美容院に行くと、スタイリストさんが「コーム」と「ブラシ」を上手に使い分けて髪をセットしてくれますよね。大きくまとめると「髪の毛をとかす道具」ではありますが、それぞれに違いはあるのでしょうか。自宅で使う櫛の種類は気にせずに使いやすさだけで決めている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、コームとブラシの違いや種類、用途についてご説明します。
INDEX
■コームとブラシの違いとは?
■よく聞く「くし」とは違うの?
■コームの種類
■ブラシの種類
■コームやブラシのお手入れ方法
■コームとブラシは使い分ける
コームとブラシの違いとは?
「コーム」と「ブラシ」、それぞれに用途があるのはご存知でしょうか。美容師であれば、商売道具のコームとブラシは完璧に使いこなしているかと思いますが、そうでなければあまり深く考えないかもしれません。そこで、コームとブラシの特徴をご紹介していきます。
コームとはどういうもの?
コームとは、薄い板状になっているものが多く、歯も直列に並んでいるのが特徴です。その形態はさまざまで、全体が歯になっているものもあれば、半分だけ歯がついているものもあります。
コームは、日本語で言えば「クシ」ということになります。つげのクシなどを思い浮かべると分かるように、非常に細い形状をしています。温泉やホテルに備え付けてあるアメニティに、よくコームが置いてありますよね。
薄くて軽いため持ち運びがしやすいのが特徴的で、外出先で髪の乱れをなおすために使用している人が多いはず。また、ヘアセットをする際に髪の毛にボリュームを出す為に、コームを使って逆毛を立てたりします。
夜会巻きなどのアップスタイルでは、コームがそのままヘアアレンジに使われることも。
ブラシとはどういうもの?
ブラシとは、直線的ではなく歯がたくさんついているものを言います。プラスチックで使ったものもあれば、動物の毛を利用したものまでさまざま。コームに比べて厚みがあり、髪の毛を効率よくとかすことができるのが特徴です。
スケルトンタイプと呼ばれるハブラシのようなかたちをしたものもあれば、一面が歯になっている「ロールブラシ」というものもあります。ロールブラシは髪をかき分けやすく、カールも作りやすいので初心者におすすめです。
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よく聞く「くし」とは違うの?
櫛(くし)には、つげ櫛といった美髪効果のあるものもありますが、基本的にはくしもコームも同じです。前述したように、櫛(くし)を英語で書くと「comb(コーム)」と言い平たいコームもブラシもくしと呼ぶ人は多いでしょう。
しかし、美容師のように商売道具として使っている人はくしとは呼ばず、コーム、ブラシ、さらにはそれぞれの種類名で呼ぶ人もいるのではないでしょうか。コームのように平たい形をした「つげ櫛」は、本ツゲを用いたくしとして有名なので覚えていても良いかもしれません。
つげ櫛には髪質や用途に合わせてさまざまな形があり、日本髪用の髪結い道具としては、相撲や歌舞伎などの世界において今も昔もなくてはならない存在なのです。また、「美髪効果」も抜群!静電気が起きにくいので髪を傷める事なく使えたり、椿油でお手入れをするため髪をとかすだけで自然なツヤ髪に変身したりと良いことだらけのくしなのです。
くしの中でもちょっぴり特別な「つげ櫛」は、綺麗な髪の毛を目指す人なら1本は持っておきたい商品ですね。
コームの種類
テーツコーム
これは美容師がよく使用するカットコームになります。基本的に髪の毛をとかしながらカットする際に使用するコームになります。
美容室でカットしてもらったことがある方は、一度は見たことがあると思いますが、全面にくしがついており、荒歯と密歯の2種類を使い分けます。美容室ではコームかカットコームと呼ばれています。
ジャンボコーム
その名の通り、サイズが大きめのコームです。
こちらも主に美容師が美容室で使用することがほとんど。コームが粗いためとかしても髪が絡まりにくく、カラー剤を塗布した後やシャンプーの前のブラッシングなどで使われることが多くあります。
また、ウィッグのように絡まりやすい髪をとかす際にも度々使用されています。
自宅では、トリートメントをした後にこのジャンボコームを使ってとかすと髪全体にトリートメントが広がりやすくなります。髪の多い人や硬い髪質の人でも扱いやすいのが特徴的。
テールコーム
櫛の反対側に、しっぽのように細くとがった持ち手のついたコームのこと。別名リングコームとも呼ばれています。櫛の目が非常に細かく、主にパーマのロッドを巻く際に使用をするものです。
髪の細かい調整ができるため、セットコームと同様にヘアセットに用いられることも多くあります。ただ、テールコームにはプラスチック製のものが多く、静電気が発生して髪が痛みやすくなるため、逆毛を立てたりするヘアセットの場合にはあまり好まれません。
セットコーム
テールコームとあまり変化はありませんが、セットコームは髪の毛をセットする時に使用します。
逆毛専用コームやカーボン製のコームは静電気が起きないのでアレンジやセットに向いています。また逆毛をたてるだけではなく、面を綺麗にするときにも使用します。コームを寝かして髪の毛を梳かすと綺麗な面を作ることが可能です。
ブラシの種類
ロールブラシ
ロールブラシは、カーラーのように丸く全体的にピンがついています。
主にブローするときに使用するブラシですが、ロールブラシでも大きさや毛の質など種類は様々です。ロールブラシはドライヤーの熱で髪の毛をまっすぐにしたり、毛先にカールを付けたりすることが可能です。ドライヤーの熱で髪を傷めることはありますが、ヘアアインロンなどでセットをするより、ロールブラシを使用した方が傷みは最小限に抑えられると思います。
デンマンブラシ
イギリスのデンマン社から誕生した、デンマンブラシ。ロールブラシが全体にピンがついているのに対して、こちらは半分だけにブラシがついています。
ブラシの目が細かいので髪の毛の絡まりをしっかり取ってくれる他、頭皮マッサージにも優れているのでとても優れものです!またブローする際にも、毛先にカールを付けることもできますし、ブローをすると髪の毛にツヤがでます。
スケルトンブラシ
一見おもちゃのようなブラシですが、濡れた髪もしっかりと梳かすことができるのがこのスケルトンブラシです。
クセ毛の方やパーマをかけた方は、は、普通のブラシを使うとウェーブが取れやすくなったりカールが伸びてしまったりする恐れがあります。パーマスタイルの人はくしの荒いスケルトンブラシで優しくとかしてあげましょう。
クッションブラシ
ブラシ部分が丸く盛り上がっていて、ピンの根元が柔らかいクッションでできているのがクッションブラシです。髪をとかす時にクッションが衝撃を吸収してくれるので、髪へのダメージを最小限に抑えることができるのが特徴的。
髪の毛を抑えるというよりも髪の毛にボリュームを出したい人に優れている為、髪の毛が細い方や、髪の毛をまとめるときに使用します。ブラッシングすることで髪の毛にボリュームを出してくれますので、使い方も簡単です。
コームやブラシのお手入れ方法
長く使い続けるために、コームやブラシもお手入れをする必要があります。材質によってその手入れの方法も異なるので、いくつかご紹介します。
ナイロン・プラスチック製の場合
コームやブラシに付着した皮脂汚れは大体がシャンプーで落とすことが出来るので、シャンプーをとかした水やぬるま湯に数時間つけておき、その後にしっかりと洗い流して下さい。
汚れが多い場合にはシャンプーだけではなくハイターや重曹を使ってもOK。
ハイターを使う場合には直接手で触ると荒れてしまうので、必ずゴム手袋をつけて行うようにして下さいね。
木製の場合
木製の場合はナイロンやプラスチックのものとは異なり、水やお湯につけることは基本的にNG。何度もつけ置き洗いをしていると、水が木の部分にしみ込んでカビの原因になってしまいます。
ブラシの間に絡まった髪の毛は、専用の小さなブラシで掻きだすように取り除いてあげましょう。それでも取れないような隙間の汚れは、爪楊枝を使ってあげると綺麗になりますよ。
どうしても汚れが気になる場合は、人肌よりも少しぬるいくらいのお湯で優しく洗うようにしましょう。
お湯で洗った場合には、しばらく風通しの良い場所に置いて、木の内部までしっかりと乾燥させることが大切です。
動物の毛でできている場合
豚やいのししなどの動物の毛でできているブラシの場合も、基本的にはあまり水やお湯につけてはいけません。シャンプーや重曹で洗いたい場合には掃除用のブラシをシャンプー入りの水につけて、それで汚れを掻きだすように洗って下さい。
動物の毛は何度も水につけることで劣化してしまい、抜けやすくなってしまうので注意が必要。水をつけたブラシで洗った後は、しっかり乾燥させることも忘れないようにして下さいね。
コームとブラシは使い分ける
コームとブラシですが、これは「どちらがよい」と言えるものではありません。
どちらにもそれぞれの用途があり魅力があるからです。コームは逆毛を立てたり、分け目を作ったりするときに使いやすく、薄くて持ち運びがしやすいので旅行にも便利です。
ブラシは、「髪の毛をとかす」ことに重点をおいたものです。「ブラッシング」という言葉があるように、ブラシは艶出しのために非常に役立ちます。カールを作るときにもブラシは大活躍!「どんな素材で作られているか」にこだわり、自分の髪質にあったものを選べば、さらに使い勝手もよくなるでしょう。
セットのときは、両方を使うようにすることで、より美しく、より整ったヘアスタイルを作り上げることが出来ますよ。
いかがでしたか?ブラシやコームの中にも色々と種類があり、用途も変わってきます。美容師のように、ブラシとコームを上手に使い分けられると良いですね♪
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