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男性は美容室で髪を切れなかった法律とは
美容室で男性のお客様にカットのみを行うのは違法だったって知っていますか?男性のカットが解禁されたのはなんと2015年。つい最近のことなのです。ここでは、どうしてそのようなルールがあったのか、またルール撤廃に至った理由についてお話します。
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男性のカットのみが禁止されていたワケとは?
美容室で男性のお客様がカットのみのサービスを受けるというのはよくあることに思えますが、2015年に法律が見直されるまでは厳密には法律違反とされていました。
というのも、美容師が男性にカットのみのサービスを行うことは旧厚生省が1978年に出した通知によって禁止されていたからです。男性のお客様が美容室を利用する場合は、カットのみではなくパーマネントウエーブ等のサービスを受ける必要がありました。
このような通知が出された背景には、理容師と美容師の定義が法律によって次のように分かれていることにあります。
- 理容師「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること」(理容師法第1条の2)
- 美容師「パーマネントウエーブ・結髪・化粧等の方法により、容姿を美しくすること」(美容師法第2条)
因みに美しさを求める女性の場合は、カットのみであったとしても無条件で美容室を利用することができるとされています。そのため、法律が見直されるまでは必然的に「理容室は男性が行くところ」「美容室は女性が行くところ」というような区別のようなものがついてしまっていたわけです。
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現在ではカットのみでもOK
法律が見直されるまでの約40年間は、美容室で男性のお客様に対してカットのみのサービスを提供することは禁じられていましたが、それでもカットのみで利用していた男性のお客様が多いのも事実です。
美容室での男性のカットのみの利用を厳しく取り締まる自治体もありましたが、ほとんどの美容室では男性・女性を問わず、すべてのお客様にカットのサービスを提供していたのではないでしょうか。
このような時代の流れを受け、2015年7月に法律が見直され、美容室が男性にカットのみのサービスを提供することを禁じたルールが撤廃されました。また、それまでは理容師が女性のお客様にパーマを行うこと禁止されていましたが、そのルールも廃止されました。この法律の見直しによって、これまでついていた理容室は男性が利用するところ、美容室は女性が利用するところといった区別のようなものはなくなりました。
男性のお客様にも居心地のいい空間を
今も美容室ではシェービングを行うことができませんが、法律が見直されたおかげで法律に違反することなく男性のお客様でもカットのみのサービスを提供することができます。
とはいえ、今でも美容室は女性が利用するものというイメージを持つ男性のお客様が多いのも事実です。ですから美容師は男性のお客様が気兼ねなく利用できるようなお店づくりをするようにしましょう。男性のお客様にも居心地がいい空間を提供することで、多くの男性に利用してもらえるようになるはずです。
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