幼稚園教諭になるためには、専門の養成過程がある学校を卒業して「幼稚園教諭免許」を取る必要があります。しかし免許を取得しただけでは安心するにはまだ早く、実際に幼稚園などに採用されなければ幼稚園の先生として働くことはできません。
そこで今回は採用試験に合格して、幼稚園教諭になるにはどうすればいいのかご紹介。その他にも持っていると有利なスキルや資格、幼稚園以外での働き方など、「幼稚園教諭免許」を持っている人が実際に現場で働くための情報を取り上げていきます。
公立・私立で違う？ 幼稚園教諭の採用試験
幼稚園教諭の主な仕事場はやはり「幼稚園」ですが、公立・私立・国立大学付属とその種類は様々です。また、採用試験の内容も幼稚園の種類によって異なっているので、幼稚園教諭として実際に勤務するためには「何処で働くか」ということも重要になってくるんですね。ここではそれぞれの幼稚園の採用試験について見ていきましょう。
まず「公立幼稚園」で勤務するためには、各市町村の自治体で行われる採用試験を受ける必要があります。採用試験の流れは自治体によっても違いますが、5月から6月に受験の申し込みをして、7月から第一次選考がおこなわれるのが一般的です。第一次選考では主に書類選考と筆記試験が行われ、その後の第二次選考で実技試験や面接という流れに。そしてその合格者は説明会と教育委員会による面接を受けられます。晴れて勤務が開始されるのは次の年の4月からということなので、受験の申し込みから勤務までまるまる1年かかるということですね。
それに対して「私立幼稚園」では自治体で一括して試験があるわけではなく、幼稚園ごとに独自の採用試験を行っているので、なかなか対策が取りにくいと言われています。しかし試験の内容自体は筆記試験、実技試験、面接という流れで行われるところがほとんど。とくに面接を重視する幼稚園が多いということなので、事前に見学などをして試験を受ける幼稚園の雰囲気を調査しておくと良いでしょう。とはいえ幼稚園によっては見学が出来ないところもあるので、見学を希望する際は問い合わせをお忘れなく。
そして「国立大学付属幼稚園」については、日本国内に100校もないため求人自体が少なく狭き門と言えるでしょう。試験内容としてはほかと同様、実技試験や面接、書類審査などが行われますが、大学のホームページから求人情報を確認することができるので、詳細についてはそこを見ておくようにしましょう。
幼稚園教諭に有利なスキルや資格
採用試験に合格して幼稚園教諭として就職する際、持っていると有利に働くスキルや資格があり、中でも「音楽」「言語表現」「絵画」に関するスキルは必須とも言われています。言語表現とは絵本の読み聞かせの表現技法のことですが、絵画のスキルも子どもたちとのお絵かきの時間に必要になったりと、どれも幼稚園でのお仕事に直結するスキルなんですね。特に音楽の技術に関しては、「ピアノ」を採用試験の実技に取り入れているところも多いので、よく練習しておく必要があるでしょう。
また、最近では保育園と幼稚園の一体化を目指す働きがあり、その一環として保育園と幼稚園の要素を合わせ持つ「認定こども園」という保育施設が増えてきているようです。この認定こども園では幼稚園教諭免許と保育士資格両方の資格を持つ人が求められているので、保育士資格を持っておくと就職の幅が広がることでしょう。
幼稚園以外の働き方
幼稚園教諭免許を持っている人を優先的に採用してくれる職場は、幼稚園のほかにもあります。全体的には子どもと関わる仕事が多く、「学童クラブ」もその中の1つです。学童クラブとは「両親が共働き」などの理由で、昼のあいだ家に保護者がいない小学生を預かるお仕事。とくに昨今では共働きの家庭も多くなってきているため、、学童クラブスタッフの需要が高まっているそうですよ。また、軽度の障がいを持つ児童を対象とした「発達支援業務」の現場でも、幼稚園教諭免許の取得者が必要とされています。「児童発達支援センター」や「放課後等デイサービス」など、色々な働き方があるので興味がある人はぜひ調べてみてください。
画像出典：US Department of Education / 05092012 – Oyster class visit Teacher Appreciation 237(from Flickr, CC BY 2.0)、US Department of Education / 05092012 – Oyster class visit Teacher Appreciation 204(from Flickr, CC BY 2.0)、fourbyfourblazer / Homework(from Flickr, CC BY 2.0)