エステサロンでは契約を結ぶときに同意書にサインをしてもらうことが多いです。
これは契約や施術によって発生する可能性のあるトラブルを防ぎ、お客様に施術内容について確認してもらうためにとても重要となります。
同意書の中身や取り扱いの注意点について確認していきましょう。
エステサロンで使われる同意書の中身
エステサロンでは施術の前、同意書にサインをしてもらうのが一般的です。この同意書はエステサロンの免責事項を確認するためのものであり、トラブルが訴訟などに発展しないように作られています。
施術を受ける前の同意書にはさまざまな確認事項が記載されていますが、ほとんどの場合は次のような中身となっています。
施術の開始に関する事項
お客様の病歴やアレルギー、通院歴などを確認し、トラブルが起きやすい状態のときは「当日の施術は行えません」と表記していることが多いです。
お客様の状態を確認して施術を開始することによって、体調不良などのトラブルを予防しています。
契約に関する事項
お客様が未成年の場合、単独で契約をすると親はその契約を取り消せます。
つまり、子どもが勝手に契約し、施術を受けた後に契約を取り消されると代金を回収できない可能性があるのです。
これを予防するために同意書に書かれているのは「契約者が未成年の場合、親の同意のもとで契約をする」という内容。親が同意をしたうえで契約をすると、代金を回収できないことはありません。
体調に関する事項
エステサロンではさまざまな化粧品を使用します。お客様によってはアレルギー症状をひき起こし、発疹が出たり、呼吸困難になったりすることがあるため、同意書に健康についての確認点を記載し、了承を得なければなりません。
同意書の取り扱に関する注意点
必要事項を記載し、契約書面を交付する
同意書を作成するときは、特定商取引法で定められた事項を必ず記載しましょう。
必要な事項が書かれていないときは、せっかく中身が詰まった同意書を作成していても役に立ちません。また、契約書面の交付も必要です。書面がなければ、同意内容に効力はないため、交付は忘れずに行いましょう。
大切に保管する
いつでも中身を確認できるように同意書はエステサロンに保管しておきましょう。
なくしてしまうとお客様に再びサインをしてもらわなければならないため、手間もかかってしまいます。
同意書の保管に悩んでいる人は、デジタル化された同意書を使うのがおすすめです。パソコンやタブレットから内容を確認してサインができる同意書を使えば、ファイルの保管が簡単で、必要な同意書をすぐに見つけられるでしょう。
トラブルを回避するために同意書を使おう
エステサロンでは施術によって肌トラブルが出たり、アレルギー反応の影響で蕁麻疹や呼吸困難などの症状が現れたりする可能性があります。
お客様に施術を受けてもらう前に同意書でこれらのことを確認し、了承を得たうえで契約を結びましょう。
同意書にサインをもらっておけば、契約のトラブルに関する訴訟なども予防でき、トラブルが起こった時の責任も回避できます。同意書を作る際は必要事項の記入や契約書面の交付なども忘れないようにしてください。
お客様の中には理不尽にクレームを言って来たり、正当な理由じゃないのに返金を求めてくる方もいらっしゃいます。また、感じ方には個人差があり脱毛器やスチーマーなどの熱の感じ方も変わってきます。マニュアル通り正しく操作していても、どこか気に入らない事があれば、それを理由にクレームを言ってくる人も少なくないでしょう。
エステティシャンのちょっとした言葉遣いや、施術する手が心地よいものではないなど、お客様の心の状態や気分でトラブルは引き起こされます。
また、サロン内で退職者などが出た際の後任者も注意が必要です。施術担当者が変更になる事でお客様は不安となり、クレームをもらい安くなります。担当制でないサロンの場合、こういったことは常に起こる可能性があり、向き合っていかなければならない問題となります。
ですので、契約の時点の同意書はすごく大切で、お客様が同意した証明となるので、トラブルが起きた際に対処できるよう大切に保管しておきましょう。また、同意書だけでなく常にお客様とたくさん会話し、サロン側とお客様との間に思い違いが起こらないよう日頃の施術からすり合わせしていくと良いかもしれませんね。
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