4月5日、外務省の発表で日本とスペインが「ワーキングホリデー協定」を結んだことがわかりました。ただの旅行とは違って、長期滞在して学校に通ったり働いたりと、その国に溶け込んで生活できる「ワーキングホリデー」。ですが陽気でお気楽な人が多いスペインは、労働環境が日本とはまったく違います。今回はスペイン人の国民性がはっきりとわかる労働環境について見ていきましょう。
自由奔放でお気楽なスペイン人
スペインの労働環境で一番特徴的なのはやっぱり「シエスタ」。日本では考えられないことですが、スペイン人は仕事がある平日でも、ランチタイムが終わった2時頃からお昼寝をとってしまうとのこと。そして外が涼しくなってきた夕方頃から、もう一度働き始めます。そのためスペインの街中にある小売店はお昼過ぎに一旦閉店して、夕方から再び開店するところが多く、銀行はなんと2時に閉まって次の日まで開店しないそう。日本人だったら「自分が休んでいる間に誰かに迷惑がかかるかも…」と考えてしまうところですが、スペイン人はそんなことは気にせず自分の時間を大切にするんです。
実際にスペインに訪れた人からは、「バスがよく分からないところで停まってるんだけど、たぶん運転手のシエスタ」「ホリデーシーズンの影響かシエスタか、行こうとしてたお店はもちろん、ブランド街がシャッター通りと化しててびっくりした!」と驚きの声が上がっています。
また昨年のスペインでは、サンタンデールからマドリードへ向かう列車で、労働時間が終わった運転手が勝手に列車から降りてしまう事件がありました。取り残された乗客はたまったものではないでしょうが、自由奔放でお気楽な国民性がよく分かる出来事ですよね。
有給休暇もフル活用!
そしてスペイン人は自分の時間を大切にする人が多く、有給休暇をしっかりとります。2016年に行われた有給休暇取得率の比較調査によると、スペインの有給消化率は100%で、ブラジルやフランスと並び1位という結果に。しかもスペインでは30日の有給が支給されているのですが、それを全て消化した上で68%もの人が休み不足を感じているそうです。
ちなみにこの調査によると、日本の有給取得率は50%で28カ国中最下位。その上で休み不足を感じている人はたった34%しかいないとのことなので、いかに日本人が勤勉で、スペイン人がお気楽に働いているのか分かります。
スペイン人も勤勉になっていく!?
スペインの労働環境を知って「なんて自由な国なんだ!」とうらやましく思う人もいるかもしれませんが、良い事ばかりとも言えません。スペインは長い間不景気が続いていて、若者の失業率も高いことで有名。その原因の一つがシエスタが経済活動に与える影響にあるとも言われていて、近年ではシエスタの廃止も検討されています。独特の流れで働いているスペイン人ですが、これからは他の国と足並みを揃えていくことも求められていくのかも。
画像出典:Kevin Krejci / 081010 747 (from Flickr, CC BY 2.0)