百貨店やドラッグストアなどの化粧品コーナーで働く、コスメのプロフェッショナル・美容部員。化粧品の知識はもちろん、肌の仕組みやお手入れ方法など、美に関する専門的な知識が必要です。「美容部員になりたいけど、必要な知識や技術がありすぎて何から手をつけて良いか分からない!」という人もいるのではないでしょうか。
美容部員になるために、取得しておかなければならない資格はありませんが、持っている事に越した事はありません。ここでは、美容部員の仕事内容や1日の流れ、役に立つ資格や検定をご紹介します。一流の美容部員を目指して頑張ってくださいね!
INDEX
■美容部員の仕事内容
■美容部員の一日の流れ
■美容部員が持っておきたい資格・検定
■美容部員の接客で活かせる検定
■美容部員のキャリアアッププラン
■どうしたら美容部員になれる?
■キャリアアップを目指すなら資格取得が鍵!
美容部員の仕事内容
美容部員とは、百貨店やドラッグストアなどの化粧品コーナーで働くコスメのプロフェッショナルの事です。別名として「ビューティーアドバイザー」や「ビューティーカウンセラー」と呼ばれる事もあり、その名の通り、美に関するカウンセリングやアドバイスを専門に行っています。その他にも、お客様にメイクを施しながらコスメの紹介をする事もあります。
【美容部員の主な仕事内容】
- 接客、販売、カウンセリング
- タッチアップ(お客様にメイクを施し、実際に色味などを確認してもらう)
- お会計、ラッピング
- 商品の検品、陳列
- 店頭の清掃
- 在庫管理
- 顧客管理
- 新商品案内の準備
美容部員の一日の流れ
美容部員の勤務時間は、百貨店や商業施設の営業時間に合わせて朝10時から20時頃までの事が多く、勤めるブランドによって異なります。ここでは、一般的な仕事の流れをご説明します。
一日の流れは、
9:30 出勤・1日の流れやメールを確認
↓
10:00 店舗オープン、接客
↓
14:00 忙しい時間帯のピークが過ぎたら昼食休憩
↓
15:00 午後の業務スタート
↓
19:00 店舗クローズ、片付けなど締め作業
↓
20:00 退勤
基本的には接客業務が中心ですが、空いた時間を使って顧客にダイレクトメールを発注したり商品の在庫確認をしたり、店内の管理業務を行ったりします。
昼休みは交代で取るので、来客のピークを過ぎた頃を見計らって1時間程昼食休憩をとる事が多いです。
また、店舗がお休みの日やクローズ後には売れ筋商品の共有会議や、今後の戦略を決める会議に参加することもあります。時には化粧品メーカーのインストラクターやメイクアップアーティストを交え、新商品のレクチャーを受けたりメイクのコツを話し合ったりもします。
美容部員が持っておきたい資格や検定
美容部員の仕事は、お客様をカウンセリングすることからスタート。その後、お客様に合うお手入れ方法や商品をお勧めするというのが大きな流れです。その中でも特に重要なのが、お客様への実際のメイクアップ。お客様が満足するメイクを施すことができれば、商品購入に大きく近づけます。メイクに関する検定は様々な団体が行っているので、それぞれの特徴を確認して自分に合った検定を受けてみましょう。
国際メイクアップアーティストライセンス
メイクアップの知識を身に付けるとともに、国際的に通用するメイクのスキルがあることを証明できる資格。認定校で指定のカリキュラムを修了すれば受験できます。登録料と年会費で数万円程度の費用が発生するなど、資格取得と維持に費用がかかりますが、就職や開業、フリーランスとしての活動支援も行ってくれます。
日本メイクアップ技術検定
国内外で活躍できるメイクアップアーティストの育成を目指して作られたメイクアップの検定試験。3級から1級の全級において実技試験が実施されます。3級・2級では規定のメイクを行うだけですが、1級ではカウンセリングとスキンケアに加えてモデルの要望を踏まえてメイクを行うので、美容部員の仕事内容に直結する試験を受けることができます。
日本メイクアップ知識検定試験(旧メイクアップアドバイザー検定)
もともとは「メイクアップアドバイザー検定試験」という名称だったものが、2020年4月に改称されました。メイクアップのための知識やテクニックだけではなく、お客様の要望を引き出すためのカウンセリングスキルや分かりやすくて説得力のあるアドバイス方法など、お客様とのコミュニケーションにまで注目した資格です。日本メイクアップ検定の3級を持っていることが受験条件となっています。
メイクセラピー検定
「化粧療法」とも呼ばれるこの検定は、メイクと心理カウンセリングを組み合わせたもの。心理学などを用いて悩みや不安を取り除きながら、メイクアップを施していきます。美容部員としての仕事に役立つのはもちろん、セルフメイクにも活用できます。
パーソナルカラリスト検定
肌の色や瞳の色、髪の毛など、人はそれぞれ異なるカラーを持っています。一人ひとりの身体の色に合わせて、その人に似合う色を見つけて提案するのが「パーソナルカラリスト」。お客様に合ったアイシャドウや口紅の色など、オススメの色を見つけるときに役立つ検定です。
日本化粧品検定
化粧品や美容に関する知識を保有しているかを確認する検定です。美容部員がメインで取り扱うのがスキンケア用品や化粧品。化粧品に関する基礎知識だけでなく、美容皮膚科学や美容に関する法律などの内容が盛り込まれているので、美容に関する知識を幅広く学ぶことができます。なんと3級は受験料無料!さらにWEBでの受験が可能なので、是非受験してみてくださいね。
美容部員の接客で活かせる検定
売上を上げる事やノルマを達成する事も、美容部員の大切な仕事のひとつ。どんなに知識やスキルがあっても、お客様に商品を購入してもらえなければ意味がありません。接客方法やマナーなどのスキルも身に付けて、自分の成果に繋げていきましょう。美容部員の接客に必要な知識を学んで、検定を受けてみて下さい。
接客心理検定
接客方法に心理学の手法を取り入れた検定。接客をしながらお客様の心理まで読み取ることで、カウセリング力の向上にもつながります。3級から1級が用意されており、2級までは条件なしで受験できるので、自信がある人は2級から受験してみると良いかもしれません。
日本マナー・プロトコール検定
社会人としてのマナーや国際的な儀礼についての知識とスキルを身に付ける事ができる検定です。百貨店で働く事も多い美容部員に質の高い接客力を要求するお客様も多いので、失礼のないようにきちんとしたマナーを身に付けておきましょう。
美容部員のキャリアアッププラン
ここまで、美容部員が持っていると有利な資格や検定を紹介いたしました。美容部員になるからには、お客様にも同僚にも信頼される確かな技術を持ち合わせていたいものです。ただ闇雲に働くのではなく、コツコツのキャリアアップを目指して行くというのも良いのではないでしょうか。美容部員のキャリアアッププランを例としてご紹介します。
【美容部員のキャリアアッププラン例】
1~2年目
新人美容部員として働く
3~4年目
副店長や店長代理を目指す
5~6年目
店長や売り場責任者を目指す
7年目~
本社勤務で商品企画などに携わる
このように、美容部員で働いていくにあたり将来の自分がどんな風に働いてお給料を稼いでいくのかを予測してみると良いでしょう。自分で立てた計画に沿って、今の自分に何が足りないのかを考えていくと自ずと成長し続けられるのではないでしょうか。
どうしたら美容部員になれる?
美容部員になるには、必ずしも特定の学校に通う必要はありません。ですが、スクールや通信教育で専門的なカリキュラムを受ける事によって、美容部員の仕事に役立つ知識や技能を身に付けられます。また、就職活動の際に有利になる資格を取得する事もできるので、将来的に美容部員になりたい人は検討してみると良いでしょう。
専門学校の美容部員向けコースに通う
美容系の専門学校では、美容部員向けの講座を開いているところが多くあります。カリキュラムの内容としては、メイクテクニックや美容に関する基礎知識が含まれているのが一般的。トレンドに合わせたメイク方法や相手の魅力を最大限引き出すためのメイク方法など、応用的なテクニックも学ぶことができるでしょう。また、「日本メイクアップ技術検定」や「メイクセラピー検定」といったメイク系の資格の取得をサポートしてくれる学校もあるようです。
美容学校に通うことの大きなメリットは、幅広い分野の知識を身に付けられること。エステティシャンの仕事に活かせる「認定フェイシャルエステティシャン資格」や「認定ボディエステティシャン資格」、ネイリスト向けの「ネイリスト技能検定」や「JNAジェルネイル技能検定」など、多岐にわたる資格を取得できるチャンスが設けられています。そのほか「パーソナルカラリスト検定」や「色彩技能パーソナルカラー検定」といった、色彩技能に関する資格の勉強ができるのも魅力的です。
また、美容部員は接客業なので、対人マナーや接客スキルが必須となるもの。専門学校のカリキュラムでは単なる知識としてではなく、実践的な対人レッスンによって正しい立ち振る舞いを身に付けていく事ができます。学校によっては「マナー・プロトコール検定」といった資格検定の対策も行っていますよ。
関連記事:美容部員になるための専門学校選び
美容部員向けの通信教育を受ける
スクールに通学しなくても、通信教育で美容部員としてのスキルアップを目指す方法もあります。“美容部員専門”の通信講座は多くありませんが、美容師やエステティシャン志望者向けの講座は様々な学校で開講されています。通信講座のメリットは何といっても、時間の都合がつきやすいということです。実際に美容部員として働きながら、仕事の幅を広げるために通信講座を受けているという人もいるようですね。
また、会社によっては入社した後に、希望者だけに通信教育を促進しているところも。美容部員としてどんな風に成長していきたいのか、将来のビジョンをしっかりイメージしながら行動していきましょう。
キャリアアップを目指すなら資格取得が鍵!
実際に何も資格を取得せずに美容部員として働いている人も多数いますが、ずっと美容部員として働き続け、ゆくゆくはキャリアアップを望んでいるのならばぜひ資格を取得しておくべきです。
化粧品やメイク方法の知識だけでなく、基本的なマナーや色彩、お客様と関わる上で必要な心理学に関する知識も身に付けることで、来店されるお客様からも周囲のスタッフからも信頼を得ることができますよ。
検定合格や資格取得など具体的な目標があれば勉強もしやすいので、自分に必要なスキルや興味のある資格を選んでみましょう。また、いつ受験するのか、いつまでに資格を取得するのかを決めておく事をオススメします。そうすれば後回しにする事なく、仕事に役立つ知識やスキルを身に付けることができますよ。
また、メイクを極めると、メイクアップアーティストへの道を切り開く事もできます。さらに、メイクだけではなくヘアアレンジもできるようになると、ぐっと仕事の幅が広がるでしょう。美容院に勤めたり、着物サロンやブライダルサロンなどに勤めたりと、就職先の候補も広げられますよ。そして、美容部員の中には、お客様に「美」全般のアドバイスをするために、美容に良い食べ物の知識を身に付けるために栄養士の資格を取得したり、マッサージの技術と知識を身に付けたりする人もいるようです。
このように、美容部員としての知識を持つと活躍できる幅が広がるので、ひとつずつチャレンジし、なりたい自分に合った資格や検定を受けてスキルアップを目指して行きましょう。