東京都で実施されている「時差Biz」について解説。実践している企業の取り組み方や、メリットとデメリットを踏まえた世間の評判もご紹介します。通勤ラッシュを避けたいと考えている人や、新しい働き方に興味のある方は要チェックです。
時差Bizってなに?
時差Bizとは、東京都が提唱している通勤ラッシュ緩和のためのキャンペーン。朝の7時から9時に集中している通勤時間を前や後にずらすことで、電車の利用者数が分散し通勤がスムーズになると考えられています。通勤時間帯をずらすオフピーク出勤自体は以前から呼びかけられていましたが、今回は通勤の必要がないテレワークという働き方も含め、満員電車を減らすためのあらゆる取り組みが時差Bizとなります。
時差Bizが実施されるのは2017年7月11日から25日の期間となり、「快適な通勤を体験してもらい、効果を実感してもらうムーブメント」を起こすことが目的。優れた取り組みを行った企業・団体には、「時差Biz推進賞」として表彰する制度も用意されているとか。
時差Bizを取り入れた働き方
時差Bizの取り組み方には様々なパターンがありますが、基本となるのは「時差出勤」です。1日の労働時間は変えずに始業時間と終業時間を変更することで、通勤や退勤の際に満員電車を回避。早く出勤して退勤後の時間を今までより有意義に使うこともできますし、遅く出勤することで余裕のある朝が迎えられます。
また、1カ月の労働時間を決めて出勤時間を選択することが出来る「フレックスタイム制」や、自宅やオフィス以外の場所で仕事をする「テレワーク」も通勤ラッシュ緩和につながるため、時差Bizへ貢献したことになるそうです。
企業ごとの取り組み方や反響
今回のキャンペーンのために、鉄道会社ではいつもより早朝に走る電車や、急行や特急よりも少ない駅に停車する電車を臨時運行。実際に利用した人からは「停車駅が少ないからあまり混まなかった」「快適だったから毎日利用したい」と好評で、今後定着することが期待されているようす。
時差Bizに参加している企業は、フレックスタイム制を設けて朝方勤務を促したり、出勤時間にいくつかのパターンを設けて自由度の高い働き方を実現しています。この試みは「早く出ることで夜の残業時間が短くなった」「自分の都合で出勤時間を決められるのはありがたい!」と通勤ラッシュ以外の効果を実感する声も上がっていますが、「クールビズは定着したけど時差Bizは広まってない気がする」「特に混雑がなくなったという実感がない」と否定的な意見もあるようです。
満員電車回避のためのキャンペーンですが、それ以上に働き方を考え直すきっかけにもなっている時差Biz。この試みにはどれくらいの結果があるのか、今後も注目していきたいですね。