誰かと一緒に過ごしているとき、ふとした瞬間に良い匂いを感じると落ち着いた気持ちになれますよね。逆にどんなにキレイでスタイル抜群の女性やカッコ良い男性がいても、近づいたときに「臭い!」と感じてしまったら、100年の恋も冷めてしまうと思います。
タバコや焼肉の臭いならそれらを控えるだけで対策できますが、自分の体の臭いがきつい場合には、しっかりとした体臭ケアや治療が必要になります。今回は体臭に注目して、臭いの原因とそれぞれの予防法をご紹介します。
体を清潔に保って汗臭さを防ぐ
体臭がきつくなってしまう原因の一つに「皮脂」と「汗」があります。皮脂と汗には基本的に臭いはないのですが、放置しておくと皮脂や汗をエサにして雑菌が繁殖し、それにより臭いが発生してしまうのです。そのため、体臭を防ぐためには、まず体を常に清潔に保つようにしましょう。
出かける前にシャワーを浴びたり、汗をかいたらこまめに拭き取ったりすれば、雑菌が繁殖するのを防げます。汗を拭くときには乾いたタオルではなく、少し濡れたタオルやシートを用いるのもポイント。乾いたタオルで汗を全て拭き取ると、反対に皮脂や汗の分泌が促されてしまうので、汗や皮脂を取りながらも肌自体にはうるおいを残すことが大切です。
また、雑菌の繁殖を防ぐためには、殺菌作用のある制汗剤を使うのも効果的。しかし制汗剤の使いすぎや体の洗いすぎで皮膚が傷ついてしまうと、傷口から菌が侵入して余計に雑菌が繁殖してしまうので、皮膚に負担がかからない程度に留めておきましょう。
食生活が体臭の大きな原因!?
「前まで気にならなかったのに、最近体臭が気になる…」という人は、食生活が原因で体臭がきつくなっているのかもしれません。食べ物の臭いは消化の過程でガスとして体外に排出されたり、腸で無臭化されることで本来なら問題なく処理することができます。しかし、ガスがきちんと排出できなかったり、腸内環境が悪化していると、食べ物の臭いやガスが皮脂腺や汗腺・毛穴から排出されて、体臭が強くなってしまいます。
また、肉類や乳製品などのカロリーの高い食材や食事は、皮脂を過剰に分泌させてしまうので要注意。特に肉類などのタンパク質やアルコールは、それらを分解する際に強い臭いを発生させてしまいます。腸内環境が悪化しているときや、そもそも摂取する量が多い場合には臭いを処理することができません。
外食や飲酒、カロリーの高い食事が多い人は、野菜も積極的に食べるようにしましょう。とくにタマネギやトマト、キャベツや柑橘系の果物は体臭改善にも役立つので、ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。
臭いを発生させる“アポクリン腺”
汗を体外に排出させる機能をもつ汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。前者のエクリン腺から出る汗はほとんどが水なので基本的には無臭ですが、体臭の主な原因となるのは、脇の下や性器の周辺にあるアポクリン腺から出る汗。人によってアポクリン腺の働きは異なり、アポクリン腺の活動が盛んだと体臭もきつくなる傾向があります。アポクリン腺はワキガの原因となることも多く、生活習慣や食生活を変えても改善されないことも。しかし、このアポクリン腺は手術で切除することができるので、気になる人は皮膚科へと相談しに行ってみましょう。
体臭は病気のサイン?
体臭は体質や生活習慣だけでなく、病気によって引き起こされることもあります。たとえば、糖尿病の人は甘酸っぱい臭い、肝臓などの機能が低下した場合にはカビのような臭いがするなど。これらは原因になっている病気を治さなければ改善できないので、あまりにも体臭がきつい場合には人間ドックなどで検査を受けてみましょう。
また、本当は臭くないのに何故か自分の体臭が気になったり、周囲の人は自分を臭いと思っているに違いないと、必要以上に思い込んでしまうこともあります。あまりにひどいと自分の体臭への心配がストレスになって、対人関係がうまくいかなくなってしまうというトラブルに発展することも。体臭の程度を計測できる病院もあるので、自分ひとりで悩まずに専門の機関を訪れてみるのがオススメです。
体臭のほとんどが生活習慣や食生活を変えることによって改善できます。まずは日頃の生活を振り返り、できることから始めていきましょう。もし生活習慣や食生活を改めても良くならないときは、病気の可能性もあるので早めにプロのアドバイスを受けてくださいね。