美容室などでヘアカットを行う「美容師」は、一般の人にもなじみ深いお仕事ですね。しかし美容師といっても、アルバイトで働く人や正社員として勤務する人などその働き方は様々。中には派遣社員として美容師の仕事をする人もいるんですよ。
そこで今回は派遣社員として働く美容師についてご紹介。美容師派遣サービスに登録して実際に働くまでの大まかな流れや、派遣社員という働き方のメリットまで見ていきましょう。また店舗側から見た派遣社員を雇う利点についても取り上げていきます。
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派遣社員として美容師になるには?
そもそも派遣社員という雇用形態がどのようなものなのか、知っていますか? まず基本的なことですが、美容師派遣サービスを利用して働いた場合、雇用主は美容室やサロンなどの店舗ではなく、派遣サービスを行っている派遣会社になります。
そのため給料も店舗からではなく、派遣会社から支払われるわけですね。また、勤務時間や待遇といった労働条件の相談も、派遣先の店舗ではなく派遣会社とやりとりをすることになります。
それらのことを踏まえて、派遣社員として働き始めるまでの流れを見ていきましょう。
- 電話などでの申し込み(エントリー)
- 面談日時の決定
- 登録・派遣先の紹介
- 派遣先の決定
- 勤務開始
まずは美容師の求人サイトなどから美容師派遣サービスを探し、電話などで申し込みをします。
すると後日、派遣会社から折り返し連絡がくるので、面談の日程を決めましょう。
ちなみにこの面談は「登録会」といった形で行う派遣会社がほとんど。登録会では基本的なスキルのチェックや、派遣サービスシステムの説明、今後の仕事の希望条件のヒアリングなどが行われます。
スキルチェックが終了して派遣スタッフとして登録されると、「コーディネーター」を紹介され、希望のシフトや仕事内容、条件などを話し合うことに。
コーディネーターとは派遣スタッフの要望に合った仕事を紹介してくれる、派遣先と派遣スタッフの架け橋となる存在。派遣会社によっては専属のコーディネーターがついてくれるところもあるので、派遣先とのトラブルからちょっとした不満まで、どんな些細な事でも相談してみましょう。
コーディネーターと希望の派遣先を決めたら、後日メールや電話などで正式な勤務依頼が送られてきます。労働条件などを確認して受諾したら、いよいよお仕事開始。
出勤日には直接派遣先に向かい、働き始めます。勤務中の具体的な業務については、派遣先のサロンや美容室によって違うので、店舗の指示に従うようにしてくださいね。
派遣社員という働き方のメリット
派遣社員で美容師になるメリットはどこにあるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。
- 自分に合った働き方ができる
- 勤務時間に融通が利きやすい
- 人間関係の悩みがない
まず1つ目は「自分に合った働き方ができる」ということ。派遣美容師の仕事内容は派遣される店舗によって様々ですが、登録の際に「アシスタント」から「スタイリスト」まで、自分のレベルに合ったランクを選ぶことができます。
正社員やアルバイトの場合、アシスタントとして就職すると施術スタッフにランクアップするための研修に参加させられることもありますが、派遣社員の場合には派遣先で必須の研修というものはほとんどありません。とはいえ派遣会社では定期的に無料の研修を行っているので、自由に働きたいけれどしっかりスキルアップを目指したいという方にもぴったりの働き方と言えます。
正社員の場合には自分で辞めない限り半永久的にそこのサロン・会社で働くことになりますが、派遣社員の場合には期間が設けられています。3か月程度の短期間での仕事や週20時間程度の短い時間での勤務も可能なので、比較的自由に働くことができます。
「お客様との関係性が面倒」「社内で、先輩後輩との関係性を築いていくのが億劫」といった、職場の人間関係に関する悩みを抱える方は少なくありません。
派遣社員の場合には長期間その職場で働き続ける事が少ないため、正社員やアルバイト・パートと比べて人間関係の悩みも少ないでしょう。
この他にも「憧れのサロンや会社にも入社しやすい」「色々な職場で経験を積み、自分に合った仕事を見つけられる」などたくさんのメリットがあります。
今まで派遣として働いたことが無い方も、ぜひ一度派遣の働き方を視野に入れて就職活動を行ってみては?
店舗側が派遣社員を雇うメリット
それでは店舗側がアルバイトや正社員ではなく、派遣スタッフを雇うメリットはどこにあるのでしょうか。こちらに関してもいくつか見ていきましょう。
- 必要な時に必要な人材を活用できる
- 人件費を抑えることができる
- 職場全体の効率化を図れる
美容室の場合にはその仕事の性質上、平日の開店間際は全くお客がこないのに、休日になると打って変わって店内が混雑するなど、集客状況が一定じゃないところがほとんどです。当然店舗側も休日に従業員を増やすなどの工夫はしますが、従業員のスケジュールや病欠といったアクシデントが起こって、お店を回すだけの人員を揃えられないこともあります。
そういった時に「休日のこの時間にこんな技術をもったスタッフが欲しい!」と、ピンポイントに人員が補充できる派遣サービスが重宝されるのです。
正社員を採用するとなると、求人広告を出したり何度も面接の時間を設けたりとどうしても一定のコストがかかってきます。ですが、派遣の場合にはこれらのコストが不要!また、人材派遣を利用すると保険や福利厚生も派遣元で負担になるので、低コストで効率的に人員の確保が叶うのです。
一般的に直接雇用のスタッフよりも時給が高いため、コストがかかってしまうと勘違いされることもある派遣ですが、実はその反対なのだということをぜひ知っておきましょう。
直接雇用のスタッフと違い、自分たちで0から教育をする必要がないということも人材派遣を利用する大きなメリットの一つ。
即戦力として活躍してくれるスタッフを派遣してもらい、他のスタッフには自分の仕事に集中してもらうことができますよ。自分の仕事に集中することで自分自身の成長も早まり、結果として職場全体の効率化を図ることができるのです。
人材派遣というサービスは、働く側にとっても雇う側にとってもメリットがたくさん!もちろん、派遣を希望する職種や時期によって必ずしも希望の人材がすぐに確保できるとは限りませんが、1つの就職手段・採用手段として念頭に置いておくと良いですね。
画像出典:Franklin Heijnen / P2010705 (from Flickr, CC BY 2.0)、Herry Lawford / Bellevue Road (from Flickr, CC BY 2.0)、Carlos ZGZ / Scissors (from Flickr, CC BY 2.0)