華々しく見える美容師の仕事ですが、実際には、まだ法律で定められた労働基準が守られず、残業代の未払いなどの問題のある店舗も残っているようです。ここでは労働組合が美容師にとってどんな存在なのか、美容師は労働組合をいつ、どのように活用できるのかお伝えします。.
美容師にとっての労働組合とは
勤めるサロンにもよりますが、過酷な労働条件の下で働いている美容師は少なくないといいます。そんな美容師の労働条件を改善したいということで美容師向けの労働組合が結成されています。
過酷の労働条件の下で働かれている美容師の方の悩みは主に以下のような内容が多いようです。
- 休憩時間が取りずらく、結果的に朝から晩まで働いていることがある
- 労働時間に対する残業時間の手当てが無い
- 労働時間、内容に対する給与が少ない
- 教育費などが給与から天引きされている
このような美容師の労働環境を改善して、国が定めた労働基準に合った労働条件の下で美容師が働けるようにするために労働組合は活動しています。
美容師の労働組合の活用方法
もし勤務している美容院で「1日の10時間以上などの長時間労働が普通になっている」「毎日残業なのに残業代がもらえていない」「お昼休憩分の賃金は給料からしっかりと引かれているのに、お昼の休憩はほとんどもらえていない」ということがある場合は、労働組合に相談することができます。
労働組合は、残業代が未払いといった問題のある複数の美容室から残業代を勝ち取る交渉を行っていますので、相談することで労働条件が改善されるかもしれません。
実際にある大手会社経営の美容室には、労働基準法に違反した長時間の時間外労働、残業代の未払い、労働基準法違反の賃金からの天引きといった問題がありました。しかし、労働組合による交渉の結果、残業代の支払いに応じ、労働環境の改善に向けて良い取り組みがなされるようになったという実例があります。
これまでは、いくら美容師側が労働条件の悪さを訴えても泣き寝入りで済まされるケースが後を絶ちませんでした。ですが最近では、労働組合を活用することで美容師が職場環境を良くするために働きかけることができるようになっています。
仕事を辞める前に労働組合に相談を
労働組合による働きかけのおかげで、美容師の職場環境は徐々に改善されてきています。しかし、残業代の未払いなど国が定めた労働基準法に違反する労働条件の下で働いている美容師もまだいるのも事実です。そして職場環境や労働状況が理由で仕事を辞めてしまう美容師もいます。今回ご紹介した内容を参考に、辞めてしまう前に労働組合へ相談してはいかがでしょうか。これまで働いてきた職場の労働条件改善のために働きかけてもらえるかもしれません。