ネイリストが独立するときの選択肢の一つに“自宅開業”があります。実際に自宅の一角を改装してネイルサロンを開いている人も多いですよね。しかし、いざ自宅で開業したいと思ったとき何から手をつけていいのかわからないなんてことも。
そこで今回は、自宅でネイルサロンを開く“自宅開業”にスポットを当てて紹介していきたいと思います。簡単にできるかも…と思っていてもやらなければならないことは意外とたくさん。きちんと情報を収集して、自宅サロンに挑戦してみましょう。
自宅で開業するのでローコスト!
ローコストで開業できるということが自宅でサロンを開く大きな理由の一つです。元々住んでいる場所なので新たにお金がかかることはありません。必要な設備や用具を揃えて、お客様が来たときにリラックスしてネイルを受けてもらえるような空間作りができればサロンを開業することができます。
店舗として開業するより格段に費用は安く、平均50万円くらい、安い人だと10万円以内でサロンを開業した人も。空間作りもお金をかけすぎず、お客様にリラックスしてもらえるような内装作りを目指して、プチリフォームくらいの気持ちで自宅サロン作りができたらいいですよね。
ただ、この時に気をつけることが一つ。自宅サロンとはいえ開業するので、税務署に「開業届」を提出する必要があります。税務署に申請しておくことによって税金の控除額が大きくなるというようなメリットがあるので、特に初めて開業するという人は忘れずに税務署への申請をおこないましょう。
自宅開業に必要なもの
自宅開業に必要な準備、といわれてもネイル道具一式以外に何が必要なのか分からない! という人に向けて、自宅開業に必要なものを紹介していきたいと思います。
ネイル道具一式
これはもちろん必要ですよね。ネイルサロンを開く場合だったら、マニキュアと筆などがあればできるポリッシュネイル、専門器具が必要になるジェルネイルやスカルプネイルなどで準備する道具が変わります。自分がどのネイルの技術を使い、サロンを開くのか事前にきちんと決めて準備をしていきましょう。
お客様にくつろいでもらうための準備
お客様が施術を受けている間、リラックスしてもらえるような施術用のデスクやイスも必要です。フットコースを取り入れる場合はリクライニングチェアがあるとお客様もリラックスできますし、施術もしやすくなりますよ。
また、直接施術に関係なくても、音楽を流すステレオや、暇をつぶしやすい雑誌なども用意しておくなど、細かなところにも気配りをするとさらによし。自分なりにアレンジしてみてください。
いいこと尽くし!自宅で開業するメリット
自由が利きやすい
何よりの利点はこれ。通勤時間もありませんし、自宅なのでお客様が来ない空き時間に家事や用事を済ませることができます。また、スケジュールも自分で管理できるので、例えば子供の参観日のような用事が入ってしまっている日などはお休みにすることも。時間を効率的に使えるので、主婦の方が副業として始めるケースも多いです。
リスクが低い
元々の資金が低コストで済むので、もしうまくいかなかった時や資金に困ったときにリスクを最小限に抑えることが可能になります。
リラックスして施術ができる
やはり、自分の慣れ親しんだ場所で施術ができるということで、肩の力が入らずリラックスした状態で施術することが可能。スタッフを雇う場合も少人数になるので、気の合ったメンバーと楽しく仕事できます。
自宅だからこそのデメリット
メリットの多い自宅経営ですが、自宅だからこそのデメリットも存在します。以下を踏まえて、自宅で開業した方がいいのか、店舗型にするのがいいのか決めてみてくださいね。
防犯面での不安
自宅をサロンにするということは、知らない人を家に招き入れることになります。また、住所や連絡先を明らかにすることで、不特定多数の人が知ることになります。お客様を集めるためには、世の中に住所・連絡先を拡散するぐらいの気持ちが必要ですが、不特定多数の人に知られたくない場合は、連絡先の記載をメールだけにしたり、会員制のように人づてにしかお客様を取らないようにするなど工夫を凝らしていきましょう。
集客がしにくい
防犯上の都合でお客様同士の紹介のみで集客し、会員制のサロンとすると広告を出しているサロンに比べて集客に難しさを感じることでしょう。また、自宅でのサロンは場所も分かりずらく、入りにくいと感じる人もいるでしょう。自宅を使った個人サロンは集客をしていく上で特に工夫が必要になるでしょう。
自宅サロンで集客するには?
自宅開業したネイリストが抱える最大の悩みは、なんといっても“集客”。店舗型のサロンと違って人の目につきにくい住宅地に店をかまえることも多いので、新規のお客様を取り込むのは一苦労です。
実際に自宅型のネイルサロンを経営しているネイリストの方は、みなさん様々な工夫をしている模様。中でも“初回割引”を実施しているサロンが多く、初めて来店したお客様に低価格でサービスを提供することで新規の顧客を狙っています。
また、最近ではブログやSNSなどを利用した集客も主流に。ネイルサロンの紹介サイトに広告を掲載するとその分、費用がかかってしまいますが、SNSは無料で利用できるので広告費の節約が可能です。
例えばInstagramで集客を狙う場合は、まず人に見てもらうことが重要。当然ネイルアートの画像を投稿するのですが、ユーザーの目を引くために若干派手目な作品をアップしても良いかもしれません。ハッシュタグを上手に使うこともポイントで、「#自宅ネイルサロン」「#ネイル」「#ジェルネイル」「#フットネイル」といったタグと共に投稿すると検索に引っ掛かりやすくなります。季節によっては「#冬ネイル」や「#夏ネイル」などといった、トレンドのキーワードを添えても良いですね。
その他、お客様の紹介による口コミでの集客も地域密着型のホームネイルサロンにとってはかなり効果的。ご近所の間で口コミが広がれば、それだけでも十分な集客が期待できます。紹介の輪を広げるために利用したいのが“紹介カード”。お客様がお店を他の人に紹介するためのカードで、渡した側と貰った側の両方が割引になるようなサービスも実施しましょう。
自宅ネイリストの収入
比較的簡単にローリスクで開業できる自宅型のネイルサロンですが、その収入はまちまちのようです。自宅ネイリストの収入は、誰も人を雇わずに個人で営業した場合、売り上げから諸経費を引いた額がそのまま給与に。支出は主に施術に使う用具費で、月に平均2~3万円ほどかかると言われています。
そのため自宅ネイリストの収入を決めるのは、主に客単価と施術を行った回数。自宅ネイリストの中にはほぼ毎日施術を行い、月に30万円の売り上げとなることも。
また、副収入を得るために自宅サロンを運営している人や、1日に1人~2人の施術を週に3回ほどのペースで行い、月に約15万円の金額を稼いでいる人もいます。働き方や収入に多様性があるのも、自宅型ネイルサロンの強みなのかもしれませんね。
不安な人はホームサロン開業を支援してくれるスクールに参加してみよう
ネイリスト向けのスクールや講座の中には開業のためのノウハウを教えてくれるところも。初めての開業、自分ひとりだけでは不安…という人はぜひ参加してみてはいかがですか。ネイルの技術だけではなく、お店としての経営の仕方や、ホームページ作り、名刺の作成などを行ってくれるところもあります。
開業してからも、相談に乗ってくれるところが多いので、いざというときに1人で悩まずに助言を求めることもできますよ。
店舗オープンを目標としながら、コストとリスクを抑えるためにまずは自宅開業するという道もあります。趣味の延長として自宅開業する人も多いようですが、開業したら一つのお店です。目標と計画がなければ長く続けていくことはできないので、開業する前に自分の最終目標をしっかりと確認しておきましょう。