美容スペシャリストな自分になるために

更新:2016.06.23

作成:2016.05.10

美容師

美容師にとっての開業の指針! 事業計画書を作成するためのポイント


開業するときには、事業計画書が必要になる、ということを聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。名前だけ聞くとすごく難しそうで、しり込みしてしまう人も多いかもしれませんが、必ず作っておいたほうがいいものなんですよ。
 
事業計画書は、開業資金集めや従業員募集、開業予定店舗の説明が必要な際にとても有利に働きます。また、事業計画書を確認しながら開業準備をおこなうことで、コンセプトを見失うことなく進めていけます。自分自身の中でコンセプトを固めていくためにも、まずは自分で考えて書いてみることが必要です。今回は自分で事業計画書を書く際にポイントとなる項目を紹介していきたいと思います。

事業計画書っていったいどういうもの?

事業計画書とは、事業の核となるコンセプトをまとめて、書面化したものです。公的な手続きの際に参考書類として求められたり、また自分自身でもコンセプトの確認などをしやすくなります。事業計画書を作成していく過程の中で、コンセプトを数値などと現実的に示し合わせて見直すことも出来るので、コンセプトを現実的に固めていくことにもつながります。
 
事業計画書には決まった書式はありません。インターネットなどで、フォーマットとして出回っているものも多いので、参考にしながら書いていきましょう。ただしフォーマット通りに書くのではなく、自分自身で考えて事業計画書を作っていくことを意識してください。
 

項目1 事業構成の骨組み

まずは、自分自身と自分の会社をきちんと伝えることが大切。ここが、事業計画書の核の部分で、読む人にとっての第一印象となる部分です。どのような事業をおこなっていきたいのかをわかりやすく、しかし、相手にこの人なら出来る! と感じてもらえるような熱意を込めて書いていきましょう。

企業概要

社名、事業形態(株式会社か個人事業かなど)、代表者、所在地、従業員数などの基本情報と、開業者の過去の経験・ノウハウ・技術、起業の動機などを書いていきます。会社とあなたのプロフィールになる部分です。所在地や従業員など現時点で決まっていないものは予定でも構いませんので、どうしたいと考えているかをきちんと記しておくことが大切です。

開業への思いと将来ビジョン

開業に対する自分自身の思い、経営理念や目的を書いていきましょう。また、結果としてどのような将来ビジョンを立てているのか、ということも大切です。この部分はあなた自身の開業への思いを一番しっかりと伝えることが出来る場所。きちんと思いを伝えることで、読み手から共感を得て、事業に協力してもらえるようにしていきましょう。
 

項目2 事業内容

事業内容では、サロンを最終的に成功させていくための客観的な検証とデータをまとめていきます。商品やメニューの必要性や、なぜ成功につながっていくのかということを相手に伝えることで、サロンを具体的に想像しやすくなります。また、この項目では自分自身が持っているノウハウや技術を記載することで、サロンを成功させる、という意気込みと確信を相手に持ってもらうことも出来ます。
 

項目3 経営戦略

事業内容を参考にしながら、店舗として経営するために必要な部分を明確にしていきましょう。サロンを成功させるには営業日や時間、料金などについても、現時点での暫定計画で構わないのでなるべく具体的に考えて、戦略と利益を出すための仕組み作りをしていきましょう。
 

項目4 資金計画

資金計算は、見積もりにはなりますが出来るだけ正確な数字を出していきます。開業準備、そして開業後のことも考え、いくらお金が必要なのかを計算することが必要不可欠です。計算する際は、下記の3つに分けて計算すると資金計画がまとめやすくなりますよ。

事業・商品別売上利益計画

月ごとの事業や商品の売り上げをまとめたもの。月の収入はいくらになるのか、また内訳を詳細に予測することで、経営をおこなうための具体的なビジョンが見えやすくなってきます。

予測損益計算書

開業後一年で予想される損益を計算したもの。月ごとの売り上げ利益も参考にしながら一年でどのくらいの収益を出すことが出来るのか計算していきましょう。新規サロンは半年で利益を出すことが目安だといわれているので、一年以内にはきちんと経営がプラスになっているような計画をたてることが必要です。

開業資金計画・収支計画

開業に必要な設備、備品、店舗・事務所などの借入費用、内装工事費、仕入れ費用・広告費、その他の諸経費を当初1年間の月ごとの収支計算を表に落とし込んだもの。つまりは、開業費用も含めた一年での計画書になります。
 
資金計画は、融資を受ける際などに特に重要になってきます。オープン後の資金やりくりまで出来る限り予想して、開業・経営にはいくら必要なのか、なぜ必要なのかまで含めて明確にしていきましょう。
 


 
 
事業計画書は、ただ資金集めや開業準備に必要になるだけではなく、自分自身の開業への熱意と現実性を相手に伝えるためにも大切なものです。最終的に専門家や独立している美容師など知識を持っている人に見てもらい、何度もリテイクしていくことも必要ですが、まずは自分で考えてみる、その後に他者の視線を入れて、客観的な意見や疑問点を把握して修正していきましょう。

Author:美プロ編集部

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