ネイリストとしてキャリアアップをするため、認定講師にチャレンジしようと考えている人もいるのではないでしょうか。ネイリストとしての経験を積んで知識や技術が備わってくれば、認定講師となる夢にも近づくはずです。今回は、ネイリストの認定講師としてのお仕事やメリット、そもそもどうしたらなれるのかという疑問にお答えしていきます。
INDEX
■JNAネイリスト認定講師とは?
■認定講師が得られるメリット
■JNA認定講師資格試験に必要な資格や条件
■JNA認定講師資格試験ではどんな事をするの?
JNAネイリスト認定講師とは?
ネイリストの認定講師とは、日本ネイリスト協会の講師会のメンバーとなるために毎年実施される資格試験に合格する事で得られる資格です。日本ネイリスト協会をJNAと呼ぶ事から、「JNA認定講師」と言われています。
JNAネイリスト認定講師となる事で高い技術を持つ事の証となり、ネイルの発展やイベントの実行委員、検定試験の試験官など多岐にわたって活躍していく事になります。JNAの活動に大きく関係していく事にもなるので、サロン業務だけでなく講師業やJNAでのお仕事もあるのですね。では、JNAでのお仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。
JNA認定講師としての仕事内容
- 認定講師勉強会に出席
- ネイリスト技能検定試験の試験官
- ジェルネイル技能検定試験の試験官
- 東京ネイルエキスポの主催(実行委員)
- 全日本ネイリスト選手権・地区大会の主催(実行委員)など
その他にも、ネイルフェスティバルやネイルクイーンなどのイベントもJNAが主催している為、実行委員として働く事もあるのです。これまで、ネイリスト技能検定試験を3級から順に受けていたものも、認定講師となれば「試験官」という立場で働く事になります。試験官は、技術だけでなく衛生面、受講するネイリストの適性までも見抜かなければなりません。大変な事もありますが、これらの責任ある仕事を成し遂げる事でやりがいも感じるようになるのではないでしょうか。
JNAネイリスト認定講師が得られるメリット
認定講師となる事で大変な事やつらい事もあるかもしれません。しかし、ネイリストとして嬉しい事やメリットと感じる事も沢山あるのです。キャリアアップともなる認定講師のメリットを一つずつ見ていきましょう!
任される仕事が増える
認定講師ともなればネイリスト業務で出来ない事はないと言っても過言ではありません。ネイルサロンに勤めているのであれば、これまではお客様に対してのネイル施術だけだったものが、新人への教育なども任されるようになるでしょう。
また、お客様の間でも「認定講師=高い技術を持っている」という認識をしている人は多いので、指名される事も増えるのではないでしょうか。認定講師がサロンに出ている時には、予約がいっぱいで取りづらいという事も珍しくありません。
講師としての実績を積むことが出来る
認定講師になると、ネイルスクールの開設や講義が出来るようになります。ネイルサロンの勤務をせずに、スクール講師のみへと転職する人も多いでしょう。
スクールでは、ネイル技術の基礎知識から試験対策まで幅広く講義していく事になります。それだけでなく、スクールに通う生徒のカルテを管理したり教材の発注や在庫管理をしたりと、講師としての経験や実績をバランス良く積み上げていけるのもメリットとなるでしょう。
お給料も増えてキャリアアップ出来る
認定講師がネイルサロンで働く事で、資格手当を受け取れる事もあるでしょう。ネイル講師として働く道もありますが、やはり現場に出てネイルの施術を続けたい!というネイリストもいます。
ネイルサロンとしても、「JNA認定講師がいるお店♪」などと広告を出せば集客に繋がるのではないでしょうか。ネイルサロンで働く上で、様々な業務を任されるのは確かなのでお給料アップとなる可能性が高いのです。
ネイリストとしての箔がつく
施術中のお客様との会話やネイリスト同士で、資格の話になる事もありますよね。そんな時にも、自信を持って「認定講師資格を持っている」という事を伝えても良いでしょう。資格は、その人の持つ技術を証明するものであるため、ネイリストとしての箔がつきますよ。
スクールで講義をする場合には、認定講師の資格を持っている事が採用にも繋がりますし、ネイルサロンで働くにしても、同僚やお客様から信頼を得る事が出来るでしょう。その分、認定講師としての自覚を持って対応にあたる事は必要となりそうですね。
JNA認定講師資格試験を受けるために必要な資格や条件
ネイリストの認定講師資格試験は、残念ながら誰でも受けられるというわけではありません。試験を受ける前に、受験資格をチェックしておくと良いでしょう。では、必ず持っていなければならない資格とその他の条件をご紹介します。簡単ではありませんが、全てを持って認定講師資格試験に挑んでくださいね!
【必須資格】ネイリスト技能検定試験1級
ネイリスト資格の代表格と言えるネイリスト技能検定試験。3級から受験をスタートし、合格する事で2級、1級と進む事が出来る検定です。その中でも一番レベルの高い1級を取得する必要があるのです。
ネイリスト技能検定試験の1級は、年に2回春と秋に実施されます。1級に合格できれば、ネイリストとしてトップレベルの実力を持っているとも言えますよ。
関連記事:JNA「ネイリスト技能検定試験」に迫る!
【必須資格】ネイルサロン衛生管理士
ネイルサロン衛生管理士の資格を持っていなければなりません。この資格は、ネイル技術というより安心・安全にサービスを提供しお客様の健康面や衛生面でトラブルを起こしてしまわないようにするのを目的としています。
また、将来的にサロンを独立・開業を考えている人は取得しておくと良いでしょう。JNAの認定ネイルサロンにも、このネイルサロン衛生管理士が在籍していなければなりません。全国で行われている講習会に参加し、筆記テストに合格する事で取得できますよ。受験資格も18歳以上であればネイルサロンでの経験は問われません。
【必須資格】ジェルネイル技能検定試験上級
ジェルネイル技能検定試験は、プロのネイリストとしてお客様にジェルネイルを施術するために必要な技術と理論の修得を問うものです。
認定講師になるには、総合的な知識や技能が必要となるのでジェルネイル技能検定の中でも最高レベルの上級を合格しなければならないのです。ネイリスト技能検定試験と同様、初級からスタートし中級まで合格した人が上級を受験する事ができます。
【必須資格】JNAフットケア理論検定試験
JNAフットケア理論検定試験の資格を持っていなければなりません。この資格は、プロのネイリストがサロンワークでフットケアを行う上で必要な理論を問うものです。実技試験はなく、120分の講習会に参加して筆記試験を受験します。
事前に指定されている教材を購入し、試験の当日も講習会の教材として使用するため持参します。試験の出題範囲もそのテキストブック内と決められており、比較的勉強もしやすいのではないでしょうか。フットネイルをするお客様も訪れるので、持っておきたい資格ではありますよね。
【必須条件】その他の受験資格
- JNAの認定校を卒業し、JNAの個人正会員である事
- 受験日に満20歳以上である事
- プロのネイリストとしての実務経験がある事
- 勉強会と授与式に必ず出席できる事
- 日本語によるコミュニケーション能力がある事
- JNA発展のために尽力できる事
- 過去3年にJNA主催の全日本ネイリスト選手権「プロフェッショナル部門」の種目に出場している事(地区大会およびオンライン大会も可)
JNA認定講師資格試験を受けるには、上記の条件も全て満たしていなければなりません。ネイリストとしての経験が問われる条件になっており、JNAの認定校を卒業していなければならないのですね。また、コンテストへの出場経験やサロンでの実務経験が必要になるなど、認定講師資格試験はプロのネイリストとして高い技術を持った人が挑戦できる資格と言えるのではないでしょうか。
関連記事:ネイリストの資格取得方法を徹底解説!
JNA認定講師資格試験ではどんな事をするの?
JNA認定講師資格試験の受験資格を満たしている事を自身で確認したら、次は実際にどんな事が試験で行われるのかを見ていきましょう。2020年度の試験の様子をもとにお伝えしていきます。試験は2日間に渡って開催され、1次試験と2次試験に分けられていますよ。
【1次試験】実技試験(前半)
1次試験では実技試験のみを行います。前半の実技試験では、テーブルセッティングや消毒管理、モデルの爪をチェックします。それが終われば両手10本のネイルケアを行い、片手5本のカラーリングへと進んでいきます。ネイルケアとカラーリングの間にあるインターバルも1分しか設けられていないので、定められた時間の中でいかにゆとりを作って次の工程に備えられるかではないでしょうか。
【1次試験】実技試験(後半)
前半の実技試験が終われば、後半の実技試験の準備時間で15分設けられています。後半の実技試験ではネイルイクステンションを行います。モデルの左手にフレンチスタイルのスカルプチュアネイル、デザインスカルプチュア、フレンチスタイルのチップ&オーバーレイを定められた指に施します。
【2次試験】実技試験
2次試験では実技試験と筆記試験、面接試験を行います。実技試験では、トレーニングハンドを使ってネイルイクステンションを行います。人差指と中指、薬指の3本に課題となるネイルを施し、人の手と同じように丁寧に扱うようにします。オーバーレイで使用するパウダーはクリアかクリアピンクと定められているように、使用する材料にも指定があるので注意が必要です。
【2次試験】筆記試験
筆記試験では、協会案内であるJNA GUIDE BOOKを中心に出題されるので委員会の名前や組織表などを覚えておくと良いでしょう。また、活動内容や講師委員会の会長、副会長の名前なども忘れずに漢字で覚えておくようにします。活動内容に関しても、ネイルイベントなどは正式名称で書けるようにしておきましょう。
【2次試験】面接試験
面接試験は、受験番号によってグループ分けされるグループ面接です。面接が終わり次第、個別解散となりますが、試験会場では最後まで気を抜かずに振る舞いましょう。面接では、相手にきちんと聞こえる声で話す事を意識します。自分の番でない時も、背筋を伸ばしておくと良いですよ。JNA認定講師として相応しい人かどうか確認される場でもあります。ここまで積み重ねた努力を無駄にしないようにしていきましょう。