世の中には様々な職業がありますが、販売職はその中でも最も身近な仕事の一つだと言えるでしょう。販売職はお客様を接客して、商品を直接売る仕事なので、誰でも日頃からお世話になっているはずです。
そんな販売職は資格が必要なく、未経験でも働きやすいというのが魅力。今回はこの仕事の業務内容や、求められるスキルについてご紹介していきます。混同されやすい営業職との違いやキャリアプランについても触れているので、ぜひ仕事選びの参考にしてみてください。
販売職ってどんな仕事?
販売職とは文字通り、取り扱っている商品をお客様に販売するお仕事です。そのために直接お客様を接客するほか、商品の在庫管理や陳列を行ったりするのも特徴。接客の内容もレジでのお会計や商品の説明、突発的なクレームの対応と幅が広く、商品についての正しい知識を持っていることやその場で機転を利かせられるような対応力が求められます。
とはいえ、販売職は商品を販売するあらゆる店舗で必要とされるもの。一口に販売職といっても様々な分野があり、取り扱う商品も大きく異なっています。そのため仕事内容も多岐にわたっていて、店舗に訪れるお客様の客層もバラバラ。職場に合わせたスキルを身につけていく必要があるんですね。
なお、販売職は商品を売る仕事なので、営業職と混同されることもよくあります。ですが営業の仕事は顧客に対して“売り込み”を行うことで、購買意欲を引き出すのが特徴。自分から店舗に訪れたお客様を接客する販売職とは別物だと言えるでしょう。
必要なスキルについて
販売職として働いていくには、まず第一に接客スキルが大切。お客様に好印象を与えることはもちろん、丁寧な商品説明を行って購買意欲を高めてあげる必要があるからです。そのため、コミュニケーション能力はもちろん、取り扱っている商品について正しい知識を持っておくことは必須。さらに市場の動向をしっかりと調べて、お客様が何を求めているのか把握しておかなければなりません。
また、販売職は接客がメインの仕事になるため、突発的なクレーム対応がつきものです。クレームの内容は実際に商品に不備がある場合もありますが、言いがかり的なものも珍しくありません。マニュアルでは対応しきれない部分なので、上手くその場を収めるには臨機応変な対応が必要になってきます。
しかし、多様な能力が求められる販売職ですが、求人で資格が必要とされることはほとんどありません。接客スキルも臨機応変な対応力も、教材ではなかなか学びにくいもの。そのため現場で身につけていくのが基本になります。ただし最近では外国人観光客への対応が求められることも多いので、英語力を身につけておくと良いかもしれませんね。職場にもよりますが、「TOEIC」で好成績を残しておけば就職の際に有利になるとも言われています。
そのほかにも、日本商工会議所が「販売士」の資格を発行していて、販売のプロフェッショナルとしての能力を認定しているようです。とくに販売員からキャリアアップして、ゆくゆくは店長や経営者になりたいと考えている人に有用だと言われているので、気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。
キャリアプランを立てる
そんな販売職ですが、どんなキャリアプランが立てられるのでしょうか。まず一つ目が販売員としてスキルを身につけていき、その会社で店長やマネージャーといった立場に昇進するというものです。販売職は一般的に、アルバイトなど非正規雇用から働き始めるもの。そこから働きぶりを評価されれば正社員、管理職とステップアップしていく道が開けてくるんですね。
また、もしその職場で昇進することがむずかしかったとしても、同業他社に転職するという選択肢があります。同じ販売職である以上、接客スキルは活かせるものなので経験者だと転職に有利。そして市場の動向や消費者のニーズを把握する能力を活かして、企画・マーケティング職に転職するという人もいます。
そのほか、店舗で取り扱う商品を買い付ける「バイヤー」も販売職の経験を活かしやすい仕事です。キャリアアップの選択肢はいくつもあるので、自分が将来どんな風に働きたいのか想像して、キャリアプランに合わせてスキルを磨いていけるといいですね。