アイリストが施術で使うグルーにはいくつかの種類があります。それぞれ独特の特性を持っており、有機化合物シアノアクリレートが主成分です。
細分化すると、エチル系、プチル系、メチル系、オクチル系の4種類のグルーが存在します。また、適切に保存、管理することにより、グルーの状態を最適に保つことができ、施術の効率を向上させることができます。
では、具体的なグルーの保存方法と種類別の特徴をご紹介いたします。
種類別に違った特性を持つグルー
グルーには以下のような種類と、その特徴があります。
エチルシアノアクリレート
速乾性と優れた持続性があり、現在主流のグルーです。
乾く過程でホルムアルデヒトが発生するため、アレルギーを起こすこともあります。
目に沁みたり、赤みが出るなどの刺激が強いため、テープワークには細心の注意が必要です。
プチルシアノアクリレート
刺激が弱いのが最大の特徴で、現在使われている低刺激のグルーはこの成分が主流です。
医療用として用いられているので、安全面を優先するのであれば、このグルーが最適です。ただし、その分エチル系などの持続力に優れるグルーに比べると持ちが悪いことや、グルーの粘度が高いため、乾くのに時間がかかるという特性もあります。
メチルシアノアクリレート
速乾性と持続力に優れますが、刺激がとても強いため、現在はほとんど使われていません。
オクチルシアノアクリレート
こちらも低刺激が特徴のグルーですが、持続力はプチル系に比べるとさらに劣り、こちらも現在はほとんど使われることがありません。
グルーの保存方法
グルーの保管に適した温度は19度前後と言われていますので、季節に合わせた保存管理が必要になります。夏場は冷蔵庫保管し、使用する2時間ほど前から室温に置くなどして管理しましょう。
また、グルーは開封直後から劣化が始まります。劣化スピードを最低限に防ぐためには、使用後は先端に残ったグルーをしっかりと拭き取り、きちんとキャップを閉め、付属のアルミパックなどに入れて保存しましょう。ピンが付属しているグルーについては、ピンを刺して保存します。
開封後は1か月以内で使い切りを心がけて
一般的には冷蔵庫保管で6か月、開封後2~3か月がメーカー推奨の使用期限となりますが、良好な品質のグルーで施術を行いたい場合は、開封後1か月をめどに使用することをお勧めします。パッケージの消費期限は、こまめにチェックしましょう。
開封して使用する時間差を考慮し、消費期限から1か月を差し引いた期限が、実質的な有効期限だと認識することも忘れてはいけません。
効率的な施術と顧客満足度につながる
また、在庫管理は、「先入れ・先出し」=先に入荷したものから使っていくことを心がけましょう。在庫として大量のグルーを一度に仕入れると、結果的に劣化したグルーをお客様に提供するリスクがありますので、適量をこまめに仕入れることをお勧めします。
セールなどがあると、仕入れ値のコストカットを見込んで多めに仕入れてしまうことがあるかもしれませんが、先々の見込み客数を大幅に超えるグルーの在庫は、劣化したグルーを提供するのと同じ意味になることを心に留めておきましょう。
適切なグルーの保存管理は、結果として施術のクオリティを上げ、お客様に満足いただけるサービスを提供する秘訣となります。「グルーは生もの」と認識して、適切な保存管理を心がけましょう。