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作成:2017.04.11

特集

玉虫色の唇に死をもたらす白粉… 驚きに満ち溢れた昔のメイク方法


どんな時代でも、女性は美しく見せるためのメイクに努力を惜しまないもの。現代はマスカラでまつげをフサフサに、チークで頬をほんのり染めて、唇は艶やかに… といったメイク方法があるが、今と美意識も違う昔の女性はどのようなメイクを行っていたのだろうか?

下唇が七色に光る驚きの“笹色紅”

現代の口紅と言えば、色の濃さやツヤ感など商品によって違いはあるものの、色合いとしては赤やピンクが一般的。一方、江戸時代の口紅は中々個性的だった様子。紅花を原料とした口紅が作られていたのだが、遊女の間ではその口紅を使って“玉虫色”に唇を彩る“笹色紅”が流行ったとか。純度の高い高級な紅を何度も塗り重ねると、次第に唇が光線の具合で緑や紫などに見える玉虫色を帯びてくる。江戸時代は下唇のみ笹紅色にするのが流行したのだが、純度の高い紅は高価なため庶民には手が届かないものだった。そこで裕福でない女性は、唇に墨を塗った上から赤い紅を付け、笹紅色に少しでも近づけるよう努力したという。

命を落とすデンジャラスメイク

口紅からして昔の女性の涙ぐましい努力が感じられるが、中には危険なメイク方法も。飛鳥時代ごろには「白粉」が日本に伝わり、肌を白く見せるようになる。江戸時代には水銀を原料に使った「軽粉」や「鉛白粉」といった白粉が登場したが、危険なのは鉛白粉。大量生産されたことで手に入りやすく、伸びが良い鉛白粉は江戸時代の女性に重宝された。“色の白きは七難隠す”という言葉もこの頃には存在し、塗りたくる女性が多かったようだが、鉛には“鉛中毒”を引き起こすというデメリットが。
 
鉛中毒は早死にの原因だったとも言われ、母親に抱かれている子供が誤って舐めてしまったことで発症することもあったそうで、その危険性から昭和には製造が禁止されることに。これには「昔のメイクってなんてデンジャラスなの…」と驚く声も少なくない。

口を小さく見せるために歯を黒く!

平安時代には歯を黒くするお歯黒が流行。当時は口の小さい女性が魅力的と考えられており、歯を黒くすることで口元を小さく見せる効果を狙ったメイクのよう。当初は貴族の女性が行うものだったようだが、次第に一般大衆に普及し、戦国時代には成人の印に。女性だけでなく男性もお歯黒をすることで権威を表すようになったと言われている。
 
ただお歯黒は遠い昔の話ではなく、明治頃まで残っていたことから「知り合いのおばあちゃんがお歯黒だったって聞いて衝撃! 最近まであったんだ」といった声も。
 
今では想像もつかない昔のメイク。ただ、メイクの変遷を考えると、ずっと先の未来には「まつ毛を太く長くするなんて信じられない!」「唇を赤く染めるなんて良さがわからない」と言われてしまう時代が来るのかもしれない。
 
画像出典:Japanexperterna.se / Maiko Tomitae (from Flickr, CC BY 2.0)

Author:美プロ編集部

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