毎日たくさんのお客様の爪を美しくする、ネイリストの仕事。施術で使うアルコールや除光液によって、季節を問わず手荒れに悩まされている人もいるでしょう。肌の油分が多い若い頃には気にならなくても、年齢を重ねると共に肌の水分も少しずつ失われていって、手荒れの悩みは多くなるものです。
今回の記事では、手荒れを解消するためにネイリストが自宅で行いたいセルフハンドケアと、サロンでお客様にしてあげたいハンドケアをご紹介!自分の手を優しくいたわって、無理なく長く、ネイリストの仕事を続けてくださいね!
INDEX
■ネイリストのためのセルフハンドケア
-洗い物は必ず手袋着用で
-就寝時は保湿用の手袋を着用
-お風呂でスクラブマッサージ
-お風呂あがりは化粧水+ハンドクリーム
-自作のハンドパックで集中ケア
■お客様のためにしてあげたいハンドケア
-パラフィンパックで肌に潤いを
-ハンドバスで手の疲れを癒す
-仕上げにはマッサージ
■ネイリストの手荒れの原因は?
自宅でできる!ネイリストのためのセルフハンドケア
どれだけ仕事で疲れていても、最低限のケアはしてからベッドに入りたいですね。まずは、自宅でも簡単にできるハンドケアをいくつか紹介するので、できるものからぜひ実践してみてください。
■洗い物は必ず手袋着用で
毎日の皿洗いや手洗いの洗濯など、洗い物をする時には必ず手袋を着用しましょう。水洗いだけなら肌への負担はほとんどありませんが、食器洗い洗剤や洗濯洗剤を使って素手で洗い物をしてしまうと肌に大きな負担が掛かってしまいます。
というのも、洗剤には食器や衣類に付着した油汚れを落とすための「界面活性剤」という成分が多く含まれているため、肌の表面を保護してくれている油分も一緒に落としてしまうのです。「まだ大丈夫」と思っていても、年齢を重ねるうちにはだの水分や油分が少なくなってしまい、気づいたら手がボロボロに…。そんなことにならないうちに、今の内からしっかりゴム手袋やビニール手袋を着用して対策をしていきましょう。
特に、ネイリストの場合は仕事中にも消毒液や除光液によって手に大きな負担を与えています。できれば仕事中にも手袋を着用することが望ましいですが、それが難しい方はせめて自宅にいる時には手を優しくいたわってあげたいですね。
■就寝時は、保湿効果のある手袋をして寝る
外出時だけに着用するものと思われがちな手袋ですが、実は就寝時にも着用することでハンドケアをすることが出来るのです。もちろん、外出時と同じ手袋を着用することはNG。就寝時専用の手袋を購入して、手荒れ防止をしましょう。
素材としては、汗をかいてもむれにくい、通気性の良い「綿(コットン)」や「絹(シルク)」製のものを。肌触りも柔らかいので、チクチクすることもなく、すでに手荒れを起こしてしまっている皮膚でも優しくカバーしてくれます。
100円ショップで購入できるものもあるので、まずは安価なものを購入して、自分に合うかどうか試してみても良いですね。
タッチパネル対応の商品もネットで多く販売されているので、お風呂あがりの体があたたまっている状態からずっと着用することができますよ。着用するだけでケアできるため、「忙しくてハンドケアの時間が作れない!」という人にもぴったりの方法。
■お風呂の中でスクラブマッサージ
女性ならば使ったことも多いであろう、スクラブ。塩や砂糖といった細かい粒子を含んでおり、肌に乗せてなでることで古い角質除去ができたり、目に見えない皮脂や汚れを落としてくれたりする効果があります。
洗顔料としても人気の高いスクラブですが、もちろん手にも使用することができます。湯船に浸かって肌がやわらかくなっている状態で、優しくマッサージをしてみましょう。
スクラブ使用時の注意点
スクラブを使用する時に、注意すべきポイントがいくつかあります。これらを守った上で、適切なケアを行ってくださいね。
・まずは肌を清潔な状態にする
スクラブを行う前に、まずは肌の表面を清潔にしましょう。外から帰ってきてまずスクラブをする、ということはNG!肌の表面に付着した汚れを毛穴にすりこんでしまうと、逆に肌荒れを引き起こしてしまいますよ。
・ゴシゴシと力を入れてこすり過ぎない
角質をしっかり取り除こうとして、ゴシゴシと力を入れて肌をこすってしまうこともNG!細かい粒子を毛穴に強くこすりつけると、毛穴の炎症の原因になります。毛穴が広がると、黒ずみやくすみにもつながりかねません。強く力を入れず、くるくると優しくなでるようにマッサージしましょう。
・使用頻度は週に1度程度で
スクラブを使った直後は肌がつるつるになるので、つい嬉しくなって毎日使ってしまう人も。ですが、角質は本来肌の表面を守ってくれて、肌荒れをおさえてくれる存在。
あまり取り除きすぎてしまうと逆に肌トラブルの原因になってしまうのです。そのため、毎日の使用はNG!適切な頻度としては週に1~2度くらいを目安としましょう。
・スクラブ後はしっかりと保湿を
スクラブマッサージを行った後は、必ず保湿をしてください。スクラブ後は皮膚表面の角質が取り除かれ、無防備な状態。お風呂あがりに何もせずに放置すると、どんどん水分が失われてしまいますよ。
■お風呂あがりには化粧水+ハンドクリーム・オイル
湯船にゆっくり浸かり、体を温めて血流を良くすることは肌にとってとても良いことですが、涼しい場所に出ていくと一気にその水分が蒸発して消えてしまうのです。
潤いが失われないうちに、顔と同じようにまずはしっかり化粧水を浸透させて、その後はハンドクリームを塗りましょう。
ハンドクリームと同じくらいケア効果の高い、オイルを塗ってもOK!話題のアルガンオイルやホホバオイルなどは、保湿力があるのにべたつかず、しっとりとした肌に仕上げてくれますよ。オイルを塗る時は、手だけでなく爪の付け根にも優しく塗り込んであげましょう。
■集中ケアをしたい時は、自作のハンドパックを
フェイスパックと同じように、手にもパックをすることで潤いを保つことが出来るようになりますよ。毎日する必要はないので、週に1回程度、夜眠る前に行ってみましょう。以下で、簡単に手作りできるハンドパックの方法を説明します。
1、手の甲をすべて覆えるくらいの量のコットンを用意
※なければティッシュを2~3枚重ねてもOK!
2、コットンもしくはティッシュがひたひたになるまで、化粧水をしみ込ませる
※高い化粧水でなくとも、ドラッグストアで購入できるような大容量のものでOK!
3、2のコットンを指の先から手の甲まで乗せて手に密着させる
4、ビニール手袋を装着して、化粧水が垂れないようにヘアゴムで手首の部分を留める
5、両手とも完成したら、フェイスパックと同じように、15分程そのまま時間を置く
6、15分経過したらビニール手袋を外して、ハンドクリームを塗る
フェイスパックと違って、ハンドパックの場合はパックをしながらスマホをいじったり本を読んだりすることはできませんが、テレビを観たり音楽を聴きながら15分しっかりと時間をおきましょう。逆に手を乾燥させてしまうので、そのまま眠ってしまわないように注意!
化粧水には、肌に水分を与える効果はあるもののそれを閉じ込めておく効果はありません。そのため、パックを外してそのまま終わってしまうとせっかくの化粧水も無意味に…。仕上げには必ずハンドクリームを塗って水分を閉じ込めてあげてくださいね。
お客様のためにサロンでしてあげたい、ハンドケア
サロンに来てくれるお客様の手も、自分の手と同じように優しくいたわりましょう。日々の仕事や家事に疲れた女性たちのために、サロンメニューにハンドケアを導入してみても良いかもしれませんね。
■パラフィンパックで肌に潤いを
パラフィンとは、軟膏や化粧品の成分にも使用される、半透明のろう状の固体のこと。通常のろうそくのろうとは違って美容成分が含まれているため、高温で溶かしてパックとして使用することで肌に保湿効果をもたらしてくれるのです。
パラフィンパックを行うためには、まず以下のものを用意する必要があります。
・パラフィンバス
手を入れるための容器。ろうを温めるためのウォーマー機能がついています。5,000円程度で購入が可能。
・パラフィンワックス
溶かして使用するためのろう。1回使い切りタイプのものを1,000円程度で購入が可能
・タオル2枚
・ラップ
・ハンドクリームまたはオイル
続いて、パラフィンパックの方法をご説明します!パックをする前には手を清潔にしておく必要があるので、必ず手を洗ってから施術を開始するようにしましょう。
1、パラフィンバスの中にパラフィンワックス(ろう)を入れ、50℃程度の温度で溶かす
2、ゆっくり手をいれ、同じようにゆっくり手を出す
※5秒かけて手を入れて、また5秒かけて手を出すようなイメージで
3、2をもう一度繰り返す
4、手の周りにパラフィンの膜が出来ていることが確認できたら、ラップを巻く
5、ラップの上からタオルでくるむ
6、その状態のまま10分程度放置する
7、タオルとラップをゆっくり外し、手についているパラフィンを剥がす
8、ハンドクリームかオイルを塗って軽くマッサージをして終了
ここまで、大体30分で終わらせることができます。保湿以外にも以下のような様々なメリットのあるパラフィンパック。冬場限定メニューとして導入すれば、女性のお客様たちに喜んでもらえること間違いなしですよ!
- 肌の保湿効果を高める
- 冷え性の改善
- 血行を促進し、新陳代謝をあげる
- 角質を柔らかくし、化粧水やハンドクリームの浸透を良くする
- リラックス効果を高める
■ハンドバスで手の疲れを癒す
フットネイルの施術をする場合には、まずフットバスから始めるサロンも多いはず。それと同じように、まずは体をあたためてリラックス効果を高めるために、ハンドバスを用意してみては?以下の手順で簡単に用意することができます。
- 手首まで浸かれるくらいの大きめの洗面器を用意
- 少し熱め(42度目安)のお湯をはる
- 好きな香りのオイルを2~3滴垂らす
- 15分を目安に、お客様に手首までしっかり浸かってもらう
アロマオイルはいくつか種類を用意しておいて、お客様のお好みの香りを選んでもらうと良いですね。ひじの部分までしっかりと袖をまくってもらって、手首まであたためることでリラックス効果を高めてくれますよ。
時間は15分を目安に。あまり長い時間放置するとお湯が冷たくなって体が冷え、逆効果になってしまいます。
■仕上げには、ネイルオイルを塗ってマッサージ
ネイルの施術は爪への負担も大きいもの。施術が終わった後には、爪と手に「お疲れ様」の気持ちを込めて優しくマッサージをしてあげましょう。普段パソコンのキーボードやスマホを使うことが多いお客様たちの手には、たくさんの疲れが溜まっているはず。良い香りのオイルを塗った後、手の疲れに効くツボを押しながら、ゆっくり5分程かけてマッサージを行うと良いですね。
ハンドマッサージならば費用もかけずに導入することが出来るので、何度か研修を行って習得するようにしましょう。
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ネイリストが手荒れしてしまう原因は?
アセトン(除光液)
ジェルネイルやポリッシュをオフする時に欠かせないのがアセトン(除光液)。アセトンには物質を溶かすという性質があるので、しっかりと爪の表面に密着したジェルをオフするためには必要不可欠。
ですが、その性質から、ジェルだけではなく爪や皮膚にもダメージが大きいのです。爪の表面や肌に含まれる必要な油分を取り去り、肌がガサガサに荒れてしまったり爪が2枚に割れてしまったりすることも…。
器具の消毒液
お客様の爪や肌に直接付着するネイル器具は、必ず定期的な消毒が必要。ですが、この消毒液も実は人間の肌には良くない成分なのです。揮発成分のあるアルコールで表面の油分を取り除くことにより消毒を行うので、短期間に何度も消毒液に触れていると皮膚上の必要な油分も取り除かれ、手のかさつきの原因となるのです。
それでも無視して消毒液を触り続けると、皮膚がひび割れてきてしまいネイリストの仕事を続けられなくなることも…。
手の洗いすぎ
手指を清潔に保っておくことはネイリストにとって必要不可欠ですが、1日に何度も石鹸をつけてお湯で手を洗うと、肌の水分が奪われてしまいます。手を洗うときはなるべく冷水で、冬場の寒い時期でも温水程度の温かさにとどめておきましょう。
また、毎回手洗い石鹸を付けて洗うことも肌にとってあまり良くありません。石鹸には皮膚の油分を落とす成分が含まれているので、短時間で何度も使用すると手荒れの原因に。
まとめ 手荒れを防いで、生涯現役のネイリストを目指して
ネイリストの商売道具といえば、筆やニッパー?それももちろん大切ですが、もっとも大切な相棒は何より自分の「手」ですよね。また、実は肌と同じように年齢が表れやすいと言われているのも「手」。
施術をしている時、お客様は意外とネイリストの顔よりも手を見ている時間の方が長いのです。ささくれ立った指やカサついた掌では、お客様にがっかりされてしまいますよ。「やっぱりプロのネイリストさんは、爪だけじゃなくて手もきれいだな(#^^#)」と思ってもらえるように、毎日のハンドケアは手を抜かずに行いましょう。
指の先までしっかりケアをして、いつまでも年齢を感じさせないような健康的な手で、ネイリストの仕事を続けていきたいですね。