ファッションの1つに「V系」というスタイルがあります。いわゆるヴィジュアル系ロックバンドのメンバーと同じような派手髪、カラー、ファッションをするスタイルです。
そんなV系のお客様が来店された時、美容師はどのような提案をすればいいのでしょうか。
V系の髪型やカラーの変遷
1980年代後半、日本ではヴィジュアル系ロックバンドが大ブームになりました。色とりどりの派手髪と濃いメイクをした美形のアーティストがロックを歌うスタイルは、瞬く間に多くの女性ファンを虜にしました。
やがて最初のブームで生き残ったバンドが本来の姿に戻り、親しみやすさを前面に押し出した新たなV系が登場します。ウルフカットをベースに束感を強調してボリュームや動きを出しているのが特徴です。
カラーもベーシックなブラックやブラウン、アッシュグレーが主流になり、普段の生活でも違和感なく取り入れられるようになりました。
ロングにするかウルフカットか
お客様が何となくV系にしたいのであれば、まずはロングにするのかウルフカットにするのか確認しましょう。ロングにするのはエクステを使えば簡単で、地毛とエクステでカラーを変えればきれいなツートーンになります。
基本はまっすぐ下ろしますが、80年代のように根元を立たせて毛束を散らす「筋盛り」も人気です。
ウルフカットにするなら左右でアシンメトリーにしたり、レイヤーやツーブロックで長いところと短いところのメリハリをつけたりすると、印象的な毛束を作りやすくなります。
顔周りは顎まで長くして輪郭を隠すと小顔に見えるでしょう。
カラーリングは明暗でアクセントを
現在では、V系でも初期のように全体を派手髪にするのは稀となりました。
けれども、その名残はまだまだ残っており、近年はベーシックなカラーにメッシュやポイントカラーでアクセントをつけるのが主流です。
メッシュは、地の髪と同系色で明暗をうまく組み合わせると自然で見映えも良くなります。例えばブラウンをベースにするなら、ゴールドとブラックです。
赤や黄色とも馴染みが良いでしょう。メッシュを青や紫にするなら地のカラーはブラックが向いています。
V系の基本を押さえればアレンジも可能
20代の美容師にとってV系は馴染みが薄いかもしれませんが、人気のヘアスタイルと根幹は同じでレイヤーの使い方がポイントになります。
そこから毛束感を強調し、カラーで派手髪にすればV系の出来上がりです。
お客様にはベースとなるスタイルとカラーを提案して、そこから希望や顔の形、表情に合うようにアレンジしていきましょう。
基本を押さえていれば、大胆にアレンジしてもV系らしくみせることは十分に可能です。そのようなお客様にも対応できるように、多彩なスタイリングを身に付けましょう。