ネイリストになるための情報をまとめました。ネイリストはどんな仕事をするの?なるための方法は?働き方は?など、疑問を解決!ネイリストを目指す方は必見です。
ネイリストとは
爪(ネイル)に関する施術を行う人。ネイルデザイナーやネイルアーティストとも呼ばれています。海外ではマニキュアニスト、ネイルテクニシャンのことです。
ネイルの施術には、美しさや健康のために爪を手入れするネイルケアや、人工爪の装着・付け外し、装飾を施すネイルアートなどがあります。
ネイリストの仕事内容
- ネイルケア
- ネイルアート
- スカルプチュア
- ジェルネイル
- ハンドマッサージ
爪の形を整えたり、爪の表面を磨き光沢を出したり、キューティクルをケアして手入れすること。爪の見た目を美しくする美容目的で行う場合と、巻き爪や陥入爪などを処置する医療目的で行う場合があります。
爪に色やデザインを施したり、パーツをのせたりして、指先を華やかに見せること。色の塗り方には、グラデーションやフレンチ、マーブル、ホログラムなどさまざま。ネイルアートのコンテストが開催されることもあります。
人工爪のこと。自爪の上にアクリル樹脂をのせ、爪の長さを出したり、補強を行ったりすることをいいます。おしゃれのために楽しむ場合が多いですが、爪の保護や矯正など医療目的で行うことも。
ジェルを爪に塗り、UV/LEDライトで硬化させて仕上げるネイルのこと。ジェルネイルを爪に塗布してネイルアートをしたり、爪の補強を行ったりします。
手や爪にマッサージを行うことで、血行を改善や、リラックス効果があるといわれています。最近は、パラフィンパックも取り入れているところもあり、爪だけではなく「手」全体を美しく仕上げることを目的としているサロンもあります。
ネイリストになるには
一人前のネイリストとして、お客様に施術できるようになるためには、ネイルケア、リペア、チップ&ラップの装着、ネイルアートに関する技術や知識を習得することが必要です。(ネイリスト技能検定試験2級の内容)
必要な知識を習得するためには、大きく4つの方法があります。
⇒ネイリストになるには?ゼロからトップネイリストを目指すための近道のり
スクール
ネイリストの技術・知識を習得できるスクールの中には、資格試験を行うJNA認定校や、トップネイリストが講師を務める学校、週1回~通えるところなど、さまざま。また、授業料の中にネイル検定費が含まれているところもあります。
スクールに通ってネイリストになる場合、かかる費用は昼間のコースで100万円ほど。専門学校であれば、ネイリストになるまでには最長2年かかるでしょう。
スクールのメリットは、学校でトップネイリストから徹底的にスキルをレクチャーしてもらえる点。その分、就職後はすぐに即戦力として活躍できるでしょう。
認定校って何がいいの?
「JNA認定校スクール卒業者のみ認定講師受験の資格を得られる」「在籍スクールで実技試験を受験することができる」「ジェル検定初級が筆記試験のみ」などといったメリットがあります。しかし、その一方で学費が他のスクールより高いというデメリットも。
将来キャリアアップを目指す人は、認定スクールに入学することをおすすめします。
通信講座
「ネイリスト検定2級・3級コース、ジェルネイル検定コースなどの、資格取得や基礎スキルを習得するための講座や、エアブラシネイルやフットケア、開業プロフラムなどがあります。通信講座は60日~1年と、短い期間で知識が身につくことをウリにしていることが多いです。講座にはDVDや、必要なキットがついており、その他作品の添削、メールや電話対応もしてもらえます。しかし、モデルに直接施術ができない、実践の場が少ないことを考えるとスキルを習得するには時間がかかるようす。
サロンで修業
「最近では、未経験者OKのネイルサロンもあります。そのため、サロンで修業を積んで、技術やスキルを習得するというパターンもあるようです。サロンで働きお金を稼ぎつつ、生の施術を見ることができ一石二鳥!しかし、実際には雑務をこなしながらのため、勉強にあてる時間は開店前や閉店後。なかなか時間が取れず、スキルアップが難しいという声も聞こえてきます。中には、スクールや通信講座を受けつつ、知識・技術を習得する人も。サロンの中には、研修制度を取り入れているところもあるので、うまく活用しながらスキルアップを目指しましょう。
独学
最近では、ジェルネイルキットやセルフでできるネイルセットなどが販売されているため、独学でも施術スキルを勉強することができます。ジェルネイルキットの価格は5,000円~。ある程度のネイル技術・知識があり、自分の苦手分野を把握している人には、キットをうまく活用できるでしょう。
独学(セルフネイル)は危険!?
ジェルネイルの中には、皮膚についたまま硬化すると火傷する危険があります。さらに、間違った施術により、グリーンネイルや爪が剥離してしまうという報告も多数あがっているのです。正しい施術、正しい知識を身に付けなければ、大きなトラブルになる可能性もあるので、独学で行う場合には十分に気を付けましょう。
ネイリストに学歴は関係ある?
関係ありません。JNECが主催するネイリストの検定試験においても、学歴に関する条件は設けられておらず、誰でも受験することが可能です。
しかし、サロンによってはお店のコンセプトやお客様のターゲット層によって、高卒以上を設けているところも。求人に応募する際には、チェックしましょう。
ネイリストになるまでの期間
各スクールや通信講座によって、さまざまですが、ここではネイリストになるまでの平均期間をご紹介します。それぞれの、メリットデメリットも紹介していますので、参考にしてください。
スクール:平均3ヶ月~1年
スクールのいいところは、なんといっても検定合格率が高いこと。検定に合格するためのコツを徹底的にレクチャーしてくれたり、スクールの中でも検定認定校に通学すれば、一部の試験を免除してくれる場合もあるそうです。また、施術モデルを使って練習することができたり、実際に現場で活躍している人が講師になって教えてくれるため“身に付く”スピードは速いといえるでしょう。しかし、その分スクール費が高額になってしまったり、時間がない人にはなかなか通えなかったりすることも。
講 座:平均4~6ヶ月
現職を続けながら、自分のペースで取得できるのがメリット。最近の通信講座には、ネイル施術において必要な道具が全てついていたり、24時間対応で質問を受付てくれたりするところもあります。けれども、やっぱり難点となるのが技術取得が難しいこと。DVDやテキストを用いて、知識や技術を習得していきますが、コツが掴みにくい、同じようにやっているのにうまくいかないという声は多々あります。そのため、平均受講期間の倍は取得に時間がかかると思った方がよいでしょう。
たった60日でネイリストになれるってホント?
ネイルのスクール・通信講座の中には、最短1ヶ月で資格が取得できると謳っているところもあります。しかし、その場合の多くはネイリスト技能検定・3級レベルのスキルだと思っておいた方がよいでしょう。3級は、あくまで基礎レベルで、就職時や現場で有利になるのは2級から。プロと呼ばれるネイリストを目指す場合は、やはり2級以上の資格取得が必要です。一般的には、3級は3ヶ月、2級は半年、1級は1年といわれています。3級といえども、60日で資格を取得するのは、勉強時間をかなり確保する必要があるでしょう。
ネイリストの就職先
最近では、個別店だけでなく、美容院に併設されているところや、ホテル内にあるネイルサロン、結婚式場など、働く場が増えてきました。NPO法人日本ネイリスト協会が発行する『ネイル白書2016-17』によると、ネイル産業は年々拡大しており、店舗数は増加しています。それに伴って、働き口は今後も増えていくといえるでしょう。
正社員(ネイリスト)
給料は月給18万円ほどで、大手サロンであれば月給25万円といわれています。役職や歩合制度によって、さらに上乗せされることも。
正社員の場合は、資格を持っている、サロン経験者であることが採用されやすい基準となり、ある程度の技術・知識が必要になります。
また、正社員になるとさらなるキャリアアップのために、会社の研修制度に参加できたり、人材育成に携わったりすることも。
レセプション
受付、予約・電話対応などがメインの業務です。レセプション専門で求人を募集しているケースは少なく、基本的にはネイリストが兼務します。
アルバイト・パートでの求人が多く、時給は1,000円程度。空いた時間に働きたい主婦からの応募がくる傾向があります。
アルバイト
時給は900~1,500ほどで、サロンによって業務内容は異なりますが、雑用やアシスタントとして働くことが多いようです。資格や高いスキルを持っている場合には、お客様に施術を行うこともあります。
アルバイトで働く人の中には、主婦や副業で働く人、サロンを掛け持ちする人などがいます。アルバイトであっても、店舗で技術を買われれば、正社員登用されたケースも。
未経験でも働ける?
現在では、競合サロンも増えていることから、人手不足の店舗も多いようす。そのため、未経験者も歓迎しているところはたくさんあります。しかし、一人前のネイリストになるには資格やスキルアップは必須のため、働きながら勉強は欠かせません。
未経験者の多くは、アルバイトからスタート。アシスタントや雑務を行いながら、現場に慣れることが必要です。
「未経験」の定義として、サロンでは「実務が未経験のネイルスクール卒業生や、ネイリスト検定2級以上の取得者」を指していることがあります。知識・技術ゼロでは、採用が難しいのが現状です。
変わるネイリストの働き方
多店舗を展開する大手ネイルサロンが増えると、福利厚生に着目されるようになりました。現在では、長く働けるように社会保険完備、産休・育休制度あり、お休みをきちんと取れるサロンも。家族の時間を大切にしてもらいたいなどの理由から、日曜を定休日として設定するところもあります。
とはいえ、まだまだ福利厚生が整っていないサロンもあるため、自分の働き方を考えた上で求人をチェックするようにしましょう。
取得しておくべきネイリストの資格
ネイリストに必須資格はありませんが、もっておくと就職に有利といわれている2大検定を紹介。それが、「JNECネイル検定」「JNAジェル検定」。ネイリストには、必須で持つべき資格はありません。しかし、ネイリストは就職の際にこの二つのどちらかの資格を持っているとスキルを証明しやすく、採用に有利だといわれています。
その他のネイリストに関する検定/資格
- ネイルサロン衛生管理士
- ジェルネイル技能検定試験
- 認定ネイルサロン技術管理者
JNAが制定した「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」の知識を習得した方に付与される資格です。2017年7月現在の資格取得者は、63,658名です。
サロンにおける、設備や器具、衛生管理ができており、安心・安全なサービスを提供していることの証明になります。
初級・中級・上級レベルが3段階あり、ジェルネイルを施術するために必要な技術の習得を目指します。検定料金は、9,720円~16,200円。初級の合格率は70%ほどで、実技試験ではピーコックの施術が課されます。
技術管理者の実務、材料学についての知識習得した人に付与される資格。実技試験などはなく、JNAが主催する講習会に参加するだけでOK。しかし、受講するためには「20歳以上」「ネイル技術に関する実務経験を3年以上」「ネイリスト技能検定試験・1級を取得済み」「JNAジェルネイル技能検定試験・初級を取得済み」「JNAネイルサロン衛生管理士を取得済み」といった条件があります。
【最新!ネイリスト事情】福祉ネイリストってなに?
少子高齢化に伴い、現在需要が高まっているのが「福祉ネイリスト」。
「福祉ネイリスト」は、ネイルサービスを通じて、高齢者や障がい者に元気を与えることが目的です。月に数回、老人ホームや介護施設に行き、施術を行います。施設スタッフ、高齢者の方からは「利用者に元気が出た」「ネイリストとの会話が楽しみで、またやってほしい」という声があがっており、ネイルサービスは療法のひとつとなっているようです。
その需要の高まりを受けて、2014年一般社団法人シニアチャレンジッドメンタルビューティー協会(SMBA)が誕生し、福祉ネイリストを本格的に育成するカリキュラムや認定制度が整えられました。福祉ネイリスト認定制度は、7日間の講習で取得することができます。講習の中には、施術におけるスキルだけではなく、福祉と介護の知識取得や、老人ホームなどへの実施研修も。この研修があるからこそ、より福祉ネイリストになりたい!という想いが強まるのだとか。
今後、活躍の場が増える福祉ネイリスト。あなたも、ぜひ目指してみませんか?