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更新:2019.04.08

作成:2017.02.10

ネイリスト

「一部歩合制」と「完全歩合制」の違いって? ネイリストなら知っておきたい歩合制の仕組みについて


 

ネイリストとしてサロンで働く場合、毎月決まったお給料が支払われる固定給のサロンのほかに、「歩合制」または「完全歩合制」と表記されているサロンもあります。歩合制は固定給とは違った稼ぎ方になりますので、働くときには注意が必要です。

 

では歩合制とは一体どういった制度なのでしょうか? 今回はネイリストなら知っておきたい歩合制サロンのお給料の仕組みや、相場について見ていきましょう。歩合制サロンを経営する際のメリットもご紹介しているので、就職活動中のネイリストの方だけでなく、独立してサロン開業を考えている方も是非参考にしてみてくださいね。

ネイリストにとっての歩合制

歩合制というのは簡単に言うと、自分が働いた分だけお給料がもらえるシステムです。働いた分だけというのは、売上や担当したお客様の人数、また指名制のあるサロンであれば指名料の一部が、お給料に反映されます。

「一部歩合制」とある場合は毎月の基本給にそうした給料が上乗せされるシステムで、「完全歩合制」のサロンでは基本給はなく、給料はすべて自分の実績から算出されることになります。

 

かつては完全歩合制のネイルサロンが多かったのですが、最近では安定した給与を求める人が増えたためか、固定給のサロンが大多数を占めています。現在では都心部はどこも固定給で、歩合制を採用しているのは個人サロンや地方に展開するサロンに多く見られます。

それでも「一部歩合制」としているサロンはまだ都心にもありますので、ネイリストとして働けるサロンをお探しの方は覚えておいて損はありません。

 

色々な種類があるネイリストの歩合制

多くのネイルサロンで取り入れられている「歩合制」ですが、その種類は一つではありません。実際にネイルサロンの求人を見てみると、「指名歩合」や「個人売上歩合」、「店販歩合」といった形で歩合給が分けて記載されています。

指名歩合

まず「指名歩合」とは、お客様から指名された数によって収入が左右される仕組みのこと。またサロン全体の売上でなく、スタッフ個人の売上額が収入に反映されるのが「個人売上歩合」になります。

ただし「歩合をつける範囲」はネイルサロンによって違っています。そもそもネイルサロンに来るお客様は「新規」と「リピーター」の2種類に分けられます。この内「新規」のお客様はスタッフの努力ではなく、サロン自体の集客力によって来店したものと考えて歩合の範囲から除外するネイルサロンもあるんですね。

店販歩合

また「店販歩合」はネイルの施術ではなく、店頭で販売している商品の売上に関わる歩合制。ネイルサロンでは爪のお手入れに使えるキューティクルオイルや保湿用クリームなど、様々な商品が販売されています。商品の売上もお店の収益を支える大切な要素の一つなので、多くのサロンでは歩合制を設けて売上アップを狙っています。「店販歩合」のあるサロンでは、商品の売上から一定の割合がスタッフに還元されるようになっています。

 

とはいえ、商品の強引な売り込みが苦手だというお客様も多くいます。売り込みが原因でリピーターを失ってしまったら元も子もないので、お客様に嫌がられない方法を考えたほうが良いでしょう。

具体的なやり方としては、施術中にその商品を使用する時にさりげなく店内でも販売しているとアピールするのがおススメ。また目立つ場所にポップを設置して、お客様が自分から興味を持ってくれるように働きかけるのも有効でしょう。

 

ちなみに商品を魅力的に感じさせるには、効果や効能を客観的に説明するのではなく、お客様にとってどんなメリットがあるのか伝えることが重要だと言われています。効果的な売り込みテクニックを身につけて、収入アップを目指してみてはいかがでしょうか。

 

歩合制で得られる収入はどれくらい?

それでは歩合制のサロンの場合、具体的にどのような仕組みでお給料が支払われるのでしょうか。サロンによって制度に違いはありますが、ネイリスト個人の売上から数パーセントを給料として支払う、というのが基本的な仕組みとなります。

ネイルのデザインや種類によって施術の金額も変わってきますので、高度な技術を持ち、人気のデザインでお客様のニーズをキャッチできるネイリストがより多く稼げるという仕組みなんですね。

 

サロンによっては売り上げではなく担当したお客様の人数によって給与がアップしたり、売上を人数で割って平均を出し、そこから何パーセントか支払う、といったシステムのところもあります。支払われる割合を歩合率というのですが、この歩合率はサロンごとに違い、20%前後から50%前後までと大きく差があるんですよ。

 

「完全歩合制」としているサロンの場合、全く売上がないと給料も入ってこないということになってしまうのですが、それでは法律に反してしまいます。法律を順守しているサロンであれば歩合制であっても最低賃金以上の固定給は支払われるので、安心して働くことができるでしょう。

 

歩合制サロンのメリットとは

給料を歩合制としているサロンでは、同じ店であってもネイリスト同士がライバルとなります。そのためお互いに競争心が生まれ、より良い技術を身につけようというモチベーションに繋がり、結果としてサロン全体の技術レベルも上がって、サロンにとってもネイリストにとってもいい環境が生まれます。さらに、集客が思わしくなかった時でも収入以上の給料を支払う必要がないため、赤字の心配も必要ありません。

 

働く側のメリットとしては、やはり頑張った分が直接収入につながるという点が大きいですね。ここでネイリストに求められるのはネイルの技術だけでなく、次も指名してもらうため、心地いいサロンだと思ってもらうための接客スキルも必要です。どんなに技術を磨いてもオーナーや上司に認められなければ昇級できないというシステムより、自分の技術を自分で売り込み、指名やリピートしてもらうための努力が即収入につながる歩合制に魅力を感じる人も多くいます。

 

歩合制ならスキルさえあれば、働き始めて期間が短くてもサロン内でトップネイリストになれる可能性が大いにありますね。

ネイリストにとってデメリットも? 歩合制を採用しないサロンについて

給与を歩合制にするメリットの一つは、スタッフたちが自分の業績を上げるために努力するという点にあります。ですがネイルサロンの中には、デメリットがあると捉えて歩合制を採用していないところも。

 

たとえばよくデメリットとして指摘されているのは、スタッフ一人ひとりが自分の業績アップを図ろうとするため職場の和が乱されるという点。そこで店長の給与にだけ歩合制を適用し、個人ではなくお店全体の売上によって収入がアップする仕組みを設けているネイルサロンも多く見られます。

働いていく上で最も重要な要素の一つである「給与面」。実際に歩合制で働いている先輩スタッフの話を聞いたりして、自分に合った働き方なのかどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。

画像出典:WorldSkills UK / Harriet Gibson(from Flickr, CC BY 2.0)matchfitskills / Nails & Beauty 2013(from Flickr, CC BY 2.0)WorldSkills UK / Nail Art(from Flickr, CC BY 2.0)

Author:美プロ編集部

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