美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.03.27

作成:2017.04.24

美容師

腰痛で悩む美容師におすすめの改善方法

腰を痛める女性
 

「腰痛」は美容師の職業病の中の一つで、数ある職業病の中でも多くの方が悩まれているようです。一日中立ちっぱなしであり、前屈みや中腰になることが多いので、どうしても腰に負担がかかってしまいます。どのような治療や改善方法があるのでしょうか。

腰痛の原因はシャンプー? 対策を紹介!

特に腰痛の原因になりやすい作業がシャンプー。なかでも「サイドシャンプー」は仰向けに寝ているお客様に美容師が覆いかぶさる形になるので、腰への負担が大きくなってしまいます。

 

対策としては、シャンプー台を「サイドシャンプー台」から「バックシャンプー台」に替えることが有効。「サイドシャンプー台」は洗面部分が壁面にくっついているサロンでよく使用されている形のもので、美容師はお客様の横に立ってシャンプーをします。一方、「バックシャンプー台」は洗面部分が独立しており、美容師はお客様の後ろからシャンプーすることが可能。

 

「バックシャンプー台」は美容師の腰への負担が減る一方で、首の下が洗いづらいなどのデメリットも。他にも、自動でシャンプーを行ってくれる「オートシャンプー台」も少しずつ普及し始めています。こちらはシャンプーをする手間自体が省けるというメリットがありますが、襟足を洗い残してしまったり人の手で洗ってもらった時のような心地よさが感じられないといったデメリットもあるようです。

腰痛でまず整形外科を受診した方が良い理由

診察する医師
 

2~3日安静にしても腰痛が改善されない場合は、整形外科を受診します。腰痛の原因が「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」であれば、専用の治療を行いますが、腰痛の8割以上は原因が特定できない「非特異的腰痛」です。腰痛は筋肉や骨、関節の異常によって発生しますが、どの部位に問題があるのか特定するのは意外と難しいものです。

 

治療は投薬や局所麻酔(ブロック注射)、ストレッチなどの運動、リハビリが中心で、よほど悪化しない限り手術は行いません。改善方法としてはあまり意味が無いように思えますが、病院で受診しておくと、他の治療法に移行する時、医師の同意によって健康保険が適用できる場合があります。例えば、鍼やお灸、あん摩、整骨院などです。

正しい姿勢で腰への負担を軽減しよう

どんなに医療機関や、整体・マッサージなどの民間療法で腰痛の症状を和らげても、原因となる習慣や環境がそのままだと、根本的な解決にはなりません。けれども、美容師の仕事をしている以上、自分の意志で環境を変えるのは難しいものです。

 

せめて、正しい姿勢をとるように心がけましょう。それが最も筋肉に負担をかけないからです。特に気をつけたいのが立ち方です。自分では真っ直ぐ立っているつもりでも、明らかに重心が前後左右のいずれかに偏っている可能性があります。サロンの先輩や同僚など、第三者の目でチェックしてもらいましょう。

 

美容師に多い前屈みの姿勢は、腰にかかる負担を2倍近く増幅します。仕事中の痛みがつらい時は、骨盤用のベルトでサポートすると、腰にかかる負担が分散されて楽になるかもしれません。医療機関で相談し、着用を検討してみましょう。

ストレッチや運動、睡眠で腰の疲れをリセット

伸びをする女性
 

普段の生活においても、腰痛の改善方法があります。例えばストレッチです。一日一回は睡眠前に取り入れて、凝り固まった筋肉をほぐし血行を良くしておきましょう。ただし、間違った方向に動かすと悪化させる恐れがあるので、事前に医療機関のアドバイスを受けた方が安心です。

 

運動不足も腰痛の原因になります。日頃から体を動かす習慣をつけておきましょう。ウォーキングだけでも十分な効果があります。プールで水中ウォーキングをすると腰への負担が軽減されます。また、睡眠は一日の1/3近くを占めているため体に合った寝具を使う事も大切です。購入前にはフィッティングして自分の体に合ったものを選びましょう。

美容師の腰痛は労災になるの?

業務の影響で腰を痛め、通院しながら仕事を続けるという美容師もちらほらいる様子。実際のところ、美容師の仕事で患った腰痛は「労災認定」されるのでしょうか。

 

厚生労働省がWEBで公開しているリーフレットによると、腰痛の認定要件は「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」の2種類。美容師の腰痛に関しては“突発的な出来事が原因ではない”“腰に過度の負担のかかる仕事に従事する”ため、「災害性の原因によらない腰痛」に含まれます。

 

ただし、「作業の状態や作業期間などからみて、仕事が原因で発症したと認められるもの」という条件もあり、具体的に認定されているものでは、重量物を運ぶ仕事などが多いよう。美容師の腰痛はなかなか労災と認められにくいのが現状です。

 

他にも、美容師ならではの悩みとしてよくあげられるのが「薬剤などによる手荒れ」。独立行政法人「労働者健康福祉機構」によると、手荒れが労災認定されるためにはパッチテストによる原因物質の特定が必要。手続きがなかなか面倒なので申請されないことが多いようですが、ひどい手荒れに悩む人は、一度相談してみると良いかもしれません。

 

悪化させないように上手に付き合っていこう

美容師の仕事を続ける限り、腰痛とは上手に付き合っていかなければいけません。完治は難しくても、症状を悪化させないように気をつけたいものです。日頃から、腰に負担がかからないように意識して仕事をしましょう。

 

医療機関を受診するのはもちろん、休みの日は運動する機会を設けたり、整体やマッサージを受けたりするなど、できるだけメンテナンスの時間を作ります。体調管理も仕事の一つです。

Author:美プロ編集部

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