美容師はお客様との距離が近い職業です。だからこそ体の臭いには日ごろから注意したいものです。特にワキガはお客様を遠ざける原因になってしまいます。どのような対策やケアで防げるのか知っておきましょう。
自分のワキガに気づくことが大事
ワキガ(腋臭)とは腋の下から放出される強い臭いのことで、人によって鉛筆やスパイス、雑巾など臭いの質が異なります。かつてはフェロモンの役目を果たしていたので今でもワキガを好む人はいますが、多くの人は不快な思いをします。美容師の場合、お客様の顔の高さに腋が来やすいので、より臭いを感じさせやすくなります。
たとえワキガだったとしても自分自身は臭いに慣れているため、なかなか気づきません。だからと言って周りから指摘するのも「傷つけてしまうのでは?」と躊躇われてしまいます。カットやシャンプーの腕には自信があるのにいまいち指名されない時は、自ら注意して対策やケアするのが大事です。
ワキガのセルフチェックをしてみよう
ワキガが疑われる時は、まず下着や衣服をチェックしてみましょう。汗ジミができていたり、黄ばんでいたりするなら要注意です。腋毛に白い結晶が付着していたり、耳垢が常に湿っていたりするのもワキガのサインです。ワキガは遺伝の要素が強いので、家族や親類にいたらワキガになる可能性は高くなります。
最も確実なのは誰かに指摘してもらうことです。同じサロンの仲間や友人から率直な意見を自ら聞き出しましょう。家族や恋人はあまりにも近すぎるので、逆に分からないかもしれません。
汗のコントロールでワキガは抑えられる
自分がワキガだと分かったら、なるべく臭いが強くならないように対策します。ワキガは汗をかくと臭いが強くなるので、こまめに濡れタオルやウェットシートで汗を拭き取り、その後に制汗剤を使って発汗を抑えます。
汗が下着や服に移るとさらに臭いが強くなるので、替えの腋パットや下着を用意すると良いでしょう。臭いの元となる肉などの動物性タンパク質や脂肪分を控えるのも効果的です。
完全にワキガを止めるには、原因となる「アポクリン腺」を切除しなければいけません。手術には20~50万円ほどかかり、方法によっては傷跡が残ったり、再発したりするなどのリスクがあります。薬の内服や塗布など、他にも治療法があります。手術はあくまでも最終手段と心得ておきましょう。
いつもワキガに注意して対策とケア
ワキガは何らかの対策やケアをすることで、その臭いを気にならないレベルまで抑えられます。日本人の1割はワキガだと言われていますが、実際にそう感じさせる人は少ないはずです。多くは自覚していつも注意を払っています。
自分では気づきづらく、対策やケアには手間もかかりますが、これも美容師として円滑に仕事をするための一環として意識しましょう。