ネイリスト検定において、爪を施術するためのモデル選びはとても大切。上級の検定試験では、モデル探しで妥協したために不合格になるということもありえます。そのため、ネイリストとしてステップアップしていくには、良いモデルを見つけてその協力を得ることが必要不可欠です。
とはいえ、美容師やエステのモデルとは違って、“ネイリスト検定のためのモデル”はイメージが沸きにくいという人もいるはず。今回はそんな方のために、ネイリスト検定のモデルについてご紹介していきたいと思います。
“ネイリスト検定のモデル”はどんなことをする人?
ネイリスト検定の実技試験では、爪を施術するためのモデルが必要です。そこで受験者は、“ネイリスト検定のモデル”を自力で探してくることを求められます。
モデルには検定当日まで爪を伸ばしてもらい、理想の長さと形のまま保ってもらいます。検定当日は赤のポリッシュを塗ることになるので、ネイルを施されている約2時間の間は眠ったり動いたりしないようじっと施術を受けてもらいます。
モデルの爪が理想の形に近いほど施術時間の短縮や仕上がりの美しさにつながるため、検定に合格するためにも慎重にモデル探しを進めましょう!
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どんな人にモデルをお願いすればいいの?
ネイルを施されるモデルと聞くと、簡単そうなイメージを抱くかもしれません。ですが実は、ネイリスト検定モデルには満たすべき条件がたくさん。モデル選びを成功させるためにも、その条件について把握しておきましょう。
ネイリスト検定の規定を満たしているか
ネイリスト検定のモデルについては、基本的には「15歳以上で手に皮膚疾患がなく、男女は問わない」という規定が設けられているところが多いです。検定の内容によっては男性に多い、大きくて幅の広い爪が理想とされる場合もあるので、どの施術をおこなうのかということを考慮しながら、モデルを探しましょう。
また、検定によって規定は異なり、ネイルバッグ(爪と表皮が接している部分)の長さや爪全体の長さが指定されている場合などもあるため、公式サイトでの確認や問い合わせをきちんとおこなうことが大切です。
練習に協力してもらえるか
ネイリストは検定のために週1回以上、検定が近くなると週に3、4回練習をすることが一般的です。そのため、練習にどの程度協力してもらえるかということも、モデルの条件の一つになるでしょう。
もちろん、実際に検定で施術するモデルの爪で練習した方が、合格率は上がりそうです。しかし週に何回も、長い時間がかかるネイルの練習に協力してくれるモデルを見つけるのは至難の業。実際に検定に付き合ってもらうモデルのほかにも、協力者を作っておけば練習がはかどるかもしれませんね。
人並みの常識があるか
当たり前のようにも思えますが、とても重要な条件です。検定では実技が必須の場合が多く、もしモデルにドタキャンをされてしまうと、受験すること自体ができなくなってしまいます。
また、試験中にモデルが試験官の指示を聞かない、私語が多い、居眠りをしている、携帯電話を使用するなどマナーがあまりに酷い場合は、不合格になってしまうことも。いくら爪の形が綺麗でも、マナーや常識がないと思った人にはお願いしない方が得策ですよ。
検定当日まで爪を綺麗に保ってくれるか
仕事の関係で爪を長く伸ばしておくことができないという人も多いはず。ただ、検定当日にはある程度の爪の長さが必要になります。そのため、練習だけでなく検定の当日まで爪を長く、綺麗に保ってくれる人かどうかもとても大切なこと。
また、練習に付き合ってもらう内に爪が弱ってきてしまうことも多くあります。そんな時にはネイルオイルやハンドクリームを渡して、なるべく爪を健康に保ってもらうようにしましょう。爪切りで切ると爪の断面が傷ついたり割れたりしてしまうこともあるので、検定の日まではなるべくネイリストがモデルさんの爪の手入れをすると良いですね。
ネイリスト検定に必要なモデルの「爪の条件」について
ネイリスト検定では実技試験を行うため、自分でモデルを用意する必要があります。ですが上でも触れた通り、選ぶのはどんな爪でも良いわけではありません。爪の形がキレイであればあるほど、仕上がりも美しくなるもの。
中には「キレイな爪の人を選んだほうがネイリスト検定に合格しやすい」という意見もあるようです。以下では実技試験に受かる確率を少しでも上げるために、「ネイリスト検定に向いている爪・向いていない爪」の特徴について見ていきましょう。
向いている爪
- 爪が強くて健康
- 爪の幅が先端から根元まで均一
- 爪の幅が広め
- 指に向かって爪がカーブせずにまっすぐ生えている
向いていない爪
- 指に対してカーブがきつすぎる爪
- 爪の幅が極端に狭い
- 上から見た時に左右対称ではない
- 薄くて割れやすい爪
まず何といっても重要なのは爪の形。ネイリスト検定の2級と3級では、爪の形を「ラウンド」に仕上げられているかどうかチェックされます。「ラウンド」とは爪のサイドがまっすぐになっていて、先端はゆるやかなカーブを描いている形状のこと。とくに2級の場合には基礎的な知識を問う3級と違って技術面もチェックされるので、爪の形をキレイに整えなければいけません。
そのためモデルの爪は、できれば左右のラインがまっすぐに見えるのが理想的。指先に向かって広がって生えている爪や、指に対して曲がってついている爪だとラインを整えるのが難しいと言われています。
また爪を指先側から見たときの曲線、いわゆる「Cカーブ」もモデル選びの重要なポイント。Cカーブの角度が浅すぎたり深すぎたりした場合には仕上がりの見た目が悪くなるだけでなく、そもそもネイルの施術がやりにくくなってしまうことも。ネイリスト検定のモデルには、ほどほどのCカーブを描いている爪の持ち主を選ぶと良いでしょう。
ネイリスト検定に必要なモデルの探し方
ネイリスト検定のためにどんなモデルを用意すれば良いか分かっても、実際に目的に合った爪の持ち主を探し出すのは難しいですよね。そこで以下では様々なネイルモデルの探し方をご紹介していきます。
家族や友人にお願いする
まず最もお手軽なのが、家族や親しい友人にモデルを頼むという方法。ネイリスト検定当日だけでなく、ネイルの練習をしたいと思った時にも気軽に相談できるのが魅力です。ただし気心の知れた間柄であっても、スケジュールや謝礼については事前にしっかり話し合っておくのがおススメ。
SNSやネットで募集する
TwitterやInstagramなどのSNS上で募集をかけるのも一つの手です。ただし知らない人相手の募集になるので、トラブルが生じないように試験日程や場所、謝礼の有無などを記載しておくように。逆にモデル側から募集をかけている場合もあるので、条件面や爪のサンプル写真などを確認した上で依頼してみるのも良いでしょう。
自分で探してスカウトする
そのほかネイル関係のイベント会場で出会った人に声をかけてみる方法もあります。同じネイリスト仲間であれば、どんな風に爪をお手入れしておけば良いのか分かっているので安心できますよね。また登録制のネイルモデル紹介サイトを利用すれば、ネイルモデルに慣れている人を見つけることもできますよ。
モデルをお願いするときに注意すること
モデルと良好な関係を築くためには、注意しなければならないことも。お互いが注意点について把握し、理解し合えるようにしておきましょう!
練習の時には、雑誌やDVDを用意しておく
ネイルの練習には、一度に2時間以上かかることが当たり前。練習の頻度も多く、モデルの拘束時間が長くなってしまうので、お互いにスケジュールを配慮しあうことが大切です。また、モデルが暇にならないように雑誌やDVDを用意しておくなどの気遣いをするのも、モデルと長くいい関係を続けるための秘訣と言えます。
練習場所の料金やモデルの交通費は負担する
ネイルの練習は、自宅やカラオケボックスのようなある程度自由になる個室でおこなう場合が多く、交通費や場所代がかかってしまうことも。もしモデルを友人や家族にお願いする場合でも、最低限のマナーとして場所代や交通費は自分が負担すると良いでしょう。
謝礼金について
検定のモデルに謝礼金を支払う場合も多くなっています。現金で渡すとしたら、その日の交通費+昼食代の1,000円くらいと考えておくのが良いでしょう。数時間拘束することを考えると、現金で渡さないにせよ飲み物をご馳走したりお菓子を渡したりと、何かしらの形で御礼をしてあげると良いですね。
最近はネットなどでモデルを募集することができるので、簡単なバイトのようなイメージで検定モデルをおこなっている人も。理想の形の爪を見つけるのはとても大変ですし、モデル側も検定に慣れている人が多いので、ネット上の募集からモデルを探してみるのもいいかもしれませんね。
検定のためであるということを理解してもらう
モデルへの施術は、あくまで検定のためにおこなうもの。練習として協力してもらうことが目的なので、ネイリストの技術が足りていない可能性もあります。トラブルを避けるためにも、モデルのしてほしい爪にできるわけではないことをあらかじめ理解しておいてもらいましょう。
1人ではなく、2~3人にお願いをしておく
検定モデルを頼んでいた人が当日になって急に体調不良になることや、直前に爪が割れてしまうということも十分に考えられます。どれだけ頑張って練習をしてきても、当日にモデルさんがドタキャンしてしまっては全て水の泡・・・。
そうならないように、検定当日は1人だけでなく2~3人のモデルさんに予定を確保してもらうようにしましょう。「もしかしたらお願いするかもしれません!」と事前に連絡しておくことで、急なキャンセルにも対応してもらえる可能性があります。
検定当日の流れ
当日は、会場に集合したら午前中に70分間の実技試験を行います。当日の流れとしては、以下のように進めます。
1、手指の消毒
消毒液をしみ込ませたコットンで、まずはネイリスト自身の消毒をし、その後モデルの消毒を行います。
2、ポリッシュのオフ
事前にモデルさんの爪に塗っておいた赤いポリッシュのオフをします。
3、爪のファイリング
ラウンド型にファイリングをし、形や長さを均一に整えます。右手、左手と順番に行います。
4、プッシュアップとキューティクルクリーン
プッシャーを使って両手のプッシュアップをし、その後ニッパーでキューティクルを整えます。
5、プレプライマーを塗る
全ての爪にプレプライマーを塗り、爪の油分を取り除きます。
6、ベースコートを塗る
全ての爪にベースコートを塗ります。
7、赤ポリッシュを2度に分けて塗る
実際に赤のポリッシュを塗っていきます。1度塗った後に少し乾かし、2度塗りをすることによって均一な色にします。
8、指を1本選んでアート
検定級によって異なるアートのテーマが与えられるので、そのテーマに沿ったアートを1本の指に施します。
9、トップコートを塗る
最後にトップコートを塗って完成!
大体全部で2時間~2時間半程かかるので、モデルさんに時間を聞かれたらそのように伝えるようにしましょう。
モデルと良好な関係を築いておけば、練習や当日の試験にも良い影響が出るはずです。ネイリストの中には、10年近く同じ人に検定やコンテストのモデルを頼んでいるという人も! モデルとネイリストという関係だけでなく、優秀なアドバイザー、よき友人として一緒にステップアップできるようなモデルを見つけられるといいですよね。