社会人たるもの何時いかなる時でも最高の仕事をしたいものですが、常に一定の“やる気”を保ち続けることができるような人は、仙人でもない限り存在しないでしょう。しかも一度下がったやる気をそのままにしていては、仕事の重大な失敗に繋がってしまう場合もあり、決して見過ごせませんよね。
そこで今回は仕事のやる気をアップさせるにはどうすればいいのか、その具体的な方法をご紹介。やる気が出ない原因からその改善方法まで取り上げていきます。やる気を上げれば仕事の効率だけでなく、クオリティまで上げられるかもしれませんよ。
そもそもやる気が出ない原因って?
仕事のやる気が出なくなってしまう原因はいくつか考えられますが、その中でも大きいのが「5月病」だと言われています。「5月に限った話じゃないよ?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、5月病はなにも5月だけに発症する病気というわけではありません。そもそも5月病とは新しい環境に適応できないことのストレスから、交感神経と副交感神経という2つの自律神経の働きに異常をきたす適応障害の一種と言われています。睡眠不足や慢性的なストレスなど、自律神経のバランスが崩れる条件が整えば、いつでも5月病になってしまうようですね。
そこで5月病を改善するには、バランスの良い食生活や規則正しい睡眠をとるといった、基本的な生活習慣の見直しが重要になってきます。「そんなこと言われても、夜なかなか眠れない…」という人は、寝る前にパソコンやスマートフォンを見ないようにしてみましょう。これらの画面から出るブルーライトは自律神経を乱れさせる働きがあると言われていて、現代人の不眠の重大な原因の1つとなっています。
また、いくら睡眠が大事だからといって休日などに夕方まで眠るような、いわゆる「寝だめ」は睡眠のリズムが乱れてしまうことに繋がるのでNG。大切なのは毎日決まった時間に寝て、決まった時間に寝るというサイクルであるということを、忘れないようにしましょう。
学習性無力感の可能性も
規則正しい生活をしていてもやる気が出ないという人は、「学習性無力感」が原因の可能性があります。学習性無力感とはアメリカの心理学者マーティン・セリグマンが発表した心理学理論で、自分の行動に報酬が与えられない場合、人間は「無力感」を学習してしまうとのことです。つまりいくら仕事をしても失敗ばかりで上司に怒られることが続き、「もう何をやってもだめだ…」となってしまうような状態ですね。
学習性無力感は日頃からの予防が大切です。そのためには、上司からのフィードバックを自分の中でコントロールすることを意識すると良いでしょう。具体的には仕事の失敗などで叱られた後に、上司の口から出た言葉の中の「失敗した箇所」や「改善策」といった“必要な情報”だけを抜き出してメモに整理し、その他の「上司の感情」や「声が大きくて怖い」などの“不必要な情報”は忘れてしまうといった方法が有効だと考えられます。
しかし実際に学習性無力感に襲われてしまった場合は、改善に苦労することが予想されます。原因が失敗の連続にある人は、一度自分の得意な仕事をリストアップし、それらに優先的に取り組むことで、とりあえず上司に“褒められる”ことを狙ってみても良いかもしれません。また、1つの仕事を終えた後にご褒美のおやつを1つ食べる、といった自分ルールを設けてみるのも有効な手段でしょう。
逃避行動も立派なやる気アップ方法
ここまで紹介してきた方法でも改善されない場合は、1度思い切って逃げてみると気分が良い方向に向かうことがあります。逃避行動にも色々な種類がありますが、「失敗を心の中で人のせいにする」というものがリスクも少ないのでおすすめです。はっきり言ってしまえば責任転嫁をするということですが、これも立派なメンタルケアの1つ。ただし間違っても口に出して、他の人に聞かれてしまわないように気を付けてくださいね。
また、究極のやる気アップ方法と言えるのが「一旦仕事そのものから逃げ出す」という方法。もしあなたが長期休暇などで仕事から離れることができる環境にあるのならば、ぜひおすすめしたい方法です。大事なのは仕事を一切忘れることなので、たとえば登山などのレジャーに出かけてみてはいかがでしょうか。