就職や転職の際にただでさえ難しい志望動機。その中でも多くの人が頭を悩ますのが異業種への志望動機だ。「なぜその会社に応募したのか」という理由とは別に、「なぜその職種に転職しようと思ったのか」を問われることが多いので、準備に戸惑っている人も多いよう。そんな時は企業側が求めるものをきちんと把握した上で、志望動機を考えてみよう。
6割以上の人が異業種に転職!?
転職サービス会社が2014年3月に発表した調査結果によると、異業種へ転職した人は全体の59.1%。なんと6割近くの人が異業種への転職経験があるよう。対して異職種に転職した人の割合は33.9%。異なる業種に転職したものの、職種自体は変わらないという人が多いのかもしれない。
別の転職支援会社が2017年2月に発表した転職コンサルタントを対象にした実態調査では、「異業種からのミドルの転職者に対して、『採用企業が期待するもの』は何ですか?」と質問。第1位の「経験職種での専門知識・専門スキル」が64%と、半数以上の人が“経験職種”における知識やスキルを求めていることが分かった。
また2位は「経験業種でのスキル・ノウハウの転職先企業への汎用性」と「新しい環境下でも主体的に動ける行動力」が39%、4位は「異なる視点からのアイディア創出力」が34%という結果に。どんな知識や経験があるかだけではなく、個人自身の高い能力やスキルを求めていることが分かる。
志望動機のポイント
志望動機を書く時のポイントは3つ。まず1つ目は応募先の業種で仕事をしようと思った理由を具体的に説明すること。異業種への転職に限ったことではなく、なるべく具体的な理由にすることで説得力のある志望動機になる。
2つ目は前の職場ではできなかった理由を強調すること。いくら説得力のある志望動機だとしても、「それって前の業種(会社)でもできたんじゃないの?」と担当者に思われては意味がない。1つ目のポイント内容をベースにしながら、なぜ前職ではできなかったかも具体的にすることで、志望動機をより強固なものにすることができる。
3つ目は新しい業種に挑戦するために行っている事をアピールすること。たとえば専門資格の取得を目指していることや、新しい業種に関する勉強や情報収集を日頃から行っていることなどを伝えてみると良いかも。転職に関して前向きな気持ちであることのアピールにもなるはず。
志望動機と自己PRは必ずリンクさせる
志望動機を考える上で忘れてはならないのが「自己PR」。実態調査の結果では企業は異業種からの転職者に対して、これまでの仕事で培ってきた知識や経験、スキルを活かすことを求めている。単に自分が持っている知識やスキルを披露するのではなく、転職先でどのように生かすことができるかが大切。前職での功績やアイディア創出経験などがある場合はできるだけ活用しよう。志望動機の時の同じように、具体性をもたせることで説得力が増すはず。