ブライダル業界で働く人は、一軒家の洋館やレストランを貸し切って挙式・披露宴を行うハウスウェディングや結婚式場などで結婚式のお手伝いをする事になります。また、青い海に囲まれたリゾート地で挙式を挙げる人も多く、住み込みで働いているという人も多いでしょう。そして、一組の結婚式を挙げるために、「ウェディングプランナー」や「ドレスコーディネーター」、「ヘアメイク」や「着付け師」など多くのスタッフが必要になります。さまざまな技術を持つ人材を募集する事になるので、ブライダル業界で採用活動をするのは至難の業。ブライダル業界では、どのように人材を募集していくと良いのでしょうか。今回は、ブライダル業界に合った求人広告の作り方をご紹介します。
INDEX
■ブライダル求人作成のコツ
■ブライダル求人のタイトルやキャッチコピー
■ブライダル業界の仕事内容欄
■ブライダル業界の給与面
■ブライダル業界ならではのPRや店舗紹介
■ブライダル求人に適した写真
■ブライダル求人を作成する上での注意点
ブライダル求人作成のコツ
ブラダイル業界での求人広告を作成する上で、最も大切なのはどのような人を採用するかというのを明確にしておく事ではないでしょうか。ブライダル業界で働く人は様々な役割があり、募集したい職種によって求人広告の書き方も工夫していくべきなのでしょう。ブライダル業界で活躍する人の役割を見ていきましょう。
【ブラダイル業界で活躍する人の役割】
- ウェディングプランナー
- ドレススタイリスト(ドレスコーディネーター)
- 衣裳管理、衣裳メンテナンス
- ヘアメイク
- メイクアップ
- 着付け師
- フラワーコーディネーター
また、どんな人を採用したいかというのも明確にしておく必要があります。「この職場(結婚式場)には、どんな人材が合っているのだろう」などと、企業のコンセプトなども見直して採用活動をしていくと良いのではないでしょうか。
【採用したい人物の経歴例】
- ブライダル業界での経験がある経験者
- 未経験者
【採用したい人物像例】
- 計画性が高い人
- 時間をしっかり守れる人
- 協調性がある人
- 気遣いができる人
このように、しっかり採用したい人物像を明確にしておき、応募条件に書き記しておくと良いですよ。本当は経験者を採用したいのに、求人広告に記載がなければ未経験者ばかり面接に来るなんて事もおおいに考えられます。採用する条件があるのであれば、以下のように記載すると良いでしょう。
【応募条件例】
- ブライダル業界での経験を2年以上お持ちの方
- 美容師免許をお持ちの方(ヘアメイク)
- 営業経験をお持ちの方(ウェディングプランナー)
- 明るく向上心のある方
しかし、この条件ではハードルが高く応募が集まらない可能性もあります。そういう場合には、「○○な方 優遇」「○○な方 歓迎」「資格不問」「年齢不問」などと応募しやすい文言を記載してあげると良いですよ。
また、求人広告を作成する上で気を付けなければならない点があります。「女性を募集したい!」という時に、「女性のヘアメイク募集」などと性別を限定する表記を使うのはNGです。記載しなければいけない事や使用してはいけない表現も法律で決められているので、採用担当者になったらそのあたりも注意しておきましょう。
関連記事:求人広告を作成する際の必須項目と注意点
ブライダル求人のタイトルやキャッチコピー
求人広告のタイトルやサブタイトルは求職者にとって一番目につきやすい部分です。ブライダルサロン独自の取り組みや求職者にとってプラスとなる情報を書くようにしましょう。また、文章の長さも長過ぎず短すぎず、丁度良い文章量で作るのがポイントです。あれもこれもと情報を詰め込むと大切な情報が埋もれてしまう可能性も。サロンの特徴がひと目見てわかるようなタイトルを作成してみて下さいね。
【タイトルの作り方】
Step1.押し出したい待遇を集める
「週1~2日」「土日祝中心の勤務」「ノルマなし」「経験者優遇」「時給2000円」など、他店にはないような待遇を並べてみる
Step2.文章のように組み立てる
土日祝中心の勤務!週1~2日でOK、英国を思わせる式場で幸せな結婚式を作りましょう!時給も2000円で高時給、ウェディングプランナー経験者は優遇します。ノルマなし
Step3.飾り文字などで強調する
<土日祝中心の勤務>週1~2日でOK♪英国を思わせる式場で幸せな結婚式を作りましょう☆時給も2000円で高時給!ウェディングプランナー経験者は優遇◎ノルマなし!
このように、タイトルに載せたいワードを集めてから文章を組み立てると、伝えたい部分を残さず載せられます。飾り文字を付けた後でも、これなら文字数も76文字と読みやすい長さなのではないでしょうか。
ブライダル業界の仕事内容欄
採用をした後にどのような仕事を任せるのか、明確に記載しましょう。「これまでにブライダル業界で働いていたのであれば、だいたいわかるだろう…」と、おおまかな説明で済ませてしまうのはNG。読む人によってはサロンの想いが伝わらず、「別のブライダルサロンも見てみようかな」と応募の機会を逃してしまう事も。
これまで働いてきた人は特に、何らかの悩みを抱えて辞めたという背景もあるかもしれません。ウェディングプランナーであれば、以前勤めていたサロンにはノルマがあって達成しない月が続き、居づらくなってしまった…なんて事も考えられます。「ウェディングプランナーの仕事は好きだから、ノルマのない企業でもう一度頑張りたい!」と思っている人であれば、ノルマなしという言葉が決め手となる可能性もあるでしょう。仕事内容にも、アピールとなる部分は記載しておくと良いですよ。
【ウェディングプランナーの場合】
- ウェディングプランのご提案(※成約ノルマはありません)
- 結婚式の打ち合わせ
- 挙式当日のアテンド
また、ブライダルヘアメイクを募集する場合にも「誰のヘアメイクを担当するのか」という部分を記載しておくと良いでしょう。ヘアメイクを担当する仕事は全て記載するのもポイントです。
【ヘアメイクの場合】
- フォトウェディングや前撮りでのヘアメイク
- 挙式当日の花嫁・列席者へのヘアメイク
- 新郎新婦のヘアメイクリハーサル
また、結婚式では洋装だけでなく和装も人気があります。和装を選んだ新郎新婦に対しては、着付け師が着付けを担当します。着付け師を募集する際の仕事内容の書き方を見ていきましょう。
【着付け師の場合】
- 挙式当日の新郎新婦・列席者への着付け
- 衣裳および着付けに必要な備品の管理
- 受付業務、電話対応
ブライダル業界の給与面
ブライダル業界の給与面は、正社員やアルバイト・パート、業務委託などの雇用形態に分けて「月給○○円~」「時給○○円~」「登録制1本○○円~」などと記載します。ここで注意したいのが、最低賃金を下回らないという事。厚生労働省で発表している最低賃金以上の金額を設定するようにしましょう。
また、業務委託の場合には「登録制」で1婚礼ごとに支払うという事もありますので、月給や時給の他に「1婚礼いくら」という表記も必要になりますね。ヘアメイクや着付け師は、フリーランスとして活動し、色んなブライダルサロンで仕事をしていくという人が多いので、給与額の高さがお仕事選びで最も重要なポイントとなるでしょう。
技術力の向上により設定していたお給料より高く設定できるのであれば、「※経験とスキルによって決定します」などと書いておくのも効果的ですね。(実際に、給与額を上げられる場合のみに限る)
その他にも、技術手当や交通費がある場合には、記載しておくようにしましょう。お給料として支給されるものが全て書いてある事で、就職した後のイメージも付けられるのではないでしょうか。
ブライダル業界ならではのPRや店舗紹介
求人サイトの中で自由に入力ができるPRや店舗情報が用意されている事もありますが、そういった部分を有効活用するようにしましょう。求人作成で最も大切なブライダルサロンの雰囲気を説明したり、待遇面などを紹介したりしても良いですね。
【例:○○ホテル(勤務地)について】
○○ホテルは、英国をイメージした高級感漂う洋館で、日本にいながらイギリスに来ているような感覚になります♪非日常的な空間で、新郎新婦の大切な結婚式をサポートして頂きます。チャペルだけでなく披露宴会場やガーデンも人気があります。
【例:嬉しい待遇が充実】
お仕事とライフスタイルを両立するために福利厚生などの待遇もしっかり用意しています!社会保険や産休制度、完全週休二日制や賞与など、待遇の良さが自慢です。遠方からご入社頂く方へのサポートとして、引っ越し手当もあります。この機会に、移住計画を立ててみても良いかもしれませんね。
【例:こんな方を求めています】
○○ホテルでは、以下のような方を求めています。新しい環境で仲間と助け合いながら、仕事をして行きましょう!
・計画性が高い人
・時間をしっかり守れる人
・協調性がある人
・気遣いができる人
ブライダル求人に適した写真
求人サイトを見ていると各サロンのタイトルもよく目に入りますが、ウエディングフォトやチャペルなどの写真もよく目に入りますよね。結婚式場は、非日常的な空間である事が多いので、インテリアや設備などをおおいにアピールしても良いのではないでしょうか。「このような結婚式場で働いてみたい!」と思わせる事が大切です。
【例えば…】
- チャペルの写真
- 衣裳ブースの写真
- ウエディングフォト
- 披露宴会場の写真
- ヘアメイクをしている写真
このような写真があると良いのではないでしょうか。働くスタッフがどんな人なのかを見る事ができたりサロンの雰囲気を写真から感じられたりするのは嬉しいポイントです。ここで注意しなければならないのが、スタッフを撮影して求人サイトに載せる際に、必ず本人の許可をもらうようにするという事です。
関連記事:求人広告に掲載する写真の効果的な撮影方法
ブライダル求人を作成する上での注意点
ブライダル業界の求人広告を作る際に、気を付けなければならない点があります。求人広告の表記について、いくつか法律で禁止されている事があるのです。採用担当者はそのあたりを念頭に入れて作成するようにしましょう。
【NG表記を少し紹介すると…】
NG1.募集する年齢の幅を断定する
「26歳以上35歳未満の方」「35歳以下のウェディングプランナー経験者」など
NG2.募集する性別を断定する
「女性のフラワーコーディネーター募集」「挙式当日のカメラマン募集」など
このような表記は、「雇用対策法 第十条」および「男女雇用機会均等法 第五条」で禁止されています。とは言っても、サロンの方針として女性専用サロンとしている事もあるでしょう。年齢に関しても、募集したい世代がありますよね。サロンのイメージやコンセプトに合わせて採用活動を行いたいという事もあるでしょう。そういう場合には、以下のように表現を変えてあげると良いですよ。
【OK表現】
- 20~30代のウェディングプランナーが活躍中
- 若年層のキャリア形成のため35歳未満の方を募集
- 男性スタッフも活躍中
求人サイトでは、たくさんの企業がスタッフを採用するために求人広告を掲載しています。数多い求人広告の中で、○○サロンの求人に目を留めてもらうためには、いくつもの工夫が必要です。また、求人サイトに掲載したらOKではなくて応募が入るまでは何度か内容を変更していくと良いでしょう。どんな言葉が求職者に刺さるのかはわからないので、虚偽の内容でない限り少しずつ変化を加えていく事が成功のカギとなるでしょう。
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