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【治療法・原因】まつ毛の生え際にできた白い「できもの」の正体とは?
「気づいたらまつ毛の根元にニキビのようなできものができていた」という経験はありませんか?痛みや腫れがあるわけではないけれど、何となく視界の端にちらちらと見える白い影。
目は顔のパーツの中でも特に繊細な部分なので、どれほど小さなできものでもやはり気になってしまいますよね。では、一体そのできものはなぜ発生するのか、どうすれば予防することができるのか、そしてできてしまったらどうやって対処すれば良いのか。今回はまつ毛の根元にできるできものの正体に迫ります。
INDEX
■白いできものの正体は「マイボーム腺梗塞」
■マイボーム腺梗塞が出来た時の治療法や対処法
■マイボーム腺梗塞が起こってしまう原因
■マイボーム腺を詰まらせないための予防策は?
白いできものの正体は「マイボーム腺梗塞(せんこうそく)」
まつ毛の根元あたりにできる、白くポツリとした膨らみ。実はこれの正体は「マイボーム腺梗塞(せんこうそく)」というもの。まぶたの中にマイボーム線という油(脂質)を分泌する腺が数十個並んでいます。涙を構成する成分の一つである脂質をマイボーム腺の管から分泌する事で目の健康を保ちドライアイやかすみ目を防いでくれます。
マイボーム腺梗塞とは、分泌物である脂質が固まって詰まりを起こしている状態の事を言います。マイボーム腺の脂質が固まると白色や透明の固形物となり、管の開口部にできもののように形成されます。マイボーム腺梗塞によって、まぶたのふちにできものが出現するわけなのですね。
マイボーム腺梗塞が引き起こす病気とは?
マイボーム腺梗塞を放置したり症状が悪化したりすると、「できもの」で済まなくなってしまうのです。マイボーム腺梗塞が悪化するとどんな病気になってしまうのでしょうか。
ものもらいを発症!
一度は耳にした事があるであろう、「、ものもらい」を発症する恐れがあるのです。
ものもらいには「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」の二種があり、マイボーム腺梗塞が悪化してできるのは「霰粒腫」というもの。まつ毛の根元にできやすい「霰粒腫」の原因はウイルスへの感染ではなく、痛みや腫れが発症する可能性が低いのが特徴。しかし、悪化して炎症を起こすことで痛みやかゆみを伴う場合があります。
一方、黄色ブドウ球菌というウイルスに感染することによって発生するのが麦粒腫であり、こちらは痛みやかゆみを伴うことが多くあります。まぶたの外側や内側に大きめのしこりができて、症状が重い時にはまばたきをするだけで痛みを感じることもあるのです。
ダニの住み家に!
恐ろしい事に、マイボーム腺が詰まるとダニにとって居心地のよい環境になり、繁殖が進んでしまうのです。すると、ものもらい(霰粒腫)ができるだけでなく、目のかゆみやフケなど、ダニによるアレルギー症状が起こることもあります。
放っておくと、ダニは皮脂をエサにして繁殖を繰り返し、目の病気につながることも。そうならないためにも、日頃から目元のチェックをするようにして、異変を感じたらすぐに病院で治療していきましょう。
関連記事:まつ毛の痒みを引き起こすダニとは?
マイボーム腺梗塞が出来た時の治療法や対処法
マイボーム腺梗塞によるできものが出来てしまった場合には、どのような対処をするべきなのでしょうか。痛みが無いからと言って放置しても良くなることはありません。必ず一度眼科に行き、適切な内服薬や点眼薬をお医者さんに処方してもらいましょう。症状が軽度であれば数週間で完治させることができるので、悪化しないように気を付けながら生活してくださいね。病院でどのような治療を受けるのか、また、今すぐに病院にいけないという人は自宅でどのような対処をするべきかご説明します。
病院で治療を受ける
まぶたのふちにできものが出来た場合には、なるべく早く病院に行くようにしましょう。度々、できものが出来る人はマイボーム腺の管が詰まりやすい傾向が考えられますので、しっかりと治療をして今後の対処法などを確認すると良いですよ。
1.温庵法
この温庵法というのは、アイマスクのような機械を目にあててまぶたを温める治療法です。まぶたを温める事によって、マイボーム腺表層の油脂を溶かしてくれます。
特殊な機械で温めるだけなので、治療に痛みはなくホットタオルで目を温めたような感覚に近いでしょう。軽度の症状であれば、この温庵法だけで治療できる事もあるので早めに受診するようにしてくださいね。
2.マイボーム腺圧迫法
温庵法だけでマイボーム腺内に固まった油脂が露出しなかった場合に行うのがマイボーム腺圧迫法です。
この治療法では、マイボーム腺鑷子というピンセットのような器具を用いて詰まった油脂を圧迫します。鑷子の先端が平たくなっており、まぶたのふちを挟むようにして詰まった油脂を押し出します。
病院に行けない時の自宅での対処法
できものを見つけた時にすぐ病院に行けるとは限りません。放置していおくのは良くないのですが、病院に行ける日までの応急処置として自宅で出来る対処法をご紹介します。
患部をあたためる
目をあたためることでマイボーム腺の中に詰まった脂を外に出す事ができるのです。体温よりも少し高い40度くらいに温めたタオルで、10~15分ほど目を温めてあげましょう。この時に目の周りを少しマッサージすると良いですよ。マイボーム腺の中に詰まった脂も元々は体内にあったものなので、自然と体内に吸収されたり膿として外に押し出すことができるようになります。病院で治療するようにすぐに完治することはありませんが、小さなできものの場合、根気強く続ければこの方法でも治すことができるでしょう。
眼科でもらった点眼薬をさす
ウイルス性のものもらいと同様に、マイボーム腺が詰まった場合にも抗生物質の入った点眼薬をさして炎症を抑えます。症状が軽いものであれば数日間~1週間程続けることで回復する場合もあるのです。また、患部や症状によっては点眼薬ではなく抗生物質の入った内服薬・外用薬を処方されることも。点眼薬が苦手という人は相談してみても良いかもしれません。
アイラインはインラインを引かない
目元のメイクをする際は、極力目に負担をかけないよう注意しましょう。アイラインを引く際に、まぶたの内側にインラインを引く人が多くいますが、その場所こそがマイボーム腺の存在する場所。
化粧品は涙で落ちてしまわないように多くの油分が含まれているため、これも目にはあまりよくありません。できものが完全に落ち着くまでは、まつ毛の根元を避けてアイライナーを引くようにしてください。もちろん、アイシャドウやマスカラといったアイメイクも同様に避けるべき。治りかけの状態で患部にメイクをすると、いつまでも完治することなく長引いてしまいますよ。
油分の多い食事は控える
食べ物は目とは無関係と思われがちですが、実は油脂を多く摂取することもマイボーム腺を詰まりやすくさせる原因となります。目にできものが出来ている期間は治るまで間食をやめたり外食を控えたりするなど、いつもより油分の少ない食事を心がけましょう。また、炎症を起こしている場合には、炎症を悪化させるようなアルコールや香辛料などの刺激物を控えることも必要です。
髪の毛が目にかからないようにする
指と同じように、髪の毛にも目に見えない汚れや油分がたくさん付着しています。そのため、せっかく綺麗に洗顔して目の周りを清潔にしても、髪の毛が目にかかる状態にしておいては意味がありません。たとえお風呂上がりだとしても、シャンプーやリンスが落とし切れていない状態で目にかかるとマイボーム腺の詰まりの原因に。髪が長い人は後ろでまとめて、前髪も短く切ったりピンで留めたりして、なるべく髪の毛が目にかからないような工夫をしましょう。
悪化してものもらいになると、まぶたを切除することも!?
マイボーム腺梗塞が悪化すると、ものもらいを発症してしまう恐れがあります。そうなってしまうと、患部を温めたり圧迫したりするだけでは治らなくなり思っているよりも大がかりな治療が必要になる事も。症状が悪化してしまった場合にはどのような治療が必要になるのでしょうか。大事に至る前に、治しておくように心がけましょう。
まぶたを切開して除去する
点眼薬を使っても内服薬を飲んでもいつまでも回復しない場合や、一度回復しても何度も繰り返し同じ場所にできものが発生する場合には、最終手段としてまぶたを切開してできものを除去するという方法を用います。「まぶたに傷跡が残ってしまうのでは…?」と心配になってしまうかもしれませんが、非常に小さい範囲を除去するだけなので、まぶたに跡が残ることはほとんどありません。また、麻酔をするので痛みを感じることなく手術を受けられますよ。
病院で処方された点眼薬を試しても変化が見られなかったなど、数か月経過しても良くならないような時には、もう一度病院に行ってどうするべきか相談してみましょう。
ステロイド薬を注射してもらう
できものが治りにくかったり大きくなってしまったりした場合に、ステロイド薬を患部に注射してもらい、マイボーム腺に溜まった脂を散らして除去するという治療法があります。もちろん自分ではできないので、眼科で治療をしてもらう事になります。切らずに治療をするので傷跡が残ってしまうかもと心配することもなく、失敗の恐れもほとんどない治療法です。
マイボーム腺梗塞が起こってしまう原因
マイボーム腺梗塞ができてしまう原因としては、まつ毛の根元にある「マイボーム腺」という皮脂腺が詰まってしまうことが挙げられます。
目には3つの皮脂腺があり、マイボーム腺はその中でももっとも眼球に近く、まつ毛の生え際に沿ったところにあります。涙の蒸発を防いで潤いを保つ役割をしていますが、目に見えないほどの小さな穴なので気づかないうちに詰まってしまうことがあるのです。
特に毎日のようにアイメイクをしていたりコンタクトレンズをつけっぱなしにしたり、十分に洗顔ができていなかったりすると、汚れがたまり詰まりやすくなってしまいます。毛穴に古い皮脂が詰まるとニキビや肌荒れが発生するのと同じように、マイボーム腺に油分が詰まると開口部に白いできものが出来てしまいます。一般的には加齢によって詰まりが発生しやすくなりますが、年齢が若くても不規則な生活をしていたり油分・糖分の多い食事を続けていたりするとマイボーム腺が詰まりやすくなるのです。
マイボーム腺を詰まらせないための予防策は?
では、マイボーム腺を詰まらせないようにするには、どのような事をしていけば良いのでしょうか。普段の生活から予防する事が出来るので、事前に対策を打っておきましょう!
■目を酷使したら蒸しタオルで温める
目を酷使することもマイボーム腺には悪影響。コンタクトレンズを着用している人やパソコンやスマートフォンを長時間使っている人は、寝る前には毎日目を温めて休ませてあげましょう。皮脂が溶け出すのは40度前後と言われているので、そのくらいの温度の蒸しタオルを目元に当ててあげるのが効果的。夜眠る時にホットアイマスクを装着して眠るというのも効果的でしょう。温めることで血行も良くなり、脂肪も詰まりにくくなります。
■目元用のクレンジング剤を使う
どれだけ疲れていても、アイメイクをしたままベッドに入ることは絶対にNG!忙しい時には簡単にオフができるシートタイプのメイク落としも便利ではありますが、まつ毛や皮膚に付着した細かい汚れまでは落としにくいのが事実。洗顔の際は、目元用のクレンジング剤を使ってきれいに落としましょう。低刺激やオイルフリーのクレンジングや、お湯でオフできるメイクアイテムを選ぶのもおすすめです。
洗顔の際は、目元用のクレンジング剤を使ってきれいに落としましょう。低刺激やオイルフリーのクレンジングや、お湯でオフできるメイクアイテムを選ぶのもおすすめです。マッサージをするように優しくクルクルとなでるのがポイントです。
また、マツエクサロンでは目元の汚れを落としてくれるアイシャンプーメニューを導入していることもあるので、目を清潔に保つために数か月に一度施術を受けてみても良いですね。花粉症の人は、花粉の時期にアイシャンプーを受けることで症状の改善に繋がることも。
関連記事:アイシャンプーが花粉を撃退!
■顔や目の周りを触る癖をなくす
ものもらいができやすい人の特徴として、「目をよくこすったり顔を触ったりする癖がある」ということが挙げられます。手にはたくさんの汚れやウイルスが存在しているので、まずはその癖を改善するようにしましょう。花粉症などのアレルギー症状で目がかゆくなる人はアレルギーの薬を飲んだり目薬を差したりといった対策を取ると良いですね。顔や目を触らなくなれば目の周りのできものが発生する可能性もぐっと低くなりますし、肌荒れの改善にも繋がりますよ。
■こまめに手洗いをする
普段の何気ない生活の中でも、手には見えない汚れがたくさん付着しています。特に、お菓子を食べたままの手で目をこすったりすると、手に付いた油分がそのまま目に入ってしまうことも。外出後は必ず手洗いをする、アルコールジェルを持ち歩いて定期的に消毒をする、というように、手指は常に清潔にしておくことを心がけましょう。
アイメイクやコンタクトレンズ、スマートフォンなど、目にはさまざまな負担がかかっています。マイボーム腺が詰まりダニが繁殖すると、最終的には視力低下にもつながりかねません。普段から清潔にすることを心がけ、目を守りましょう。
夏だから、冬だから、ということではなく、マイボーム腺の詰まりは季節を問わずいつでも発生する可能性があります。身体が寝不足や栄養不足の状態の時は特に発症しやすくなるので、日頃から規則正しい生活を心掛けるようにしましょう。メイクは毎日しっかりとオフして、目の周りを清潔に保っておくことも必須。
また、もしできものができてしまったら放置してしまう事なく、眼科を受診するようにして下さいね。
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