お客様と一緒に飛行機に乗り込み、空の旅をサポートする客室乗務員（キャビンアテンダント）。かつては「スチュワーデス」と呼ばれていて、今でも女性から高い人気を集めているお仕事ですが、その仕事内容についてあなたはどれくらい知っていますか？
ここでは客室乗務員の仕事内容を具体的にご紹介していきます。また、客室乗務員として働くのに必要なスキルや、業務形態などの働き方についても取り上げているので、仕事選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
どんなことをする仕事なの？
キャビンアテンダントやフライトアテンダントとも呼ばれる客室乗務員のお仕事は、大まかに旅客機の“中でする業務”と“外でする業務”の2つに分けることができます。一般的なイメージでは旅客機の中でする仕事のほうが印象的ですが、実際にはそれ以外にも様々な業務を行っているんですね。
客室乗務員は空港に着いたらまず、自分が搭乗する旅客機の情報を調べなくてはいけません。そしてその上で、旅客機を操縦するパイロットも交えて「ブリーフィング」と呼ばれる打ち合わせを行います。そこでフライトについての基本的な情報や、今回の航路ではどこで揺れが生じやすいかなどの情報を確認するんです。
そうした事前準備の段階が終わったら、次はお客様が搭乗していく「ボーディング」。ファーストクラス・ビジネスクラス・エコノミークラスなどそれぞれ異なる座席にお客様を案内し、手荷物を仕舞うのを手伝ったり毛布や雑誌などを配っていきます。
無事に旅客機が離陸したら、機内食やドリンクの案内を行ったり、様々なお客様の要望に応える仕事に移ります。基本的には旅客機は一度飛び立ったら、決まった時間まで地上に戻ることができないもの。つねにお客様の体調や安全に気をつかい、事故などを未然に防げるように配慮するのが客室乗務員の役目です。そのほか、フライトの各段階で機内アナウンスを行うのも代表的な仕事内容の一つですね。
また、フライトが終了してお客様の入国手続きまで終えられたら、客室乗務員たちの間で「デブリーフィング」という反省会を行うことに。その回のフライトを振り返って、改善点などを話し合います。空の旅ではイレギュラーな事態がつきものなので、どんなトラブルにも対応できるように反省して次に活かすことが大切なんです。
客室乗務員に求められるスキルって？
そんな客室乗務員として働くには、どんなスキルが必要なんでしょうか？ 客室乗務員はお客様が快適な空の旅を過ごせるように、行き届いたサービスを行わなくてはいけません。そのため人当たりの良さやコミュニケーション能力、ホスピタリティといった接客スキルは必要不可欠だと言えるでしょう。また、客室乗務員には英語力も必須で、ほとんどの求人で「TOEIC」の点数を基準に採用が行われます。外国人観光客とコミュニケーションをとれるよう、英語力を磨いておくと良いでしょう。
そして接客よりも重要だと言われる、客室乗務員のもう一つの仕事が「保安業務」。機内で病人が出たときの応急処置や、旅客機のトラブルが起こったときの対応などについて熟知している必要があります。そのためトラブルに臨機応変に対応できる判断力を培っていくことを求められます。
客室乗務員の働き方について
意外かもしれませんが、客室乗務員の雇用形態は派遣社員や契約社員といった非正規雇用が多いと言われていました。大手航空会社の日本航空（JAL）や全日本空輸（ANA）でも、数年前までは契約社員からスタートして、正社員になるまでに何年かかかる…というキャリアパスが一般的だったようです。ですがJALは2016年から、ANAも2014年から客室乗務員を正社員として長期雇用する形に移行しています。現在は業界で客室乗務員の役割が再評価されている段階とも言えるので、ほかの会社での待遇も改善されていくかもしれませんね。
また、客室乗務員の働き方として特徴的なのが、フライトのスケジュールによって生活リズムが左右されるということ。夜間のフライトも珍しくなく、時差の影響なども手伝って体力が削られてしまうもの。一見華やかな客室乗務員のお仕事ですが、実は体力勝負という一面もあるんですね。ただし国際便に搭乗する場合には、様々な国に滞在できるというメリットも。旅行好きで海外に興味があるという人に向いている職種だと言えるでしょう。
画像出典：MIKI Yoshihito / Flight attendants.(from Flickr, CC BY 2.0)、Yahoo Finance Canada / World’s best flight attendants, 2013(from Flickr, CC BY 2.0)、William Murphy / BRAY AIR DISPLAY 2008(from Flickr, CC BY 2.0)