パーマやカラーの施術をする際に行われる「前処理」。
元々の料金に含まれているか、お客様がオプションで付けるかは美容院によって異なりますが、前処理は多くの美容院で勧められています。
今回は前処理の効果やお客様への説明方法について確認します。
前処理の役割
前処理の役割はパーマ剤やカラー剤などに含まれるケミカル成分による髪への負担を軽減すること。ダメージを抑えることで仕上がりを美しく見せる効果も期待できます。
前処理の詳しい効果は次の通りです。
ダメージを受けた髪を修復
一度パーマやカラーなどのケミカル施術を受けると、薬剤に含まれる成分によって髪がダメージを受け、タンパク質が流れ出ます。髪を構成しているのは主にタンパク質であるため、タンパク質が少ない髪には空洞ができ、パーマ剤やカラー剤も抜けやすいです。
ダメージを受けた髪を修復してパーマやカラーの仕上がりを美しくするのが前処理。施術前にタンパク質を補うことによって空洞がなくなり、薬剤が均一に浸透し、パーマやカラーがかかりやすく、美しく仕上がります。
髪への負担を軽減
パーマ剤やカラー剤による髪への負担を軽減することも前処理の役割です。前処理を行うことでタンパク質の流出を防げるため、施術後のダメージを予防できます。
また、美容院によっては前処理として髪に水蒸気を当てることでキューティクルを開くことにより、髪に優しい薬剤での施術を実現していることもあります。
前処理の説明ポイント
美容師にとって前処理は欠かせないというイメージがありますが、お客様は前処理の必要性がわかりません。前処理を行う前にメリットを説明し、納得したうえで施術を受けてもらいましょう。
前処理をわかりやすく説明するポイントは以下を参考にしてください。
ダメージによるデメリットを伝える
髪が薬剤でダメージを受けると、パーマやカラーがかかりにくく、仕上がりに満足できない可能性があると伝えます。
前処理によって得られるメリットを伝える
前処理によって髪と似た成分であるタンパク質を補うことでダメージが抑えられ、仕上がりも美しくなると説明します。
ケミカル施術が初めての人には前処理が逆効果の可能性も
ケミカル施術が初めての場合、髪がダメージを受けていなければ前処理によるメリットを得られないこともあります。それだけでなく、前処理の薬剤で髪がコーティングされてパーマ剤やカラー剤が浸透しない可能性もあるため、初めての人にはメリットとデメリットを詳しく説明しましょう。
わかりやすい説明でお客様に納得してもらおう
ケミカル施術の前処理は仕上がりを美しく見せ、ダメージを軽減するために大切なものです。お客様に納得して前処理を受けてもらうためにも、わかりやすくメリットを説明してください。
お客様に説明するときは専門用語を使わず、実感できる効果を伝えれば、必要性を理解してもらえるでしょう。
なお、お客様の中には前処理を受けるとサラサラな髪をキープできると思っている人もいます。前処理は薬剤によるダメージ軽減を目的としているものであり、キューティクルを維持したいときは日ごろのケアが大切だということも忘れずに伝えてください。