初めて入店してくれたお客様はとても緊張しています。特に男性客の場合は、美容室の独特な雰囲気に慣れていないという人が多く、なりたいスタイルや注文をしっかりと伝えられません。そこで今回は、美容室で希望のヘアスタイルについての注文をうまく伝えられない男性のお客様に対して美容師はどのようにカウンセリングを行うとよいか解説していきます。
迷わずヘアカタログを差し出す
最も確実にスタイルが把握しやすいのは、ヘアカタログです。多くの美容室では、あまりスタイルを伝えてくれないお客様には、まず、ヘアカタログを差し出しています。ヘアカタログは、スタイルのイメージがとても鮮明に掴みやすく、口頭でスタイルを説明されるより、お客様がどのようなスタイルを望んでいるのか、瞬時に把握できるのです。
ヘアカタログから細かな所を聞いていく
しかし、ヘアカタログだけでは限界があります。なぜなら、ヘアモデルの頭の形や顔の骨格、髪の質などが人によってそれぞれ異なるものだからです。そこで、ヘアカタログを差し出したら、細かい所を質問していきます。
例えば、「サイドの長さはこのカタログ通りでいいですか?」というような、YESかNOで答えやすい質問を投げかけます。カタログに掲載されているスタイルをベースにお客様が望むスタイルの細かい特徴を説明しやすい状態に促します。
カラーの状態も同じ方法を使います。ヘアカタログを指差し、「これと同じ明るさや色味でいいですか?」と質問すると「これよりも少し暗めのカラーが良いです。」などと答えてくれます。そして、チャートを見せて、「では、このくらいのカラーになると思いますが、よろしいですか?」という感じで質問を繰り返すことで、そのお客様が求めているカラーがどのようなカラーなのかパズルを組み立てるように段々と理解できるようになります。
「おまかせします」と言われてしまったら…
ヘアカタログを差し出しているにもかかわらず、「おまかせします」と言われてしまったら、お客様はそれほどスタイルに執着はありません。要するに「似合っていればなんでもいい」ということです。ここは美容師の腕の見せどころ。お客様の骨格、髪質、毛流などをしっかりと把握して、そのお客様にピッタリのスタイルへ導きましょう。
事前ヒアリングが重要
実は、このようにこだわりが少なく、注文する時にも「似合っていればなんでもいい」という男性は再来率高めです。さらに、女性のこだわりが強めの人よりも他の美容室に浮気をする可能性も低く、リピート率もとても高いです。
また、そのお客様の口コミから奥様やお子様などにもお声がけしてもらえると、口コミによる新規指名客のご予約も入ります。このようなお客様を取り逃すことのないように、しっかりとカウンセリングするように心がけてみてください。