企業と雇用契約を交わして労働者として働いている人は、雇用契約に従って休日の日数やお給料が定められています。では、個人事業主としてフリーランスで働いている人のお休みは、どのように定められているのでしょうか。
企業の中でも、正社員やアルバイト・業務委託など様々な雇用形態があり、行う業務が同じだとしても、お休みの決まりや取り方は変わってくるようです。
仕事をしていく上で、「休日をどのくらい取得できるか」という事は非常に大切な部分ではないでしょうか。働き方によって異なるお休みの条件を把握して、自分の生活スタイルにあった働き方を選べると良いですね!ここでは、業務委託のお休みについてご説明していきます。
INDEX
■有給や代休は取得できる?
■月にどのくらい休める?
■病欠などの急なお休みはできる?
■業務委託の休日に関するメリット・デメリット!
■業務委託には休みのパターンが色々ある!
有給や代休は取得できる?
フリーランスが業務委託契約を結んで働く場合、有給休暇や代休などは取得できないのです。その理由としては、有給休暇(年次有給休暇)や代休が労働基準法で定められている労働者に対する権利だからです。
業務委託を受けて働く場合には、企業が雇用する労働者の扱いではなく個人事業主となり、それによって労働基準法は適用されないのです。労働基準法で定められている有給休暇とは、労働者の福祉向上を目的としていて雇用した日から6ヶ月の時点で付与される権利です。全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日分の有給休暇が与えられるのです。
同様に、代休休暇も業務委託を受けるフリーランスには適用されず、休日出勤などの代わりにお休みを別日に取るといった事はできません。そのため、企業で雇用されていた頃と比べてみると「休みが少ない!?」と感じる人もいるかもしれません。ですが、個人事業主である以上、自分で上手にスケジュールを組む事さえできれば、会社員時代より有意義な休日取得ができるとも言えるのではないでしょうか。
月にどのくらい休める?
有給や代休を取得できないとなると、実際、1ヶ月でどのくらいお休みを取れるのでしょうか?そもそも、有給がないから休暇を取りづらいのでは?と感じる人もいるでしょう。
しかし、お休みが取りづらいどころか自分次第でお休みできるのが業務委託での働き方なのです。業務委託契約で定められた成果物のノルマや月稼働時間さえ達成できれば、いつお休みを取っても問題ありません。
また、十分な収入が確保できるのであれば、1ヶ月の間でどれだけ休んでも良いので長期連休などの取得も可能になるのです。有給や代休などの制度は適用されないので休んだ分の給料は支払われませんが、休日と出勤日をしっかり計画を立てられれば問題ないでしょう。中には、3ヶ月働いて1ヶ月休むといった働き方をするフリーランスもいるようですよ。
病欠などの急なお休みはできる?
「業務委託期間中に病気や怪我をしたら休めるのか?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。絶対に休めないという事はないですが、仕事を代わりに行なってもらう事ができないので注意が必要です。
また、病気をしたからと言って成果物を納品せずに仕事を投げ出してしまうようではいけません。業務を委託してもらっている以上、成果物を納品するという義務があるので、休む事がわかった時点で企業に相談をしてくださいね。
自分1人で事業を行うフリーランスであれは、急なお休みを取る事になってもさほど問題はないのですが、その場合にも取引先などへの連絡を忘れてはいけません。病気や怪我は突然起こる事が多く、「こんなはずじゃなかった!」と焦ってしまう事もあるでしょう。無理して仕事を続けるのも病状を悪化させてしまうので良くありません。業務委託を契約する際には、このようなアクシデントにも対応出来るように、体調に不安がある人は委託元の企業に伝えておくと良いのかもしれません。
業務委託の休日に関するメリット・デメリット!
「業務委託で働くのが一番合っている!働きやすい!」と感じる人も、そうでない人もいるでしょう。業務委託のお休みは働く人にとって、どんな所がメリットとなるのでしょうか。また、デメリットと感じる事はあるのでしょうか。業務委託のお休みについて、以下のような事が考えられるので事前に見ておきましょう。
休日に関するメリット
業務委託で働くと、企業に勤める正社員やアルバイトとはお休みの取り方が異なります。業務委託だからできる休暇の取り方もあるのでしょう。
- 上司や同僚に気を使わずに休める
- 基本的に休日は自分で決められる
- 長期休暇を取りやすい
正社員など、企業に雇用されている場合には有給を取得する事はできますが、上司や同僚のお休みと重ならないようにするなどの配慮が必要です。しかし、業務委託の場合、業務で連携を取る事もないので、気を使わずにお休みを取得できるのです。成果物の納品日に合わせて自由に休みの日を決められるのも、業務委託で働くメリットにもなるでしょう。
また、集中的にまとまった日にちで勤務して長期連休を取得する事も可能。そうする事で、一般企業のお休みとずらして旅行に出かける事が出来て、通常より安価の航空券が手に入るといったメリットもあるのです。
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休日に関するデメリット
業務委託で働く上で、注意すべき事もあります。お休みは自分次第で自由に取れるイメ-ジもありますが、委託元の企業によっては配慮しなければならない事も出てきます。どのような事に気を付けて、それがどのようなデメリットとなるのかを見ておきましょう。
- 休みを自由に選べないこともある
- 勤務日と休日の区別をつけにくい
「なんで、休みを自由に選べないの?」と思う人もいるでしょう。基本的には、業務の進捗次第で休みを決められるのですが、企業の休日スケジュールに合わせるケースも多いため100%希望通りに休めるとは限らないのです。長期連休を考えている場合には、業務委託契約をする際など、早めに申告しておくようにしてください。
また、業務委託という働き方には休日出勤や残業といった概念がありません。成果物によって報酬を得るため、委託元の企業から労働時間や休日について指摘されるような事もありません。成果物の進捗次第では、夜遅くまで働いてしまう事や休日を返上してしまう事もあるでしょう。それも全て業務委託を受けているフリーランス側の責任となるので、つい働き過ぎてしまうという事も考えられます。
業務委託を受けるフリーランスは、ある程度、企業の休日スケジュールにも合わせられる柔軟さと、働き過ぎてしまわないような管理能力が必要になって来るのですね。
業務委託には休みのパターンが色々ある!
業務委託を受けて働くフリーランスは、お休みの取り方にも工夫をしているのです。労働基準法で定められていないからこそ、しっかり自分でお休みを確保していかなければなりません。
業務に追われていて、気付けば全然休んでいない!なんて事にならないように、自分に合った休み方をしてみて下さいね。ここでは、業務委託だからこそ出来る休日の取り方をご紹介します。
土日祝日を休みにする
友人や家族の中でも、一番多いのではないかと思う土日祝日休み。「暦通り」という言葉が存在するくらい、世間では土日祝日休みが一般的となっている企業も多いのです。平日の日中に働き、夜には業務を終わらせるといった企業は多く、そこから業務を受託しているフリーランスは企業と連携を取るといった意味でも土日休みが効率的でしょう。
企業の休日スケジュールに合わせて受託する場合には、土日祝日の休み以外にも年末年始やゴールデンウィークなどもお休みになる事もあるでしょう。土日休みで働く場合には、友人や家族との予定も合わせやすいため、休日は一緒にお出かけを楽しむなどON/OFFを付けやすくなるのではないでしょうか。
週休3~5日にする
1週間の中で出来るだけ休日を作りたい!という人には、週休3~5日の働き方もおすすめです。休みの日を、趣味や個人的な活動に使いたいという人も少なくありません。
週に3~5日お休みをしても、成果物を納品できれば問題ないのです。月稼働日数が定められている場合もありますが、そうでない限り勤務時間も自由。1日の稼働時間を多く取り、休みの日を増やすという働き方が出来るのもフリーランスの特権です。平日に休日を取れることで区役所や病院などの用事を済ませる事ができ、土日休みとは違った良さがあるのですね。
週6~7日働いて1日の労働時間を短くする
丸1日を仕事に使えないという人もいるでしょう。子育てや家事、介護など、1日の中で3~4時間だけなら手が空けられるという人も多いのではないでしょうか。その場合、1日の労働時間を短くして、週6~7日働くといった働き方もおすすめです。
短い時間で効率よく働くためには、委託元の企業と連絡を取り合う時間を確保したり、1日の業務スケジュールをきちんと報告したりする必要はありますが、生活スタイルに合わせて働くためにはうってつけの休み方ではないでしょうか。
フリーランスは、勤務時間も休日も自由に決められる分、すべて自分で管理しなければなりません。つい、働き過ぎてしまうという事もありますが、上手にコントロールをして休日をしっかり確保するようにしてくださいね!