テレワーク、時短勤務、フリーランス。現在、日本でも働き方は様々な広がりを見せていますよね。その中でも、今注目されている働き方の一つである「派遣社員」。今働いている職場にも実際に派遣社員が在籍している!という方も多いはず。今回は、派遣とはどんな働き方なのか?アルバイトや人材紹介との違いは何なのか?などを細かくご紹介していきます!
INDEX
■派遣とはどんな働き方?
■派遣とアルバイトの違いって?
■派遣と人材紹介の違いって?
■派遣登録から実際に働くまでの流れ
■Wワークとして派遣で働く事は可能?
派遣とはどんな働き方?
派遣とは、正社員・アルバイトなどと並ぶ雇用形態の一つとされています。
派遣の仕組みで耳にするのが、「派遣先」「派遣元」「派遣社員」というワード。この3つは、以下の画像のような関係性になっています。
業務の指示は派遣先となる直接勤務している会社から受けますが、派遣社員の雇用主は派遣元の企業となります。ですので、派遣社員は同じ会社に勤務している正社員やアルバイトとは給与額も異なる事もあり、給与の支払いは派遣元の派遣元から支払われます。
派遣先とは
派遣先とは、勤務している企業もしくは場所の事です。派遣社員の場合、雇用されている企業は派遣元となる企業となりますので、雇用されている企業と勤務している企業が別の会社という事になります。
派遣先は、派遣社員の受け入れを希望している場合に人材派遣事業をおこなう企業に依頼し、人材を派遣してもらいます。直接雇用しているスタッフとは違い、給与額も派遣元が定め、派遣元によって定められた派遣料金(時給)より下回る雇用はできません。
派遣元とは
派遣元とは、派遣社員が雇用契約を結ぶ企業の事です。派遣社員として働きたい求職者へ仕事の紹介をし、派遣社員を雇用して勤怠管理や給与の支払い等をおこないます。
また、派遣社員が派遣先企業との間でトラブルが生じた場合、派遣元である企業が相談を受け派遣先の企業へ連絡し解決を目指します。通常の雇用形態であれば、勤務している会社の上司に相談するのですが、派遣社員の場合、勤務先ではなく派遣元の企業に相談する事となるのですね。
派遣社員とは
派遣社員とは、就業先の企業と直接雇用契約されるのではなく派遣元の企業に雇われて働くスタッフの事です。派遣形態は2つに分ける事ができ、通常「派遣社員」と呼ばれている人は「一般派遣」で、派遣期間を修了した後に派遣先企業と派遣社員が合意した場合、正社員または契約社員として直接雇用となる「紹介予定派遣」の2つがあります。
日本で本格的に人材派遣の働き方が開始されたのは、1986年に労働者派遣法が施行されてから。元々はアメリカで広く用いられていた雇用形態なのですが、1986年から何度も法律の改定があり、現在のような働き方へと変化を遂げてきました。今後の変化にも期待し、企業と求職者の双方にとって良い環境をなると良いですね。
派遣とアルバイトの違いって?
美容室やネイルサロンなど、派遣社員やアルバイトなど雇用形態はさまざまですよね。「派遣」という言葉を耳にしたことはあるけど、よくわからないという人もいると思います。一見、お客様側からはわかりませんが派遣とアルバイトではどのような違いがあるのでしょうか。
雇用主が違う
アルバイトは勤務先の企業と直接雇用契約を結び、派遣の場合は派遣元の企業と雇用契約を結びます。どちらも業務の指示は、勤務先の企業から指示を受けますが、給与の支払いや保険の加入などの手続きは変わり、雇用契約を結んでいる企業がおこなう事になります。
また、アルバイトで就職する場合、直接、勤務したい企業に連絡し採用面接をおこないますが、派遣の場合、派遣元の企業で派遣登録(面談)をおこない条件の合う企業を紹介してもらいます。
給与の支払われ方が違う
アルバイトは勤務先の企業から直接給与が支払われますが、派遣の場合は登録をしている派遣元の企業から毎月給与が支払われます。勤務地までの交通費や各種手当などもすべて派遣元の企業から支払われ、勤務先の企業とは金銭のやり取りは発生しないのです。
また、派遣社員はアルバイトと違って派遣元の企業がスキルチェックや経歴をもとに紹介され、即戦力として働く事になります。アルバイトの場合、勤務先の企業で募集から面談、採用の判断までしなければなりませんが、その分の手間と時間を派遣元がおこなう為、直接雇用したアルバイトより派遣社員の方が時給が高いというケースが多いのです。
働ける期間が違う
アルバイトは双方の同意があれば何年でも同じ場所で働くことが出来ますが、派遣の場合は「1つの勤務先に最大3年間しかいられない」という決まりがあります。そのため、その期間を超えて働くことはできないのです。(60歳以上の人を除く)
自分に合った企業に出会えたから派遣期間が過ぎても働いていたいと思う人もいると思いますが、派遣先の企業の合意がない場合は期間内で転職を考えなければなりません。
仕事の探し方が違う
アルバイトの場合は仕事探しから履歴書の送付、面接まですべて自分でしなくてはならないのですが、派遣の場合は派遣元に登録さえすれば、派遣元のスタッフが条件や希望に合った派遣先を探してくれるのです。
また、自分の能力を第三者の目で判断し可能性を広げてくれるという利点があるのです。自分では探せなかった企業を紹介してくれたり、一度に何社にも掛け合ってくれたりと就職活動する上で効率的に進めてくれることも。「ここに就職したい!」という風に、希望する企業が決まっている場合には直接応募する方が良いかもしれませんが、自分のスキルに合った企業を見つけるのが苦手…という人にはオススメです。
派遣と人材紹介の違いって?
人材派遣と人材紹介、言葉は似ていますが違いがあるのをご存知でしょうか。派遣元と人材紹介会社では求職者に提供するサービスが異なりますので、どんな違いがあるのかを見て行きましょう。
人材紹介の仕組みって?
人材紹介会社は、働きたい求職者を採用したい企業に紹介し手数料を受け取るという仕組みになっています。求職者との雇用契約を結ぶ人材派遣元とは違い、人材紹介会社では雇用はせずあくまでも求職者とのマッチングや選考のサポートまでです。
人材紹介会社のサービスとしては、主に「一般紹介・登録型」と「サーチ型」の2つに分かれ、人材紹介会社が保有する登録者(求職者)のデータベースの中から採用要件に合う人材を紹介するものから、あらゆる情報(SNSなど)を使って幅広く採用候補者を探すサービスをおこなっています。
雇用主が違う
派遣の場合は、派遣元の企業と派遣社員の間で雇用契約が結ばれますが、人材紹介の場合は、実際に勤務する企業と求職者の間で雇用契約を結びます。
当然ですが、正社員やアルバイトと同様、給与など全て勤務先の企業から支払われる事になります。人材紹介会社は、企業を紹介してくれるところまでとなりますので採用面接は勤務する企業でおこないます。
働ける期間が違う
人材紹介は、勤務先の企業と直接雇用契約を交わしますので特に勤務期間の定めはありません。雇用されたら無期雇用の正社員やアルバイトとして働くことが出来るのです。
一方、人材派遣の場合は、アルバイトとの違いでも紹介した通り派遣期間の定めがあるので、それ以上は働けない決まりとなっています。ですが、一つの企業におさまらず様々な企業でチャレンジできると考えれば、自ずと経験値が上がり、スキルアップにも繋げられるのではないでしょうか。
選考方法の違い
人材派遣の場合は、派遣先との採用面接がなく履歴書等の書類のやり取りも派遣元と派遣先でおこなってもらえます。一方、人材紹介の場合には、普段の就職活動と同様で、登録後に紹介された企業に面接に行くので、紹介はされたけど不採用となるという可能性も比較的高くなります。
人材派遣では特定行為となる採用面接は労働派遣法で禁止されています。その理由としては、派遣社員は勤務先の企業ではなく派遣元に雇われているという事。派遣社員は、派遣元から業務の提供を受けているだけなのです。しかし、求職者を特定する事のない「顔合わせ」であれば法律で禁止されていないので、希望する場合は派遣社員と派遣元の企業を交えて顔合わせという形で面談をして業務開始に備えている事もあります。
派遣登録から実際に働くまでの流れ
人材派遣を利用する場合には、自分で仕事を探す場合とは異なって、まず派遣元との面談や登録が必要になります。簡単な流れをご紹介していきますので、参考にしてみてください。
【派遣登録からお仕事開始まで】
1、派遣元への問い合わせ
まずは自分の希望の仕事を探してもらうべく、派遣元への問い合わせをします。Webサイトや電話、もしくはメールで問い合わせをしましょう。
2、面談日時の決定
派遣元からの連絡を待ち、連絡が来たら速やかに登録のための面談日時を決定します。派遣元がある場所から自宅が遠いなどの理由から、派遣元へ訪問しての面談以外にも電話での面談が可能な場合もあります。その場合、日程を決める際に、派遣元の担当者にその旨を伝えてみましょう。
3、面談・登録
面談当日にはあらためて就職に対する希望などを細かくヒアリングされるので、それまでに自分の希望を考えておきましょう。面談を終えた後に、派遣社員としての登録へと進みます。
4、派遣先のご案内・提案
派遣元の担当者から、自分が伝えた希望に合った仕事内容をもとに派遣先の企業を紹介されます。「働きたい!」と思う案件があれば担当者にその旨を伝えましょう。
5、顔合わせ
派遣先のニーズと合えば、次は顔合わせへと進みます。顔合わせは必須ではないので、希望をしない場合は派遣元の担当者に申し出ましょう。
6、派遣スタート!
顔合わせが無事終了し、希望とのずれがなければその派遣先への派遣がスタート!定められた期間、派遣先で働きます。
Wワークとして派遣で働く事は可能?
派遣の場合には、「2つ以上」の仕事をしてはいけないという決まりが設けられている事はほとんどありません。そのため、Wワークとして働くことも可能です!
ただし、他の仕事との兼ね合いで「土日だけ働きたい」「平日の午前中だけ働きたい」という短い勤務の場合には「日雇い派遣」に該当します。日雇い派遣として働くためには条件があるため、自分がその条件に当てはまっているかどうかは派遣元に確認をしてみましょう。
今の仕事だけでは稼ぎが足りないという人や、1か所ではなく色んな企業で働きたいという人も多いと思うので、Wワークとして働けると自分の理想通りの生活に近づけられるでしょう。働き方は個人の自由なので、ライフスタイルに合った働き方を選択していきましょう。