美容師になる人の中には商業高校などを出たために簿記の資格を持っている人もいるでしょう。簿記ができる美容師はどんなメリットがあるのでしょうか?また簿記の知識がいつ役立つのかこちらで解説していきたいと思います。
美容師が簿記の資格を持っているメリットとは?
美容師と簿記は直接的には関係がないように思えるかもしれません。しかし独立して自分のサロンを持つ場合や、サロンに属さずフリーランスの美容師として働く場合には、持っておくととても役立つ資格です。
お店として、また個人として売り上げが発生した場合には、税務署に申告が必要になります。またお店で従業員を雇っている場合は年末調整をしなければなりません。もちろん税理士にお願いすることもできますが、自分でやることができれば、税理士費用を節約することができます。
別のメリットとして、簿記の知識があれば売り上げに対して純利益がどれだけあるのか、お金の流れを把握することができるので、余分なコストをカットするのにも役立ちます。さらに所得に対してどれだけの税金がかかってくるのかについての知識を持っておくことで、上手に節税対策を立てることもできます。
美容師は美容に関する知識だけがあればいいと思われがちですが、上手にサロンを経営していくためにはそれだけでは十分とはいえません。簿記などの知識を持っていることが、経営を上手くやっていくためには役立ちます。
簿記の知識はいつ役立つ?
美容師が簿記の知識を持っている場合、具体的にどんな場面で役立つのでしょうか?
確定申告をする時
自分でサロンを経営している場合、サロンの売り上げから諸経費を差し引いた1年間分の所得を申告する必要があります。サロンに属さずフリーランスの美容師として働く場合にも自分で1年間の所得を申告する必要があります。確定申告を行う期間は毎年2月16日~3月15日の間です。
個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」とがあります。両者の違いを簡単に説明すると、白色申告は比較的大雑把な所得の申告で良いのですが、受けることができる控除額は10万円です。一方、青色申告は簿記を使って帳簿付けすることが求められますが、控除額は65万円になります。
多くの個人事業主は、税金を抑えるために青色申告を行いますが、それには簿記を使った帳簿付けが必要となります。簿記の計算は複雑ですので知識がないと税理士頼みになりますが、簿記の資格を持っていると自分で申告することができます。
年末調整をする時
従業員を雇っているサロン経営者は、従業員の年末調整をする必要があります。これは従業員の毎月の給料から天引きされている所得税と本来従業員が支払うべき1年分の税額の過不足を計算することをいいます。この計算も簿記知識があるとスムーズにできます。
サロン経営者は、年末調整を行った後に源泉徴収票(給与支払報告書)を作成し、従業員と税務署に渡す必要があります。このような場面で簿記の資格や知識をもっていると非常に役立ちます。
美容師になるにも簿記を知っておいた方がベター
美容師として働く中でも、簿記の知識を持っていることのメリットは大きいです。大人になってからも取れる資格でもあるので、勉強してみる価値はあります。