人の指先を美しく彩るネイルの専門家・ネイリストといえば、今や女性にとってはお馴染みの職業ですよね。その仕事内容はジェルネイルやポリッシュなどを用いてネイルアートを施したり、爪をケアしたりと奥が深いもの。ここではネイリストになる方法や必要な資格、求人情報などへのリンクをまとめています。
ネイリストになるには
専門的な技術が必要なネイリストですが、国家資格はとくに必要ありません。ただし、ネイルスクールを卒業していることや、民間団体が認定している各種資格を持っていることといった採用条件を設けているネイルサロンは多いようです。なお、ネイルの技術を学べる場所はネイルスクール以外にも、美容学校のネイリストコースや通信講座など様々。また学校を卒業しても、いきなり正社員として登用してもらうのは難しいので、まずは非正規雇用からスタートする形になります。ですがネイリストとして経験を積んでいき、国内外で行われるネイルコンテストで入賞したりすればトップネイリストとして有名になることも夢ではありません。
協会
ネイリストなら誰もが知っている団体といえば「NPO法人日本ネイリスト協会」。そもそも「ネイリスト」という言葉自体、1985年の日本ネイリスト協会の発足とともに生み出された和製英語だと言われています。同団体はネイリストの資格を発行したり、ネイルサロンやネイルスクールを評価する「認定システム」を作ったりして、ネイル業界の振興を図っています。そしてネイリスト向けの資格以外では、「ネイルサロン衛生管理士」や「JNA認定ネイルサロン技術管理者」といった経営者向けの資格も発行しています。
費用
ネイリストになるために、一般的な方法として挙げられたネイルスクール・専門学校では年間100万円以上かかると言われています。通信制のネイルコース、民間のスクールなど多くの選択肢がありますが、学校の種類や内容によって価格は変わってきます。月に1万円ほどの単発講座のコースもあります。しかし、実際に現場で採用されようと思うと、通学性の学校の卒業や民間団体が認定しているネイルサロンで学ぶことが必要です。そのため、安易に価格のみで、どこで講座を受けるかを決めないようにしましょう。実際に求人サイトを見てみて、採用されるためにはどんな条件が必要になってくるかをきちんと調べておきます。その条件をクリアできる学校や講座を選ぶことが大切です。
また、入学費や授業料とは別に教科書代や道具費も必要になります。自分で自宅練習しようとすると、材料や機械もそろえなければいけません。そして、いざネイルサロンに就職しても、最初はアシスタントとして勤務することが多く、この間の給料は生活するのがやっとなケースも。ネイリストとしてデビューしてから、お客様が定着するまでに生活する費用も貯金しておく必要があります。サロンによっては道具の貸し出しや、スキルアップのための講座受講費用負担をしてくれるところもあるようですよ。
検定
ネイリストになるには資格は必須ではない…とはいえ、実際にはほとんどのネイリスト志望者が受験する検定試験があります。それが日本ネイリスト検定試験センターが実施する「ネイリスト技能検定試験」です。資格取得者が40万人を超えると言われるこの検定試験は、国際的に通用するネイリストの育成を目的として年に4回、全国の会場で行われています。試験は難易度に応じて1~3級まで分かれていて、ネイリストとしての基本的な技術を問う3級、合格すればネイルサロンで通用すると認められる2級、トップレベルのネイリストであることの証明になる1級というように区別されています。
ネイリストに学歴は必要?
ネイリストになるためには、学歴は大きく関係しません。高学歴だということが必ずしも、ネイリストの世界で役に立つものではないのです。ネイリストの仕事で大切なことは、接客と技術。学力が高くても、ネイリストとしての技量がなければ、プロとして活躍はしていけません、
しかし、すでに持ち合わせている学歴は、プラスアルファーで自分のアピールポイントとなります。他方面への知識や教養、学歴は世間的にステータスにもなりますし、就職時の自己PRにも役立つことでしょう。そして、常識やマナーなど最低限の社会人としてのスキルも必要となってきます。こういった理由も含め、一部のネイルサロンでは高卒が採用条件に含まれる場合もあります。そのため、通信制や夜間を問わず高校を卒業しておいたほうが、就職先の選択しの幅は広がります。
資格
ネイリストの資格として最も有名なのは「ネイリスト技能検定試験」ですが、そのほかにも様々な資格があります。たとえばインターナショナルネイルアソシエーション(I-NAIL-A)の認定する「ネイルスペシャリスト」や「ジェルネイルスペシャリスト」はよく知られていて、ネイリストとしてステップアップするために利用する人が多くいます。「ネイルスペシャリスト」ではネイル全般の知識と技術を問う試験が行われ、そのランクはA級・SA級・PA/AA/AAA級の5つに分かれています。最高難易度であるAAA級の合格率は1割ほどと言われ、非常に狭い門なので、取得すればたしかな技術を持っていることを証明できるでしょう。また、「ジェルネイルスペシャリスト」は文字通り、最近流行りのジェルネイルを扱うのに特化した資格。こちらも3級から1級までレベルが分かれていて、学科試験と実技試験によって合否が問われます。
独学でネイリストになるには
実際にスクールに行く時間がなかったり、スキルアップのために独学でネイルリストを目指すというケースも見受けられます。ネイリストには必須取得資格がないため、独学でもネイリストを名乗ることは可能です。しかし、やはりスキルやそのスキルを証明してくれる資格が必要となってくるでしょう。実際、多くのサロンで日本ネイリスト協会が実施している、ネイル検定の2級以上のスキルを持っていることを採用条件としてあげています。そのため、ネイル検定2級以上の資格取得レベルがプロとして活動していけるスタート地点と考えてもよいでしょう。ネイル検定の2級は、筆記試験の内容や実技に関しても高度なスキルや知識が問われます。
独学でスキルを磨く方法のひとつは、無資格/未経験でも採用してもらえるネイルサロンに就職して技術を身に着けていくことです。先輩ネイリストの経験や技術を間近に見られ、相談や技術指導をしてもらえることは大きなメリットです。加えて、日本ネイリスト協会などの団体に所属して、交流会やスキルアップの講座、セミナーなどの情報を入手できるようにしておきましょう。市販の検定試験用テキストの活用や、ネイリスト向けのネット上の動画を視聴してもよいでしょう。
求人
ネイルは女性のオシャレとして今やすっかり定着していて、ネイル業界はいまだに活況を呈しています。ですが価格競争が盛んに行われ、ネイルサロン1店舗ごとの売上は下がっているとも言われているのが現状。アルバイトとしてネイルサロンに努めても、薄給なのですぐに辞めてしまう人もいるようです。とはいえ、ネイリストの働き方は一つではありません。ネイルサロンで出世していく働き方以外にも、自宅を使って低コストで独立開業する「ホームサロン」や、イベントに派遣される形で働く「出張ネイリスト」といった形態もあります。ネイリストとしてのスキルが高ければ高いほど、働き方の選択肢も多くなるので、まずは自分の技術を地道に磨いていくのがよいでしょう。
主婦でもネイリストを続けられる?
結婚したり、子どもができたりと女性には人生の転換期がいくつかあります。そういったときにネイリストを続けられるのか心配になるでしょう。しかし、現在ネイリストは多くのサロンで必要とされており、パートタイムや短時間のアルバイトなど、常駐ではない働き方の求人もたくさんあります。実際に、ママスタッフが活躍していることを謳っているサロンもあり、主婦になってもネイリストとして働き続けられるといえるでしょう。しかし、正社員のままでネイリストを続けたいという場合は、勤める会社と産休や育休について話し合ってみましょう。
そして、子どもがいる主婦ネイリストの場合は、預け先が必要になってきます。保育園にお迎えに行く時間に合わせてシフトを組んだり、1日3時間~といった短時間勤務ができるサロンを探すことがおすすめ。その場合は、アルバイトとして働く、主婦ネイリストが多いようです。
給与
街中でネイルサロンを見かける機会も多くなってきて、ネイリストという仕事もすっかり定着しました。ですがネイリストの給与・年収についてはあまり知られていませんよね。その初任給は18万円ほどという店舗が多く、平均年収は300万円ほどと言われています。ですがほとんどのネイルサロンが歩合制を取り入れているので、スキルアップに応じて収入が上がっていくようです。ただし、ネイリストは40代になるとキャリアアップして経営者や管理職になることが多いため、平均年収のピークは30代でそれ以降は下がっていくとのこと。給与には地方差も大きいので、どこでどのように働くかきちんと考えてから就職先を見つけたほうがよさそうです。
通信講座
ネイリストになるための勉強をどこでするかというのは、難しい問題ですよね。学費やカリキュラム修了までにかかる時間など、様々な要素を考慮して決める必要があります。一般的な進路としては、美容学校のネイリストコースやネイリスト志望者向けのスクールに通うというものがありますが、そのほか人気を集めているのが「通信講座」。費用が安く済む上、時間の融通も利くためお手軽にネイリストの資格取得を目指せるというメリットがあります。とはいえその一方、ネイルの技術を実地で学びにくいというデメリットがあるのも否めません。ですが中にはスクーリングによって、プロの講師に直接質問できるような講座も開かれているので、内容をしっかりと確認してから申し込みましょう。
ブログ
ネイルアートには様々な種類があり、どんなデザインにするかはセンスが試されるもの。そこで参考になるのが、ネイルの写真を載せているブログです。最近では様々な有名ネイルブログがあり、写真付きで個性的なデザインやネイル方法について紹介されています。セルフネイルをするときにはもちろん、プロのネイリストとしてアイデアを膨らませたいときにも重宝するはず。また、ネイリスト志望者なら誰もが挑戦する「ネイリスト検定」の受験記録を記している人もいます。どんな練習をして、結果がどうだったのかということが分かれば自分が検定試験の対策をする際にもきっと役に立つはずですよ。
有名ネイルアーティスト
ネイリストの中でも高いスキルを持っていて、芸能人のネイルを担当するなど華々しい活躍をしているのがいわゆる「ネイルアーティスト」。独創的なデザインや高い技術によって、ネイリストたちからも憧れの視線を集めています。たとえばHana4は国内外で活躍し、メディアでも度々取り上げられている人気ネイルアーティストの一人。その特徴は精密なドット柄のデザインだと言われていて、Instagramでは彼女のネイルデザインの数々を見ることができます。「ネイリストとして成功したい!」と考えるなら、今をときめく有名ネイルアーティストたちの動向をチェックしてみてはいかがでしょうか。