まつ毛エクステは、お客様の目の周り、お顔のデリケートな部分に触れながら行う施術です。適切な衛生管理下に置かれていない器具や手を介し知らず知らずのうちに、お客様に感染症を移してしまう場合があります。
今回は、安心安全にまつ毛エクステの仕事をするために、アイリストなら必ず知っておかなければならない衛生管理の方法、衛生管理の資格について詳しく紹介していきます。
アイリストが使用する道具類の消毒対象物
ツイーザーなど直接お客様に触れる道具は、1人のお客様施術が終わる毎に消毒し取り換え、常に清潔に保つ必要があります。
まず、アイリスト自身の消毒を次のように正しい方法で行っているでしょうか。
・手洗い
・手指消毒
施術前には、必ず水道水で石鹸などを使い手の汚れを落とします。手指消毒に適したエタノール(エタノール濃度76.9~81.4%)をコットンに取り含ませ、手のひら、手の甲、爪先までしっかり消毒し殺菌します。
次に使用する器具の消毒についてもチェックしてみましょう。正しい方法は、以下の器具それぞれの消毒です。
・ツイーザーやコーム
・バッファーなどの器具
・タオルやガーゼ類
ツイーザーなどの金属類は、紫外線照射器(ステリライザー)で20分以上照射して消毒します。消毒後や施術中はガラスコップにコットンを敷き、エタノールをツイーザーの先端まで浸かる程度に浸したウエットテリライザーにセッティングした状態にします。
バッファーなどの器具は、変形する恐れの無い素材のものは、消毒液を含ませたコットンで拭式消毒します。
施術で使用したタオル、ガーゼはお客様1人ごとに取り替え、使用後は洗剤を使用して洗濯後、漂白剤に浸し消毒します。(漂白作用があるため色物のタオルは使用できません)使い捨てのペーパータオルを使用するのもおすすめです。血液が付着した疑いのある器具は、感染症を媒介する可能性も有るため、廃棄するのが望ましいです。
まつ毛エクステンション衛生管理士認定試験
今と違いまつ毛エクステが広がり始めた頃は、まつ毛エクステを業とするために必要な資格や衛生管理基準は国では定められていませんでした。そのため、まつ毛エクステの技術は、無資格の方でも施術が可能だったのです。
口コミ等で広がり始めた当時は、サロンが増え衛生管理や技術、知識の欠如しているサロンも乱立しました。
まつ毛エクステでのトラブル、健康被害や事故などが多く報告されたということがマスコミ等でも取り上げられるようになり、深刻な事態となっていました。結果、まつ毛エクステのニーズが急激に増加する一方で増える事故に歯止めをかけるためにも、早急な対策が求められました。
「まつ毛エクステが美容師でないと施術出来ない技術である」と、安心安全な場所でしか施術をしないようにと、平成20年に厚生省から文書が出されました。
まつ毛エクステはデリケートな部分、目の周りに施術を行う為、アイリストは常に医療レベルの衛生管理と知識がさらに必要となります。日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)では、アイリストのまつ毛エクステの技術統一と、衛生管理の知識を統一徹底し、アイリスト自身も、お客様に安心して施術が出来るように認定試験制度を設けています。
衛生管理の知識で信頼できるアイリストに
アイリストに必要不可欠な衛生管理の認定試験は、検定の為の勉強も、時間と場所の制約を受けない受講方法が出来るオンライン講座でも学べます。それぞれある各まつ毛エクステ協会の衛生基準を統一すべく設立された制度です。
トラブルを起こさないためにも、お客様が多く押し寄せるサロンを作るためにも、手を抜かない衛生管理を行いましょう。