料理のプロである「調理師」は食べる人やお店のコンセプトに合わせて料理を作るのが仕事。調理師でなくてもお店で調理をすることはできますが、調理師の免許を持っておけば仕事や採用で有利に働くことが多いので、取得しておくのがオススメです。
調理師免許を取得して調理師になるには、「調理師試験」に合格しなければなりません。そこで今回は調理師試験について見ていきましょう。開催時期や受験条件に加えて、問題内容や勉強法まで取り上げているので、調理師を目指している人は必ず確認しておいてくださいね。
調理師試験とは
調理師として働くのに必要な知識があるかどうかを判定するのが「調理師試験」です。東京都や埼玉県などの関東をはじめとして全国で実施されていますが、回数は年に1回のみ。会場によっては2回開催されることもあるようですが、ほとんどの会場では1回となっています。
実際の試験についてチェックしてみると、2016年には10月に青森県・埼玉県・東京都・富山県・石川県・岐阜県・鳥取県・岡山県・高知県・福岡県・大分県の11カ所で開催されました。愛知県や大阪府が含まれていないことから、必ずしも主要都市で開催されるわけではないようですね。また、試験日は10月でしたが、受験のための申請期間は5月~6月とかなり前倒し。一度チャンスを逃すと次の試験まで1年も期間が空くので、受験を検討している人はスケジュールをしっかり把握しておく必要がありそうです。
調理師試験の受験条件とは
なお、調理師試験を受けるためには、2つの条件を満たしておかなければなりません。まず1つ目は、中学校卒業以上の学歴を持っていること。2つ目は2年以上の調理業務を積んでいることです。宿泊施設を含む飲食店や学校・病院などの施設(1回20食以上または1日50食以上)での調理業務が実務経験と見なされます。また、惣菜作りや魚介類を扱うお店で魚を捌くことなども調理業務として申請が可能です。
雇用形態に関しては、正社員だけでなくパートやアルバイトでもOK。しかし、原則として「週4日以上かつ1日6時間以上」の勤務が必要になります。条件がクリアできていれば、あとは実務経験を示す証明書を手に入れるだけ。従事期間を示すための、調理業務従事証明書をお店や職場に作成してもらいましょう。この証明書は退職した後でも有効で、さらに期間がかぶっていなければ複数の勤め先の合算期間でも大丈夫です。
調理師試験の内容
では調理師試験の内容はどんなものかというと、「食品学」「調理理論」「公衆衛生学」「栄養学」「食品衛生学」「食文化概論」という6つの科目から出題されます。4つの設問から1つを選ぶマークシート方式で全60問、合計得点が満点の6割以上であれば合格! ただし、全科目においてそれぞれの平均点よりも高い点数を獲得しておかなければならないので、全ての科目についてまんべんなく勉強しておく必要があります。
合格率は全国平均で6割程度で、難易度もそれほど高くはありません。厚生労働大臣が指定する試験機関「公益社団法人 調理技術技能センター」の公式サイトでは過去3年分の試験問題や回答が公開されているので、ぜひ一度確認してみてください。
調理師試験の対策について
難易度がそこまで高くないといっても、試験勉強や準備を怠っていてはもちろん合格することはできません。試験対策の方法は人によって様々ですが、ここでは代表的なものをご紹介しましょう。
問題集に挑戦する
最も手軽に始められるのが問題集を解くこと。調理師試験を想定した問題集は数多く出版されており、ほとんどが1,000~2,000円程度で購入できてお財布にも優しいのでオススメですよ。問題集とテキストが一体となっているものが多く、なかにはイラストやマンガなど、取り組みやすい工夫を施している問題集もあるので、自分が気になったものや人気のものをチョイスしてみましょう。また、いくつの本を購入するのではなく、ひとつの問題集を繰り返し解くのがポイント。正解・不正解を確認するだけではなく、なぜ間違えたのかを考えたり、理解できていない部分を勉強しなおすことでより詳しい知識や内容を知ることができるはずです。
通信教育を利用
「独学で勉強するだけで本当に受かるの…?」と不安になってしまう人は、通信教育を利用するという手もあります。多種多様な通信講座を行っている「生涯学習のユーキャン」では調理師試験のための講座も開設されています。また、そのほかの民間団体によって通信教育の講座が開かれることもあるようす。とはいえ時期によっては開催されていないこともあるので、気になる人は該当の団体に必ず確認をしておきましょう。