美のプロフェッショナルであるエステティシャンは、国家資格や免許を必要としないため美容関係の仕事の中でも気軽に始められる職業として人気があります。エステサロンは全国でも数多く、システムや経営体制、エステティシャンの働き方も様々です。
今回はエステサロンの中でも、お給料に歩合制を採用しているサロンに注目し、歩合制のシステムや収入についてご紹介します。エステサロンを歩合制で経営する際のメリットについても見ていきますので、将来エステサロンを経営したいと考えている方も必見ですよ。
歩合制のエステサロン
エステサロンの給与システムは大きく分けると、「完全固定給」、「一部歩合制(固定給+歩合)」、「完全歩合制」の3つがあります。完全固定給は月にいくら支払われるかが決まっている一般的な月給制度で、一部歩合制は基本給に加えて指名をもらった分や売り上げの分だけ報酬が上乗せされていくというシステムです。
ノルマ達成に対して報酬が支払われるこのシステムは、インセンティブ制とも呼ばれているんですよ。そして完全歩合制となっている店舗では基本給の設定がなく、すべての売上から報酬が算出されます。
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歩合制のサロンの場合、担当した客の人数がそのまま収入に反映されるわけですから、そこで働くエステティシャンには指名やリピートをもらうための努力が欠かせないんです。サロンへ通う人から見ても、歩合制のサロンではエステティシャンがコースや化粧品を勧めてくることが多いと感じるそうですよ。
なので「宣伝がしつこくてうっとうしいな…」なんて思われないように、エステの技術だけでなく、コミュニケーションのスキルも磨いておくことが大切なんですね。
歩合制サロンで働く際の収入
インセンティブ制のサロンと完全歩合制のサロンには、似ているようで大きな違いがありますよ。インセンティブ制のサロンには、低めではありますが基本給となる金額がサロンによって定められています。そこに、エステティシャン個人の売上から何割かが歩合として上乗せされるんですね。歩合率は3割から多くても5割ほどに設定されていることが多いようです。
一方で、完全歩合制の場合は歩合率も少し高く、5割から7割ほどになります。インセンティブ制で働く場合は基本給の設定があるため、雇用契約を結んだ正社員かアルバイトとして働くことになりますが、完全歩合制の場合には雇用契約を結ぶことが出来ないため、サロン側が個人に業務委託するという契約になります。
業務委託契約を結んだ場合、エステティシャンは個人事業者という扱いになりますので、税金や保険などの手続きは自分で行わなければなりません。そういった手続きが煩わしいと感じる人は、まずはインセンティブ制のサロンで働いてみるのがいいかもしれませんね。
歩合制サロンを経営するメリット
エステサロンを経営する側から見た歩合制のメリットですが、一番大きなポイントとしては人件費が節約できるということが挙げられます。固定給のサロンでは売上にかかわらず決まった額を支払わなければならないため、売上が少ない月には経営が圧迫されてしまう可能性もありますよね。ですが歩合制にしていれば売上に合わせた給与となるので、経営が圧迫されるリスクを軽減できるんです。
さらに歩合制は自分の技術力や接客力が明確に数値で表されるシステムなので、志の高いエステティシャンにとってはかなりのモチベーションに繋がります。同じサロンで働くエステティシャン同士は仲間でもありライバルなので、お互いが刺激となり高め合って働くことが出来るんですね。エステティシャン一人一人の技術が上がれば来客数も増え、サロンもどんどん繁盛していくでしょう。
画像出典:WorldSkills UK / Team UK Competition day one,Rianne Chester- Beauty Therapy (from Flickr, CC BY 2.0)、matchfitskills / DSC_0013(from Flickr, CC BY 2.0)、WorldSkills UK / Anna Smith(from Flickr, CC BY 2.0)