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マタハラに苦しむ女性から相次ぐ相談

急増する「マタニティーハラスメント」問題について紹介。調査を通して判明したマタハラ被害の実態や、実際に職場でマタハラ被害に遭遇した女性の声を取り上げていきます。マタハラに悩む女性は、ぜひ参考にしみてください。

マタハラ被害に苦しむ女性たち

 


近年、会社内で妊娠に関する嫌がらせ「マタニティーハラスメント(以下、マタハラ)」を受ける女性が急増しています。2015年に都道府県労働局に寄せられたマタハラに関する相談は、過去最多の4,269件(前年比19%増)。また同年8月に、20代から40代の女性654人を対象に行われた調査では、妊娠や出産がきっかけでマタハラ被害にあった女性は40%以上もいることが判明しました。
 
増え続けるマタハラ被害を食い止めるためにも、厚生労働省は今年1月からマタハラに関する防止措置を事業主に義務付けました。ところが沖縄労働局には、防止措置の義務付けから半年間で24件ものマタハラに関する相談が労働者から寄せられたといいます。寄せられた相談の半数が、妊娠が理由で解雇をほのめかされたという内容だったそうです。
 
相談者の中には上司や先輩社員から「妊婦はいつ休むか分からないし、早めに辞めてもらうしかない」「就職したてで妊娠で休むとかずうずうしい」「早く帰られると周りが迷惑」などといった辛辣な言葉を投げられた人もいたといいます。
 
ほかにもマタハラを受けた女性は多くいるようで、SNS上には「妊娠中でお腹痛いのに、上司に『部下がサボってると思われるの嫌だから、社員から見えない場所で休んで』って言われた!」「上司に妊娠報告したら、怒鳴られたあげく、妊娠したことを謝罪させられたんだけど」「子持ちの上司がマタハラしてきた時は、さすがにビックリしたよね」など悲惨なマタハラ被害を訴える声が数多く上がっています。

地味に増え続けるパタハラ被害

マタハラ被害が急増する中、育児に積極的な男性が育休を取得することで解雇、または降格させられてしまう「パタニティーハラスメント(以下、パタハラ)」も少なくありません。最近では“イクメン”と呼ばれる、率先して子育てに参加する男性はたくさんいます。しかし厚生労働省が2016年に発表したデータによると、男性社員の育児休暇取得率はわずか3.16%。女性社員の育児休暇率81.8%に比べると、かなり低いことが分かります。
 
男性社員の育児休暇取得率の低さの背景には、職場からのパタハラが影響していることが窺えます。実際にネット上には「『部下に育児休暇を取った男性社員がいると、俺の評価が下がる』と平気で上司に言われた」「育児休暇の話を上司にしたら、『子育てもろくにできない女とは別れろ』とか、妻の悪口を延々と言われた」といった悲惨な現状を訴える男性の声が上がっています。
 
「子どもを産んでも働き続けたい」と考える女性の社会復帰を応援するためにも、働きやすい労働環境を作ることが必要になってくるでしょう。

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