桜が散って、しばらくするとやってくる梅雨の時期。ジメジメとした雨の日が続いてなんとなく気持ちも憂鬱になりますが、実は精神面だけでなく身体面でも体調を崩しやすい時期なのです。そこで今回は、梅雨の時期に体調を崩しやすい理由と、梅雨の時期だからこそ気を付けたい体調管理の方法を見ていきましょう。
INDEX
■梅雨の時期に起こりやすい体調不良
■梅雨に気を付けたい体調管理方法
■梅雨の時期には食事にも気を配る
■梅雨に体調を崩しやすい理由
梅雨の時期に起こりやすい体調不良の症状は?
梅雨の時期には体調不良を起こしやすいと言われていますが、一体どんな症状が起こりやすいのでしょうか?具体的な症状と考えられる原因を一部ご説明します。
- 頭痛
- 気圧の急な変化が原因。自律神経のコントロールができなくなり、頭痛を引き起こす
- めまい
- 頭痛と同様に気圧の急な変化が原因。体の平衡感覚をコントロールするための内耳に異常が起こり、車酔いのようなめまいを起こす
- 関節の痛み
- 気圧の変化が原因。気圧が下がることで体内と外気の気圧のバランスが崩れ、これまで支えていた関節の間に不調が生じて痛みを発生させる
- むくみ
- 湿度が高く、体内の水分量の調節が上手くいかないことが原因。水分やリンパが滞ることによりむくみが発生する
- 倦怠感
- 低気圧が原因。雨の日は興奮を抑える副交感神経が優位になるため、脳が活動的にならずに倦怠感を感じる
- 食欲不振
- 水分の調節不備により、内臓機能が低下していることが原因。消化がされにくいため胃もたれも起こりやすく、さらに食欲がなくなっていくという悪循環が生まれる
- 下痢
- 湿度が高く、水分を摂ってもそれを上手く体外に排出できないことが原因。水分が溜まることで体内も冷え、さらに排泄不良を引き起こす
ここに当てはまる症状があれば、それは梅雨のせいかもしれません。風邪のように熱が出るわけではないので我慢をして外に出る人も多いですが、あまりにも症状が重い場合は病院に行くことも大切です。それでは次に、体調不良を防ぐためにどんな対策が必要なのかをご紹介します。
梅雨の時期に心掛けたい、体調管理方法
梅雨の時期には、いつもと同じように生活していても体調を崩してしまうことが多々あります。自分の身体は自分にしか分からないので、体調を崩す前にしっかり備えておきましょう。
■靴下やストッキングの替えを常に持ち歩く
朝の通勤や通学の段階で雨に降られて全身ずぶ濡れ…なんてことも珍しくないのが梅雨の時期。さすがに洋服の替えを持参することは難しいので、せめて靴下やストッキングの替えはバッグに入れて持ち歩くようにしましょう。梅雨の時期に備えて、室内で履くための靴もオフィスに置いておくと良いですね。衣服が雨に濡れたままの状態で1日中働くのは気が引けますが、足元だけでも改善されると大分すっきりするはず。
■市販の頭痛薬や酔い止めを持ち歩いておく
気圧の変化による頭痛は、いつ起こるかなかなか分からないもの。また、頭痛だけではなく車酔いのような眩暈を伴うこともあります。休みの日であれば病院に行くことができますが、仕事中に発生してしまうと我慢をするしかありませんよね。
そうならないように、常に市販の頭痛薬や酔い止めを持ち歩いておくことも大切。原因が梅雨の低気圧によるものだと分かっているならば、まずはまずは市販薬で様子を見てみても良いでしょう。薬を飲んでも症状が続くようであれば、仕事を休んで早めに病院に行くようにしてくださいね。
■普段より睡眠時間を少しでも増やす
雨に濡れたり気圧の変化を感知したりすると、知らない間に身体には大きな負担がかかっているもの。いつもと同じ睡眠時間を確保していてもすっきり目覚められない・疲れが取れにくいということが十分に考えられます。そのため、梅雨の時期には普段より1時間でも30分でも長く睡眠時間を増やしてあげましょう。日中に溜まった疲れも、しっかりと睡眠を摂ることで解消しやすくなりますよ。
■寝る直前・朝起きてすぐストレッチをする
低気圧で肩も腰も不調な状態が続く人も多いはず。凝り固まった身体では、睡眠を摂っても疲れが取れません。なので、ベッドに入る前には体のコリをほぐすためのストレッチをしましょう。お風呂から上がった時は身体が最も柔らかい状態なので、全身を伸ばしてください。特に、疲れがたまりやすい肩甲骨や肩、むくみやすい足のストレッチは念入りに。ただし、我慢して無理矢理伸ばしていると逆に身体を痛めてしまうので、気持ちよいところでとめてそのまま数十秒キープしましょう。
朝は腕や腰、肩甲骨を伸ばすことを重点的に。朝のストレッチは身体をすっきり目覚めさせることが目的なので、時間がある人はラジオ体操などを行っても良いですね。
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■整体やエステに行って身体のメンテナンス
身体のむくみ、冷え、倦怠感などを自分で解消するのはやはり限界があります。病院に行くような症状ではないものの、やはり連日続くとストレスになりますよね。そんな時は、思い切って整体院やエステサロンに相談しに行きましょう。身体のプロであるセラピストやエステティシャンならば、悩みも解決に導いてくれるはず。体内のリンパを流すマッサージを短時間受けるだけでも、むくみが解消されたり、身体のだるさが一気に軽くなることもありますよ。
■ぬるめのお湯でゆっくり半身浴
ジメジメと暑いからといって、シャワーだけで済ませるのはNG!湿度が高く体内の水分循環が上手くいかない時期だからこそ、ゆっくり時間をかけて湯船に浸かることが大切なのです。のぼせないように長く湯船に浸かるためには、半身浴が良いでしょう。
半身浴のコツは、38~40度くらいのいつものお風呂より少しぬるいお湯の中に、20~30分間浸かること。そして、身体を冷やさず心臓に負担を掛けないギリギリのラインである、みぞおちのあたりまで浸かること。半身浴をすることで、リラックスして自律神経を整えることができ、快眠にもつながり、むくみの改善も期待できるという嬉しいことづくし。何となく倦怠感が続いている時には、ぜひ半身浴を取り入れてみましょう。
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■調理器具の消毒や食材の管理を徹底する
湿度が高く、食中毒の可能性も高くなるのが梅雨の時期。食材は必ず賞味期限が切れていないかを確認し、なるべく冷蔵庫で管理をするようにしましょう。また、食器や調理器具は綺麗に洗って保管し、定期的に消毒処理をすることも大切。傷みやすい時期だからこそ、火を通さずに食べる生野菜や魚といった食材は買いだめせず、使用する分だけをこまめに購入するということも心掛けたいですね。
■気温に合わせて調節できる洋服を選ぶ
気温の寒暖差が激しい梅雨の時期には、ある程度の温度調節ができる洋服を選ぶことが大切。通勤時にはカーディガンを羽織っておいて、社内になったら脱げるようにしておくと良いですね。また、通気性の良い素材の洋服を選ぶこともポイント。雨に濡れた後になかなか乾きにくい素材の洋服だと、いつまでも身体がベタベタして風邪を引きやすくなってしまいます。ニットや綿の服を選ぶのではなく、さらっとしたポリエステル素材の服を選ぶことがポイントです。
梅雨の時期は、食事にも気を配るべし
気を付けたい体調管理方法はたくさんありますが、梅雨の時期には食事にも気を付けたいポイントがいくつかあります。ちょっとした変化をつけるだけで体調管理になるので、ぜひ実践してみましょう。
1、利尿作用のある食材を使う
梅雨の時期には体内に水分が滞りやすいというのはすでに説明した通りですが、体内に溜まってしまった水分を排出するために「利尿作用」の効果のある食材を取り入れることが大切です。カリウムを多く含み、利尿作用のある食材には、以下のようなものが挙げられますよ。
- ニラ
- ほうれんそう
- きゅうり
- 茄子
- 大豆や小豆
- 海苔
また、食材ではありませんがコーヒーや紅茶は利尿効果の高い飲み物です。あまり多く飲みすぎても身体によくありませんが、朝に一杯の目覚めのコーヒー習慣をつけてみても良いですね。
2、クエン酸を含む調味料を使う
よく耳にすることもあるクエン酸ですが、疲労回復に効果があると言われています。梅雨の時期は、雨に濡れたり傘を差したりと生活をしているだけでも疲れることが多いはず。そんな梅雨だからこそ、毎日の食事にクエン酸の入った調味料を使うことがおすすめです。
- 梅干し
- お酢
- レモン
上記がクエン酸を多く含むので、調味料として料理の仕上げに使用すると◎また、食材が傷みやすい梅雨の時期にも、レモン汁や酢を使うことで殺菌作用を高めてくれるのです。お弁当やおにぎりにも最適なクエン酸、ぜひ取り入れてみてください。酸っぱいものが好きな人は、普段からフルーツ酢やレモン水などのデトックスウォーターとして持ち歩いて飲んでも良いですね。
3、疲労回復に効果的なビタミンB1を含む食材を選ぶ
クエン酸と同じように、疲労回復に効果的とされている成分がビタミンB1。身体に吸収された糖類を分解してエネルギーに変える役割を持っているので、このビタミンB1が不足すると食欲がなくなる・集中できなくなる・疲れるといった身体の不調を起こしてしまうのです。以下に挙げた食材に多く含まれているので、ぜひ積極的に食べるようにしましょう。
- うなぎ
- 豚肉
- 大豆や小豆
- 鮭
- 穀類(玄米など)
白米よりもさらに多くビタミンB1を含んでいるのが玄米。普段は白米を食べている人も、梅雨の時期には玄米生活に切り替えてみても良いですね。また、ちょっと贅沢なイメージの強いウナギも、ビタミンB1を非常に多く含む食材。頑張っているご褒美に、疲労回復に効果的なうな重を食べてみては?
4、冷たいものよりあたたかいもの・辛いものを食べる
夏のジメジメした時期には、いつもついつい冷たくてさっぱりしたメニューを選んでしまいがち。ですが、冷たい食べ物で身体の中を冷やすと、さらに代謝が落ちてしまいます。メイン料理が冷たいメニューだとしても、副菜にはあたたかいメニューを取り入れましょう。それも難しい場合は、食事の前にあたたかい飲み物を飲んで体内を温めるだけでも違いますよ。
また、発汗作用のあるスパイスを使った料理も◎梅雨の時期は食欲が低下する人が多いですが、スパイスの香りをかぐことで食欲増加の効果があるのです。カレーや担々麺、麻婆豆腐などの辛いメニューを積極的に食べるようにしたいですね。
梅雨の時期に体調を崩しやすい理由
そもそもなぜ、梅雨の時期に体調を崩しやすくなる人が多いのでしょうか。その理由も合わせてチェックしておきましょう。原因を知っておくことで、今後の改善にもつなげやすくなりますよ。
気温の寒暖差が激しいため
6月の中旬頃になると、まるで真夏のような高い気温の日も多くなってきます。ですが、梅雨に入るとまた一気に気温が下がって寒さを感じることも。油断をして薄着のまま上着も持たずに出かけると、夜の寒さにびっくりする日も多いでしょう。反対に、朝は雨が降っていて涼しくても、午後には太陽が照り付けて猛暑になる日もあります。1年の中でも最も寒暖差が大きい梅雨の時期なので、上手く順応できずに体調を崩す人が多発するのですね。
雨に濡れた髪や衣服のままで仕事をするため
通勤時・外出時に雨に降られると、衣服や髪が濡れてしまいます。もちろんドライヤーをバッグに入れて持ち歩くわけにもいかないので、中途半端に濡れたままの状態で仕事をしなくてはいけません。さらに、6月~7月の梅雨の時期にはすでに冷房が入っている建物や電車も多いでしょう。湿った衣服に追い打ちをかけるように冷風を浴びることで身体が冷え、風邪を引きやすくなってしまうのです。
湿度が非常に高いため
湿度が高くて肌が潤うのは良いことなのでは…?と思いますが、あまりにも高すぎても身体に不調をきたすのです。体内に水分を溜めこんでしまって上手く排出することができず、お腹を下してしまったり食欲が低下してしまったりすることも。
また、水分が体内に滞って循環しないことで身体のむくみも発生しやすくなりますよ。「前日にお酒を飲んだわけでもないのに、梅雨の時期はなぜか日中に足がむくみやすいかも」という場合は、湿度の高さが関係している可能性が高いでしょう。
気圧の変化が激しいため
台風が近づくと関節が痛んだり、雨の日には頭痛が起きたり。これは決してただの体質ではなく、「気象病」という症状なのです。急に気圧が変化することで無意識のうちに自律神経は大きなストレスを感じていて、一時的な自律神経失調となることがあります。それが原因で身体に様々な不調をきたすのです。
一般的に知られている頭痛だけではなく、気圧の急激な変化はむくみやめまい、眠気や倦怠感なども引き起こしやすくなります。また、精神病を患っている人は病気の悪化もしやすいと言われているのです。
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貴重な晴れの日には、太陽の光をたくさん浴びる!
梅雨の時期には、ついつい家の中にこもりがち。もちろん室内で過ごすのも楽しみ方の1つですが、梅雨の時期の貴重な晴れの日にはぜひ太陽の光を浴びましょう。1日中外出する必要はもちろんないので、ベランダに椅子を持っていって日の光を浴びながら読書したり、時間を測って家の周りをジョギングしたり、1時間ゆっくりと散歩をするだけでもOK!
日の光を浴びることで沈みがちな気持ちも晴れやかになりますし、それだけで軽い体調不良なら改善されることもありますよ。
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