無断で遅刻やキャンセルをする、カラーリングをするのにパーカーを着てくる…。美容師にもいる「苦手なお客様」ですが、どのような対応を取るのがベストで、来店をお断りする場合にはどのようにお伝えすれば良いのでしょうか。今回は苦手なお客様への対応を考えていきましょう。
こんなお客様は要注意
よくあるお客様の困った行動や、来店をお断りせざるを得ない時の対応例をいくつかご紹介します。
無断で遅刻やキャンセルをする
「お客様」とはいえ、無断で遅刻やキャンセルをすると一日の接客スケジュールが狂ってしまいます。常習犯なようであれば、担当者を変えたりブラックリスト入りさせましょう。また、大幅に遅刻しているのに、何食わぬ顔でご来店してきた場合には後にも他のお客様の予約が入っている事を説明し、メニューによってはお断りする事をお伝えしても良いでしょう。
施術しづらい洋服を着る
タートルネックやパーカー、白い服など切った髪がつきやすい、汚れが目立つ洋服で来店されるお客様です。
美容師側からすればかなり厄介ですが基本的に悪意はなく、他のお客様の迷惑になるわけでもないので、明らかにヘアカットの邪魔になるときだけ脱いでいただくようにしましょう。
その下はインナーや下着しか着ていないということも多いので、代替の洋服を用意しておくと、いざとなったときに気軽にお願いできます。
シャンプーの時に頭を上げる
シャンプーの際に、後頭部や襟足を洗うのにお客様の頭を持ち上げようとすると、重いのではないかとお客様自ら頭を上げてしまう方がいますよね。実は、重心のバランスが不安定となり、とても洗いづらくお湯が首から入ってしまうのではないかと心配になってしまいます。お客様は美容師のことを気遣って頭を上げているので、そんな時は優しく「頭は下げたままで大丈夫ですよ」とお伝えしましょう。
自分で髪をカットやカラーリングし、修正を美容師に頼む
セルフカットやカラーリングができる手先が器用なお客様に多く「美容師ならキレイにしてくれるかな」という期待のもと来店しています。あまりにもひどい状態で来られたり、中には髪色戻しでブラックにしてしまったあとにクリーム色などブリーチが必要なカラーを注文をされる方もいらっしゃいます。真っ黒にした髪を赤味のない色合いにするのは至難の業。美容師は頭を抱えてしまいますよね。ですが、こちらも悪意はなく、お客様のピンチをうまく切り抜けられれば常連客となる可能性もあるので、お客様に寄り添った接客をしましょう。
大声で下ネタを話す
近くに異性のお客様や美容師がいるとかなり気まずくなります。また、下ネタが苦手なお客様もいらっしゃいますので、担当するお客様がそのような事態を引き起こした場合には、お客様へさらりと控えて頂くようお願いしましょう。それでもやめないようであれば、新規客でもブラックリスト入りさせ、今後、さらに問題が大きくならないよう気をつけましょう。
来店をお断りするときは
来店をお断りする場合には注意が必要です。なあなあな理由を述べてお断りするのでは、お客様も納得しません。迷惑行為などを繰り返すお客様には、しっかりと理由をお伝えしお断りしましょう。断り方の参考をご紹介します。
- 「うちではお力になりそうにもありませんので他でお願いします」
- 「あいにくスケジュールがいっぱいで…」(これを繰り返す)
- 「諸般の理由からお客様の入店をお断り致します」
もし、理解して頂けなさそうなお客様であれば詳しく理由を述べるより「こちらの力不足でお受けできません。申し訳ございません」などと言い、争いや口論になるのを防ぎましょう。
私的な事情で雑な対応を取るのはNG
美容師も人間ですが、お客様の態度が気に入らない、オーダー内容が気に入らない、仕事内容が嫌い、サロンスタッフ同士の関係が上手くいっていないなどの完全な私情で、お客様へ雑な接客をしたり、ブラックリスト入りさせたりするのはプロ意識に欠けている行為です。美容師もお客様もその日のコンディションに変化はあるものの、ブラックリストやお断りなど何らかのアクションを起こす際は、今一度、判断があっているのか再確認してから行いましょう。
お断りの対応をする時は、下記の判断基準でなおかつ第三者視点から行うと良いでしょう。
- 他のお客様に迷惑をかけた
- 自分以外の美容師に迷惑をかけた
- 悪意がある
- 美容院ビジネスに大きな影響を及ぼした
上記の事をしてくるお客様であれば、お断り、もしくはブラックリスト入りさせて良いと言えます。
苦手なお客様もお客様であることを忘れない
美容師が苦手だと思うお客様の大半は、悪意があってその行動をしているわけではありませんし、他のお客様や美容師に迷惑をかけているわけでもありません。
何かしらの処分を下したくなるのもわかりますが、美容室はビジネスの場であり、あなただけではなく様々な人が携わっています。
苦手なお客様もお客様であることを忘れず、自分だけではなく他人からの視点も大切にしましょう。