バーバーとは、床屋・理容師のこと。ここでは、最近「床屋」ではなく「バーバー」として、人気が高まっている理由を探ります。
バーバーの需要が高まっている理由
昭和のイメージから脱却するバーバー
「バーバー」と聞くと半袖白衣でお腹の出たエビス顔の店主がやっている、昔ながらのイメージを感じさせますよね。しかし、最近のバーバー事情は少し違うようです。英国感溢れるクラシックな店内に、上質な黒で統一された服を、ビシッと着こなした男性店員がジェントルメンの髪をカットしてひげを整える…そんなバーバーもあるそう。
おしゃれだけど、過ごしやすい店内
若い男性の中には、美容室へ行く人も多いようですが、ある程度年齢を重ねると女性向けのオシャレな雰囲気の美容室へ行くことをためらってしまう男性も多いそうです。バーバーはインテリア・内装など、男性向けの空間づくりにこだわりを持っています。また、男性のみのスタッフというところも、来店される男性のお客様にとって過ごしやすいのが魅力的なようです。
バーバーならではのサービス
美容室ではカミソリを使って顔剃りをすることは法律で禁止されていますが、理容師は顔剃りのサービスを提供することができます。おしゃれな美容室では、顔剃りをやってもらえないが、床屋では雑誌に載っているようなヘアスタイルにしてもらえるか不安。そんな方がバーバーに行き、自分のなりたいイメージに合わせてヘアセットすると同時に、顔剃りをして身なりを整えます。
おしゃれさにこだわるバーバーを紹介
バーバーは若者から年齢を重ねた紳士まで、多くの男性の憩いの場となっています。どのようなお店があるのかチェックしてみましょう。
カッコよさを追求するオールドアメリカンなバーバー
店内は古き良きアメリカの雰囲気を再現しています。インテリアにもこだわりを持ち、白黒の写真が掛けられている壁にクラシカルなジャケットを掛けたトルソー(胴体だけのマネキン)、細かいデザインが施されたアンティークなレジなどを配置。日本にいることを忘れさせて、まるでアメリカの上流階級者になったかのような、ひと時を感じられる空間を提供しています。若者から年配の人まで、男のロマンを求めるお客さんにウケており、クラシックアメリカンな雰囲気が人気を集めているようです。理容師がスタイリッシュでカッコよく働けるのも魅力的ですね。
地中海を思わせるアトリエのようなバーバー
昔ながらの日本のバーバーや欧米スタイルのバーバーとは違う、地中海にあるアトリエを思わせるような外観をしたバーバーも存在します。バーバーのイメージを抱かせない雰囲気が若い男性の入店への抵抗を弱め、利用率を高めているようです。店内はイスと鏡と少しの観葉植物が置かれており、シンプルイズベストにこだわっています。カットを担当する理容師もカジュアルな服装に身を包んでおり、まるでアーティストのよう。カッチリと決めずに、気取らないで働けるのがうれしいですね。
「和」をコンセプトにした道具や技術にこだわりを持つバーバー
暖簾(のれん)が掛かった外観からはバーバーとは思えない、まるで「和食屋」なバーバーもあるのです。店の入り口には盆栽が構えており、近未来的な鏡張りの店内へ誘う様子が不思議な感覚にさせます。移動式のシャンプーブースや座り心地のよいリクライニングなど最新式の道具を使っており、快適にカットを進めることが可能です。利用する人には年配の男性が多く、メニューを見て話をじっくりと聞きながら注文できるのが魅力なのだとか。職人気質な理容師さんがこだわりをもってカットできるのがうれしいポイントの1つですね。
バーバーでの働き方とは
男性のお客さんに寄り添って働く
バーバーは美容室と比べて華やかなイメージは少ないものの、日本人男性を支えてきた影の立役者ともいえます。現にバーバーでカットや顔剃りをするだけではなく、理容師さんとの話を楽しむお客さん、リクライニングに身をゆだねカットを任せるお客さん、など男性の憩いの場としても人気。そんな空間を演出して、最高のサービスを提供するのが理容師さんです。
おしゃれな理容師として働く
今までは、美容師・理容師の住み分けがありましたが、2016年の法律改定により垣根が低くなりました。そのため、理容師や美容師の働き方も多様化することが予想されます。美容師として活躍してきたれども、男性のお客さんに向けてもっとサービスを提供したい、理容師のイメージを壊しておしゃれさを追求したいという人にとっては、バーバーで働くことは新たな領域となるでしょう。