと向き合い、信頼されるトリマーを目指したいですね。
画像出典:Amy fricano / Jeanne’s Ddog Grooming (from Flickr, CC BY 2.0)、zorilla / Dog Groomer (from Flickr, CC BY 2.0)