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美容師のハサミってどこで買えばいいの? その疑問にお答えする“美容師のハサミの購入方法”
みなさん、普段ハサミってどこで買っていますか?「ホームセンターとかスーパーとか、どこにでも売っているのでは?」と思うかもしれませんが、実は美容師が使うハサミはどこでも買えるものではないのです!
最近では通販やネットオークションなどで比較的簡単に買えるようになってきましたが、基本的に美容師用のハサミは会員制の店舗やショールームで試して購入をするというのが一般的。
じゃあどこで買えばいいの? という人のために、今回は美容師のハサミの購入方法をご紹介。
通販はもちろん、実店舗での購入方法に加えて、中古販売などの情報も載せているので、参考にしてみてくださいね。ハサミのお手入れ方法、使い方や持ち方についても解説しているので、購入した後に読んでも役に立つはず。
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美容ディーラーから購入する
「美容ディーラー」という職業があるのをご存知ですか? 美容ディーラーとは、美容専門の商品やサービスをメーカーから買い取って、理容師や美容師、店舗やサロンに販売する人のこと。
扱う商品もカラー材やシャンプーといったものから、ハサミやパーマのための機械など、幅広く扱っているところが多数。「美容ディーラー」とは理・美容師の人やサロンにとっての商社のような存在なんですね。
そんな美容ディーラーは商品補充や新商品の説明などでサロンや専門学校などを定期的に訪問してくれるので、その時にハサミを購入することができます。
美容ディーラーによって取り扱うハサミのメーカーや種類は異なりますが、実際にハサミを見て購入できるのが嬉しいところですね。
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じっくりゆっくり選びたい! という人にオススメの買い方とは?
美容ディーラーから購入する場合、実際のハサミを見ることはできますが、気になるメーカーや欲しい種類のハサミがないということも。時間も限られているので、その場で購入を決められないという人も多くいます。安くても数万円、高ければ数十万円の買い物になるので、ゆっくりじっくり選びたいですよね。そんな人にオススメなのが、実店舗での購入です!
ただしこれらのお店は普通のお店とは違い、会員でないと入れないことがほとんど。美容用品の卸問屋がお店をやっていることが多いため、一般の人は入ることができない場合が多いのです。理容師や美容師に加えて、理容・美容に関係する職業の人、あるいはそれらに関連する分野の学生であれば会員として認められることが多いようなので、事前に登録しておくのが賢明。また、ハサミメーカーが運営しているショールームに出かけていき、相談や試し切りをさせてもらいながらじっくりと自分に合ったものを選ぶのもおすすめです。
岡本商會
大阪と東京に店舗をもつ美容専門の卸問屋。美容・ネイル・エステや化粧品を中心に美容用品を豊富に取り揃えています。
もちろんハサミも取り扱っており、同社オリジナルのハサミに加えて、異なるメーカーのハサミを実際に手にとって見ることができます。会員以外の人はお店に入ることができないので、事前の会員登録が必ず必要。一部の商品は通販での購入も可能です。
マスダ増
1945年創業の総合卸売り商社で、ハサミなどの美容・理容材料に加えて、アクセサリーなどの装飾品も豊富に扱っている会社です。
お店は東京都日本橋。同社は日本橋の店舗で登録手続きを行っていますが、美容用品のバイヤーかあるいは美容サロンに関係している人のためのお店のため、学生や一般の人は入店できないとのこと。会員登録には書類も必要なので、何が必要なのか事前に確認してから来店してみましょう。
ミズタニシザーズ
表参道と浅草の他、松戸と大阪にもショールームを持つミズタニシザーズは、創業1921年の理美容師から高い信頼を受け続ける理美容鋏メーカーです。機能性とファンション性を兼ね備えたハサミは海外での評価も高い。青山通り沿いのミズタニのショールーム「モヨ・コネクション」では、実際にウイッグを切って150種類以上あるハサミを試ことができ、カスタマイズの相談も気軽にできる場所になっています。
光邦シザーズ
東京渋谷と大阪にショールームを持つ光邦シザーズは、職人の技術が光るフィット感の良さと、飽きの来ないデザイン、重みがあることで安定感の増す切れ味が人気で40年以上にわたり理美容師に信頼されてきたブランドです。ショールームでは、実際にハサミを試して購入することができる他、ハサミの修理についても対応しているそうです。
ロイヤルマスターシザーズ
2005年の会社設立後、東京の表参道と大阪の心斎橋にショールームを構え販売を行うロイヤルマスターシザーズ。それぞれの手のサイズを測った上で、手にぴったりと合ったシザーを提供しています。
業界初の女性用シザーである「プリンセスマスターシリーズ」も高い人気を誇っており、摩耗耐性に優れた超密度炭素鋼で作られた最高級の刃材と、他のメーカーにはない王冠型にデザインされた小指かけが特徴的です。
近くにお店がない! という人には通販がオススメ
付き合いのある美容ディーラーはいるけれど、気になるメーカーや欲しい種類のハサミを取り扱っていない…。
あるいは、近くにお店がないという人は通販での購入を考えてみてはどうでしょう? 美容ディーラーが運営する通販サイトやメーカーが直接販売してくれる通販サイトなどでも、ハサミを購入することができます。
アクシスシザーズ
アクシスシザーズは、値段が高くて当たり前だったプロ用ハサミをネット通販&大量仕入れすることにより、低価格化を実現したハサミメーカーです。1万~3万円という安価な価格帯で買えるわりに、その切れ味と質には定評があります。関東の若手スタイリストを中心に人気急上昇中のメーカーです。
ハサミ屋はやし
ハサミ屋はやしは、鋏研ぎ師の店長が長年の経験から選び抜いた有名シザーメーカー14社2000種類以上を取り扱うプロ用ハサミの専門店です。実店舗は石川県にあります。
メーカー、サイズ、形、価格帯から探せて目的のハサミを選びやすいサイトになっています。ハサミを最良の状態で安心して使えるようにと、出荷前に店長が丁寧に検品・調整してから出荷するというのが特徴です。
インターネット通販なら中古のハサミを購入することも可能。でも「値段は安くて良いけど、中古ってなんだか心配だなぁ」って、思っちゃいますよね。
美容師用のハサミの中古を販売するのは、ほとんどが研ぎ師さん。
そのため、販売されている中古品もあらかじめ研磨や調整をしてくれています。また、ハサミメーカー自身がリメイクした中古品やアウトレット品の販売などもあるので、安心して購入できます。
ほかにも、ネットオークションなどを通して個人から中古品を購入するという方法もあります。ただ、ハサミの状態や良し悪しが分かりにくいこともあるので、これら方法で購入するときには注意が必要です。
美容師用のハサミと、普通のハサミの違いとは?
そもそも、普通のハサミと美容師用のハサミの違いって一体何なのでしょうか?
普段使っているような紙を断つハサミとは違い、美容師が使う髪を切るためのハサミは「シザー」と呼ばれています。
見た目はそこまで大きく変わりませんが、切れ味はまったく異なります。普通のハサミは切った時にザクザクという感触がありますが、美容師用のシザーだととても軽い切り心地で、サササーっと切れるのが特徴的。
刃の作りを顕微鏡で見てみると分かりやすいのですが、通常のハサミに対してシザーの刃は本当に細かく研がれていて、切り口にほとんど凹凸がないのです。
もちろん綺麗に髪を切るためには滑らかな切り心地が役に立ちますが、使い方を誤ると大けがをしかねないので、使用するには細心の注意が必要!
ハサミは、1つだけでも大丈夫?
デビューする前からずっと、お気に入りの1つを使い続けているという人もいるかもしれませんが、基本的には2つ以上持っていた方が安心です。長い髪を梳く場合や前髪を細かく整える場合など、1種類の刃だけでは対応できない場合が必ず出てくるからです。
また、もしカットをしている最中に誤ってハサミを床に落としてしまった場合、拾って同じものを使い続けるわけにはいきませんよね。お客様の目の前で他のスタッフに借りることも難しいので、必ず予備の1本くらいは用意しておくようにしましょう!
ちなみに、美容師の使うハサミはとても繊細にできているので、高いところから落としてしまうと一度落としただけでも切り心地が大きく変わってしまうことも…。少しでも刃が欠けてしまうと上手くカットをすることができなくなるので、大事なハサミを落としてダメにしたしまうことのないよう、丁寧に扱うことが必要不可欠。
ハサミの選び方 3つの基準
ここまでハサミの購入方法について見てきましたが、実際にハサミを購入するときには何を基準に選んだらいいのでしょうか?
せっかく購入したハサミなのに、「自分の手に合わなくてすぐに落ちてしまう」「切り心地が悪くて、仕事中に手が疲れてしまう」なんてことになったらもったいないですよね。美容師として働いていく上で相棒となってくれるハサミ。自分の手や切り方にぴったり合ったものをチョイスするようにしましょうね。
- 自分の手の大きさに合ったサイズかどうか
- 握りやすいハンドルのタイプかどうか
- 実際の切り心地は自分に合っているか
男性の手のサイズと女性の手のサイズでは、手に馴染むシザーももちろん異なってきます。指の長さや太さでもサイズを変える必要があるので、初めてのシザー購入の場合にはしっかりと採寸をしてもらうのが良いでしょう。
ハサミ全体のサイズと同様に、ハンドルの形やサイズも手に合わせて変える必要があります。手の小さい人や腱鞘炎に悩んでいる人には、そこまで大きく指を動かさなくても切ることのできる「オフセット型」が良い、など、悩みに合わせてハンドルも選んでみましょう。
実は、普段のお客様がショートカットの方が多いのか、ロングヘア―の方が多いのかによってもシザーは異なります。細かい調整が必要なのがショート、大きく動きを出して切れ味鋭くカットするのが求められるのがロングなど、自分のお客様に合った刃を選ぶのも大切。
上記の点を踏まえて選ぶことが大切。一生付き合っていける相棒を、ぜひ見つけてみて下さい。
関連記事:”運命の1本”の見つけ方
ハサミのタイプについて
美容師が使うハサミにはいくつか種類があります。使用用途や出したいニュアンス・デザインによってハサミの種類を使い分けています。ここでは代表的なハサミのタイプとハンドルのタイプについて見て行きましょう。
関連記事:「ハサミの種類」を知ろう
ベーシック
ベーシックは様々なカットに使える最もポピュラーなハサミです。特にベースカットやブラントカットの時に使用します。
セニング
セニングは髪の毛の長さはそのままにして量を調節したい時などに使う、いわゆるスキバサミのことです。
スライド
スライドは片方にしか刃がついていないハサミです。髪のボリュームを抑えたり、動きのあるヘアスタイルを作る時に使用します。
メガネハンドル
基本でシンプルなタイプの「メガネハンドル」は、カタチのバランスが良く、安定してカットすることができます。唯一ハサミを裏返して使うことができるので、自由にカットをしたい人にオススメ。
オフセットハンドル
親指がネジ部分に近い位置になっている「オフセットハンドル」は、女性や手の小さい人にオススメ。また、親指とくすり指を大きく広げなくてもラクに開閉することができるので、腱鞘炎による痛みなどの解消にも役立ってくれそうです。
3Dハンドル
親指の穴部分にねじりがある、立体的なハンドル。手や指をしっかりとホールドしてくれるので、なにより疲れにくいのが特徴。長時間の作業が続く人や、いつでも安定したカットをしたい! という人は一度試してみてはいかがでしょうか?
刃の種類
刃が違えば当然仕上がりも違います。ハサミのタイプやハンドルの形ももちろん選ぶ上で重要なことですが、ハサミの刃にも種類があるので、あなたにピッタリのハサミを選びたいのであれば、刃の種類についても見て行きましょう。
関連記事:美容師のハサミの刃の種類を詳しく紹介!
直刃(剣刃)/ベーシック
直刃(剣刃)とは、名前の通り真っ直ぐのカタチをした刃のことです。ベーシックタイプのハサミで、毛をしっかり掴んでカットすることができオールマイティに使えます。
笹刃/ベーシック
カタチが笹に似ているので「笹刃」と呼ばれています。毛をしっかり掴んでカットできる直刃とは違い、毛を逃がしながらカットできるので細かいカットに向いています。
カーブ刃/ベーシック
刃先が上向きにカーブしている刃のこと。刃自体が曲がっていることで、気になる部分の毛量の調節や質感の調整などができます。細かな部分にこだわりたい上級者向けの刃です!
段刃/セニング
刃先が段のようになっているので段刃と呼ばれています。セニングタイプのハサミで髪の毛を逃がしながらカットします。段の数が多いほどカット率が上がります。
クシ刃/セニング
刃先が平らになっているので、髪の毛をつかまえにくい刃です。毛量の多い時や刈上げやぼかしなどの用途に向いているハサミです。
V溝刃/セニング
刃先がV字型の形状をした刃です。刃先をV字にすることで、溝部分で髪の毛をしっかりと挟み込むができます。一度にカットできる量は多くはありませんが、挟み込んだ毛は確実にカットできる刃です。
美容師が使うハサミの値段って?
ハサミ(シザー)は美容師にとって最も大切な商売道具のひとつ。美容師の使うハサミは髪を切るという用途に特化した専用のアイテムで、日常生活で使うハサミとは刃の形や材質、ハンドルの形などが異なっています。そのため値段も普通のハサミとは違い、相場としては数万円から数十万円までとかなり高額。また、ハサミの種類によっても値段の差があります。
最もベーシックなステンレスタイプのハサミだと、3~7万円ほどと比較的安く購入できます。ですがコバルト合金のハサミになると、5万円以上するものも多数。その代わり錆びないという特徴があり、切れ味も鈍くなりにくいというメリットがあるんですね。また、耐久性が高いダマスカス鋼という素材を使ったハサミの場合、10万円前後するものが一般的で、数十万円するような高価な商品も。そしてハンドルの形状によっても値段は異なり、持ち手がねじれていて様々な動きに対応してくれる3D型のハンドルがもっとも高価で、10万円以上するものも珍しくないのです。
関連記事:美容師のハサミ!値段の違いとは?
美容師用ハサミの“研ぎ”について
美容師用のハサミは通常のハサミより切れ味が良いといっても、毎日使っていれば段々“研ぎ”が悪くなっていくもの。そこで最低でも一週間に一度はお手入れを行うことが推奨されています。自分でお手入れをする場合、シカなどの皮を油でなめしたセーム革とハサミ専用のオイルが必要になるので、事前に用意しておきましょう。
- 付着している汚れを乾いたティッシュなどで拭き取る
- 刃と刃が結びついている接点やネジにオイルを垂らす
- セーム皮を使って刃の接点を丁寧に磨く
- 刃自体も刃元から刃先まで滑らせるように拭き取る
- 全て拭き終わったら、ティッシュなどを使ってきちんと切れるかどうか確認
とても切れやすいので、ゴム手袋や軍手をして行って下さい!
また、より念入りなお手入れ方法として、お店でハサミを研いでもらうという方法もあります。大体数千円で研いでもらえて、1週間以内で手元にハサミが戻ってくるようなので、定期的にメンテナンスしたいところですね。
美容師用ハサミの持ち方・使い方について
美容師用のハサミは持ち方や使い方も、通常のハサミとは異なっています。まずは基本ですが、親指と中指ではなく、親指と薬指を通して持つのが一般的。この時、どちらの指もあまり深く入れずに細かなコントロールができるようにしておきましょう。そして実際にカットを行う際には、親指だけを動かすのがポイントです。親指を通したほうの刃を「動刃」、薬指を通したほうの刃を「静刃」と言うように、片方の刃だけを動かしてカット中に刃がブレないようにするんですね。
また、ハサミの角度を一定に保つことも重要です。様々な方向からカットをすることになりますが、その時にお客様の頭に対して刃が一定の角度になるよう心掛けないと、いびつな段が出来たりカットラインが斜めになってしまいます。とはいえハサミを自由自在に使うには、筋力やコツを身につけることが必要。自分の体の一部のように使えるようになるのを目指して、練習をしっかり積んでいきましょう。
関連記事:正しいハサミの持ち方と練習方法って?
美容師用ハサミの通販・中古品について
通販でハサミを買う際に気をつけるべきは、デザインや有名なブランドだからといった理由で選ばないことです。用途に合っているか、自分の手に合うかどうかが何より重要なので、素材や形状、サイズをよく調べてから購入するといいでしょう。
また、中古品でハサミを購入するという方法もありますね。とはいえ美容師用のハサミは繊細に作られていて、ちょっとした衝撃で不具合が生じてしまうもの。ネットオークションなど、商品の状態についてはっきり分からないものは避けたほうがいいかもしれません。
専門のハサミショップや研ぎ師、ハサミメーカーによる中古販売も行われていて、そうした場合にはきちんと研いでお手入れしてあることがほとんど。サイト内に説明があるはずなので、商品の状態が問題ないと確認してから購入するようにしましょう。
美容ディーラーから購入する、ショップで実物を見てみる、通販で探してみるなど、さまざまなハサミの購入方法を紹介しました。美容師のハサミを購入するときは高価な買い物になることが多いと思うので、いろいろな方法で探してみるのが良いかもしれませんね。
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