生理痛や生理不順といった婦人科系の悩みを抱える人は多いですよね。季節や体質によっては肌荒れしたり、冷え性が悪化してしまったりと何かと問題が起こります。女性特有の悩みではありますが、できれば少しでも不安や痛みを和らげたいと思うはず。
そうした症状を和らげるには、体を温めることが一番です。体温が上がれば血行が良くなり、健康な状態を保つことができます。そこでオススメなのがよもぎ蒸し。最近、若い女性を中心に人気を集めているよもぎ蒸しについて、ぜひ読んでみてくださいね。
よもぎ蒸しとは
よもぎ蒸しは、韓国に数百年前から伝わる民間療法。よもぎと数種類～数十種類の薬草・ハーブを煮立たせ、その蒸気で下半身を中心に体を温めて血行を良くします。蒸すことで得られるスチームの効果と、よもぎや薬草・ハーブから得られる薬効効果の合わせ技は、デリケートな悩みを抱える女性の強い味方になってくれるはずです。
よもぎ蒸しでは皮膚や粘膜から成分を吸収する“経皮的吸収”が起こります。つまり、全身から成分を吸収できるということ。特に、皮膚よりもさらに吸収の良い粘膜から成分を吸収できるのが、よもぎ蒸しの大きな特徴ですね。
よもぎ蒸しの効果
婦人科系の問題を解消する効果
よもぎ蒸しで得られる効果で一番大きなものは、生理痛・生理不順・不妊などの婦人科系の問題解消。子宮や卵巣などの女性器官に最も近い粘膜の血液循環を促すことから、韓国では産後に体を戻す手段の一つとしてよもぎ蒸しが行われていたようです。生理痛に悩まされている人も、よもぎ蒸しで体を温めれば痛みが軽減されるかもしれませんよ。
その他の体への効果
他には、冷え性の改善、デトックスによる美容効果などが挙げられます。よもぎに含まれているクロロフィルという成分は抗アレルギー作用があるので、アレルギーを持っている人にもオススメ。このクロロフィルは発がんを抑制する効果もあると言われているので、健康な体を手に入れるために役立ちます。また、よもぎの持つビタミンには、便秘の解消を促す効果も！ 便秘が解消されると新陳代謝が活発になるため、お肌のトラブルも避けられます。
精神的な効果
のんびりと体を温めることで、リラックスの時間を得ることができます。よもぎの匂い成分であるシオネールには、脳神経を鎮静化し、睡眠を促す効果があります。日常生活で溜まったイライラする気持ちを落ち着かせ、ゆったりとした心になれそうですね。
よもぎ蒸しの方法
よもぎ蒸しは、真ん中に穴のあいた専用の椅子を使って行います。穴の部分の下には、よもぎや薬草・ハーブを入れて煮立たせる鍋を用意。ここから出る蒸気を循環させるために、首から下をすっぽりと覆うよもぎ蒸し専用のマントを着ます。この格好で足を開いた状態で椅子に座り、20分ほどじっくり汗をかけば、よもぎ蒸しの効果を得ることができるでしょう。
椅子には木製のものもあれば、遠赤外線が放射されると言われている黄土製のものもあります。裸で直接座るものですから、どちらも衛生面には十分に注意が必要。使い捨てのクッション用シートを準備しておくと、より清潔に使用することができますね。
マントには長袖のもの、半袖でひじから下が外に出るもの、手を出す穴が空いておらず、てるてる坊主のように体すべてを覆うものの3つがあります。よもぎ蒸しの店舗を開業するなら、お客様の好みに合わせられるよう、この3種類は用意しておくと良いでしょう。
よもぎ蒸しに関する資格
よもぎ蒸しに関する国家資格は存在しません。また、よもぎ蒸しを施術する際、これといって資格は必要ありません。しかし、お客様の体に影響を与える施術を行うのに、まったく知識がないのは怖いもの。ここは民間資格である「漢方座浴指導士」を取っておくと心強いですよ。
漢方座浴指導士とは、国際漢方よもぎ蒸し協会が発行する資格。お客様に対し、安全によもぎ蒸しを行う知識を学び、指導を行うことを目的としています。資格を取る方法は、指定の会場で2時間半の講習を受ける方法と、通信教育を受けた上でテストを受け、8割以上正解する方法の二つ。
道具さえそろえれば簡単に開業できてしまうことから、よもぎ蒸しに関するトラブルは近年増えてきているようです。資格の取得が難しいわけではありませんので、きちんと資格を取り、無用なトラブルを避けるようにすることをオススメします。
女性にうれしい“温活”にもってこいのよもぎ蒸しについて紹介してきました。よもぎ蒸しをするならば、道具をそろえるより、まずは知識を身につけましょう。エステティシャンとして、お客様に安心してよもぎ蒸しを楽しんでもらえる環境を作りたいものですね。